屋内でドローン撮影、それは本当にドローンが必要でしょうか?

屋内でドローン撮影、それは本当にドローンが必要でしょうか?

こんにちは、ドローン操縦士の早川です。

ドローンはどんな映像でも撮影できる・・・そんなイメージが先行している感があります。

何度か質問があるのが、ドローンの屋内(室内)撮影。

そのたびに状況やロケーションを聞きつつ説明しているのですが、ドローンの弱点が露骨に出てしまうことが多いです。

いきなり結論ですが、ドローンは空撮用であり、地上は不得意です。

手に持って撮影できる場所なら、わざわざドローンを使う必要は無いのです。

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屋内でドローンを飛行させて撮影したい

「ドローンを屋外ではなく、屋内で飛行させて撮影したい・・・」そのようなご要望はいくつか頂くことがあります。

例えば、通常のオフィス内(デスクが並んでいる場所)で飛行させたり、お店の店内で飛行させたり。

ちょっとした違う視点を入れるために、「屋内でドローンを・・・」という気持ちになるのは充分に理解できます。自分自身も新しいことをやってみたい!と思いますから。

しかし、ドローンのデメリットを知ると「それなら屋内では不要かも」と感じるかもしれません。

今回はドローンを操縦する側からの、あまりオススメしない理由をご説明します。

ドローンの屋内飛行をあまりオススメしない理由

※もちろんロケーションや状況によって飛行可能で、屋内のドローン映像も一定の条件下によっては強みが出ることがあるのが前提です。あくまで、個々の条件次第です。(例えば、コンサートホールなどの広い空間では強いです)

1. GPSが入らないため不安定な飛行になる(=映像が揺れる)

ドローンは主にGPSによって飛行制御をおこなっています。安定的な飛行はGPSによって生み出されていると思って頂くと分かりやすいと思います。

屋内に入ってしまうと、当然ながらGPSは受信できません。

すると、トタンにホバーリングでさえ不安定になります。まっすぐ飛行させようとしても、操縦者の技術レベルやその場の状況によりますが、フラフラとした飛行になります。

GPSの代わりに他センサーを利用して制御する機能がありますが、撮影内容や床面、障害物を乗り越えるのかなどによって、あえて使用しないことが多いです。

つまり不安定な飛行により、フラフラとした映像が出来てしまいます。この映像が使えるかどうかを考えると疑問符がついてしまいます。

2. 操縦者の立ち位置が重要になる(=電波が入りつつ、映りこない場所が必要)

屋外のドローン飛行の場合には、広いエリアでの飛行なので「電波」「立ち位置」は影響されません。

しかし屋内のドローン飛行の場合は、空間が狭いことがほとんどです。電波が入りつつ、操縦者が写り込まない場所を探すのが重要になってきます。

3. 風で舞うため、モノが揺れる(=商品が落ちたりする)

飛行中は、ドローンの真下は強風です。

例えば商品があれば、風によって倒れたり、落ちたり。商品説明用のポップがあったら、パタパタと大きく揺れます。

映像としてみたら、荒々しさだけが伝わってしまいます。

4. ドローンの影が写り込みやすい(=見るほうが気になる)

屋内の場合は地面との距離も近く、また照明も様々な角度から照らしている場合が多いです。

そのため、ドローンの飛行中の影が写り込みやすくなります。

映像を見る方としたら、不自然な影が気になる場合が出てきちゃいます。

5. ドローン周辺に5・6mの空間が必要(=安全のため&カメラが近距離に不向き)

ドローンを中心に、大きく見積もって円形で5・6mの空間があるのかどうか、ということです。

一つの理由として、安全に飛行できるかどうかです。例えば、人間が1人が通るような細い通路は、1.5mほどです。ここをドローンが十数mも通れるかどうかを考えると、限りなくNOです。

またもし通れたとしても、2つ目の理由になりますが、一般的に積んでいるカメラは空撮用なのでやや広角です。通路を通ったとしても、両サイドが近すぎて、見る側が圧迫感を感じるほどです。

6. 天井ギリギリは飛行できない

例えば、一般的な建物の天井の高さは2.5m前後です。

もし、この条件下で飛行させたとしても、安全的に飛行できると考えるとドローンの高度は1.8m前後です。ほとんど人間の目線くらいですね。

そう考えると、わざわざドローンではなく、手持ちカメラで撮ったほうが圧倒的にキレイなでスムーズな映像が撮れちゃいます。

ここまでのまとめ

狭い空間での屋内ドローン飛行をさせようとしたとしても、

  • クラッシュする恐れがあり、安全に飛行できるか怪しい
  • 映像も揺れ揺れで使用できるか怪しい

という2点が必ずつきまといます。

もし屋内で滑らかな映像を取りたい場合には、オズモ(手ぶれ補正機能付き一体型手持ちカメラ)を利用したほうが、ぜんぜん使える映像になります。

つまり、手で持って撮影できる空間なら、ドローンを利用せずに手持ちカメラで撮ったほうがキレイな映像であるということです。

なぜドローンメーカーのDJIが、地上用の手持ちカメラのオズモを発売しているのかを考えると分かりやすいですよね。

よほど広い空間、例えばコンサートホールや倉庫などでない限り、ドローンは有効活用しにくいのです。

具体例を挙げながら屋内飛行絡みについて

屋内のドローン飛行において、屋内→屋外、もしくは屋外→屋内といった「ワンカットで撮りたいんだよ」という気持ちも出てくるはずです。

ここでは「こんなこと出来るの?」という具体例で、より深い共有ができればと思います。

鳥居や門のようなものをくぐった後、一気に上昇して空撮。

鳥居や門の空間の広さ、また門の厚さによって可否は出てきますが、一般的に可能ですね。

門

例えば、このような厚さや広さの門なら、通り抜けて裏側に行ったとしても電波の届きつつ上昇可能です。

大きな建物の正面玄関から屋内に入っていく。そのまま通り抜けて屋外に出る。

これは3点の大きな問題が出てきます。

1つ目は、正面玄関の大きさです。

1.5~2mほどの通れる空間だとしたら、安全面を考えると通れません。少なくとも、5mくらいの横幅がないと、キレイに屋内に入っていけません。

2つ目は、屋内を通り抜ける時の空間広さです。

例えば一軒家で、正面玄関→廊下→キッチン→リビング→庭→上昇、と考えた時、通れる空間がありません。またGPSが入らないため、フラフラと揺れた映像になります。(距離感が狭い屋内だと、特に揺れたように見えます)

3つ目は、操縦者の立ち位置です。

最初は屋外で操縦が必要なのですが、屋内に入ると(そのまま屋外にいると)電波が届かなくなり操作できません。ドローンと一緒に操縦者も後ろについて歩いて行く・・・ことになります。

それだったら操縦せずにドローンを手に持ったほうがいいという話になっちゃいます。(それなら前述の手持ちカメラが最適ですね)

屋外から屋内へ、例えば銭湯ののれんをくぐり、そのまま番台、脱衣所を通過して、浴室の高い天井の上まで上昇、これをワンカットで。

これは前述のとおりです。

銭湯

特に、屋内の細い通路を通りつつ、左右の移動は非現実的です。

手持ちカメラで撮って、最後の浴室の天井まではドローンにつなげたほうが、使える映像として成り立ちますね。

建物の2階の窓から(屋内から屋外へ)飛び出し、そのまま高い空撮へと移行する。

どれだけ大きな窓から抜け出せるかですね。

テラスのような両開きの窓なら可能性がありますが、どのような窓で、どのような空間があって、その先にどのような障害物があるのか…などなど。

テラス

条件によって可否は変わるので、一概に出来るとは言い難いのが本音ですね。

屋外の空撮から建物の2階の窓へ、屋内へと侵入し、少し屋内を飛行するまでをワンカット。

屋外から屋内に入るのは、一般的に屋内から屋外よりも難易度が高くなります。

さらに、操縦者がどこにいて、かつ電波の入る場所を考えないと実現しません

例えば、屋外に操縦者がいる場合、屋外の空撮は問題ありませんが、2階の屋内に侵入した途端に電波が途切れて操縦できなくなります。

逆に、2階の屋内で操縦していた場合、屋外の空撮時は窓から操縦すればいいのですが、屋内に入ってくる時に窓にいないと電波が届かないため操縦者がずっと写り込みます。

渡り廊下風の長い縁側を歩いている移動で通過し、そのまま屋外へ飛び出す。

GPSが入らないため屋内同様に、フラつきます。風があれば、なおさらです。

渡り廊下の場合、映像としてみた時に直線がより意識されます。

渡り廊下

フラフラと移動するドローンで撮影した場合、より映像としての揺れが目立ちます。

見る方は酔いますし、映像としてもスムーズさに欠けると思います。

地上で撮れるものは、手持ちカメラで。

基本的には、ドローンは空撮用です。地上では弱点が露骨に出てしまいます。

地上で手持ちカメラで撮影できるものは手持ちカメラで。

映像として「見れるものにするのか、使えるものにするのか」それを考えると、ドローンの出番はほとんどないと思っています。

もちろん、ロケーションや条件によっては、屋内でのドローン撮影も効果的です。また屋内→屋外というダイナミックな映像も、空間の広さや天候を含めて可能な場合もあります。

ただし、かなり稀な使い方となりますので、どのくらいの広さがあるのか、障害物はあるのか、床面はどうなっているのかなど、より確かな情報が必要になるかと思います。

ドローンで屋内で無理に撮らずに、専用の手持ちカメラを軸にした撮影プランを立てたほうが、実際の撮影時点で「飛ばせません!」とトラブルにならないかと思います。

あとがき

まずは操縦者に相談してみてください。また操縦者も無理をしないフライトを心がけるのをオススメします。

やはり屋内は自由が効かず、屋外と比べ物にならないほど安全を重視しないといけないと思いますので。

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