国土交通省へドローン申請できる人、できない人の大きな違い。

国土交通省へドローン申請できる人、できない人の大きな違い。

こんにちは、ドローン操縦士(ドローンカメラマン)の早川です。

最近はドローンに関心が高まって、いろいろな動きが活発化しています。

それと同時に、残念ながらルールの理解が深まらないまま、誤った方向へ進んでしまうことも多々見受けられるようになりました。

今回は、ドローンの飛行申請をできる人、できない人の大きな違いです。

基本的には、ドローンを始めたばかりの方は「できない人」の部類に入ります。ではその理由は何でしょうか?ここでパッと解答が思いつく方は、ドローンの安全性や航空法の理解など見聞がある方ですね。

逆に「えっ、わからないよ」という方は、安全性が損なわれ、違法性に絡んでしまうので要注意です。

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こんな認識に要注意!私がビックリした3つの事例

ドローンの飛行申請は、普段ドローンに携わっていない方にとって難解ですよね

国土交通省のWEBサイトを見ても、レイアウトが見づらかったり、リンクがたくさんあって迷路だったり、初めて見たら解読するのに時間がかかります。

そのような状況だからこそ、誤った認識が生まれてしまうのは仕方のないこと。

クライアントやドローンが好きな方と話をする中で、「むむむ!」とビックリした誤認識を紹介します。

その1. 「とりあえず国土交通省に申請すれば、誰でも飛行できるんでしょ」

最初に驚いたのが、「国土交通省に申請すれば誰でも飛行OK」という話。

まず厄介なのが「申請」という言葉です。これだけを切り取ってしまったら、申請→許可という流れを思い浮かんでしまいますよね。

話しているときの雰囲気から、例えるならばパスポートの申請に近い感覚です。

「パスポートって必要書類を申請すれば、誰でも取得できるでしょ」という軽い感じの受け取り方です。

実際には、ドローンの国土交通省の申請は異なっており、申請→審査→許可という流れがあり、申請できる人も限られています。※後述します

そのため、申請書を作れば誰もが許可が下りるというのは誤認識なのです。

その2.「GPSってどうやって切るんですか?切ったことがないです。」

次は、ある程度ドローンをされている方で、飛行申請をしようと試みている最中の話です。

ドローンで数時間ほど飛行したことがあり、「操縦はしているので、国土交通省に申請をしようとしているんですよ」と。そこで私が「GPSは切って操縦してますか?」と質問。

「え!GPSを切って操縦したことないです。そもそもどうすればGPSを切れるのか知らないです(笑」

ドローンを離発着させて、真上に飛べば「操縦できる」のは確かですが、残念ながら国土交通省の基準に達していません。

ドローンが安定的に飛行できる理由はGPSです。ドローン本体でGPSを掴んでいるからこそ、多少の風が吹いても直進してくれます。

しかし、GPSを切った状態、つまりフリーな状態でドローンをコントロールするのが申請条件になっています。

GPSを切って飛行したことがない、かつGPS無しで飛行したとしても同技量を持っていない、となると国土交通省に申請は出せないのです。

その3.「とりあえず、ずっとホバーリングして飛行時間を伸ばしました」

これは良く耳にする話です(笑。

なんとなく許可条件を理解しているように一瞬思えますが、飛行時間と飛行技量を分けてしまっている誤認識です。

なんのための時間という目安なのかを完全に見失っていて、ドキッとした方は多いのではないでしょうか?

これもまた理由は後述します。

国土交通省へ申請できない方の特徴

先の項目に記載した3パターンは、すべて国土交通省へ申請できない方です。

ここでは話がブレないようにハッキリと書いてしまいますが…

  • ドローンの操縦技量が足らない
  • ドローンの知識が足らない
  • 航空法の理解が浅い

という方は、残念ながら現段階では国土交通省への申請はできません。

3つのパターンの方とお話していたとしても「このままでは、どこかで事故を起こすだろうな…」と不安感が漂ってきました。

ドローンは人に危害を及ぼす飛行物体であり、実際に日本でも頭の上に落下する事故が起きています

⇒参考:日本でもドローン墜落による人為的被害に…。原因は電波障害による操縦不能!?

さらに言えば、航空法という法律と隣合わせであり、違法をすればあっさりと書類送検や罰金刑に処されます。今まで何例あったことか…。

⇒参考:ドローンの事件・逮捕・違反のまとめ。

ドローン飛行に規制を出しているということは、逆を言えば危険度の高い場所で飛行させることです。

そのための基準が設けられているというのが、国土交通省への申請条件というわけです。

ドローン申請ができる方の条件

前述したとおり、誰もが国土交通省へドローン申請ができるというわけではありません。

申請ができる方の条件というのは…たくさんあるのですが代表的で分かりやすい項目をピックアップすると

  1. 四角形や八の字飛行ができる
  2. GPSや各種センサー無しで(1)ができる
  3. 10時間以上の飛行訓練がある
  4. 航空法や気象、安全機能、安全確認の知識がある

大きな項目として、この4つが申請を出せる代表的な条件になります。※もちろん他の要素もあります

せっかくですので一つひとつを簡単に解説します。

条件1. 飛行技量を持ち合わせている

完全に操縦スキルですね。

「飛行が上手」という曖昧な内容ではなく、具体的に掲げられているのが

  • 離発着
  • ホバーリング
  • 左右方向の移動
  • 前後方向の移動
  • 水平面での飛行
  • 対面飛行
  • 飛行の組合
  • 八の字の飛行

この列挙した飛行方法です。

ドローン飛行で最初の壁になるのが対面飛行ですね。コントロールが逆になるので、完全に慣れが必要です。

また、八の字もコントローラが動きっぱなし。しかもどう旋回させればいいのか、というコントロールの仕組みも理解が必要です。

8の字飛行を5回連続して安定して行うことができる

ただ単純に八の字ができるのではなく、5回連続で安定的にできるのが条件になっています。

詳しい要項は別記事に記載してますので、ご参考ください。

⇒参考:国土交通省が求めるドローン操縦技量・飛行訓練とは?

条件2. GPSなしで【条件1】ができる

たぶん多くの方が理解不足なGPSなしでの飛行です。

国土交通省に申請する書類の1つに、「無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書」というのが存在します。

この書類の中に、能力を「有する」「有さない」と確認項目があるのですが、

GPSなしの飛行

の記載があるので、必ずGPSを切った状態で飛行できる技量が条件になります。つまり今までGPSを切ったことがない人は対象外。

ある程度のGPSなしでの飛行が条件として確認書に記載がありますが、せっかくならば八の字までGPSなし飛行ができたほうが無難です。

条件3. 10時間以上の操縦練習を実施している

代表的な3つ目。10時間以上の操縦練習があるかどうかです。

10時間と聞くと短いように思えますが、1つのバッテリーが15分~20分しか保ちません。

例えば、2つのバッテリーを持っていたとしても、1日で30分強の練習になります。そう考えると、トータル20日間を要する計算です。

また、前述した「ホバーリングだけして時間を稼いだ」というのも無意味に近いですね。

10時間以上

航空局のマニュアルでは、条件1および条件2の操縦練習を10時間以上のとされています。

ひたすら訓練して操縦技量を習得しなければなりません。

条件4. あらゆる知識を有する

航空法は当然ですが、プライバシー権、肖像権などドローンには様々な法律が隣り合わせです。

当ブログでは、サラリと記事にしていますので読んでいただければー。

ちなみに、これは面白いですよ。読破すればするほど、いろんなものが紐解かれて、見えてくるものがあります。無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(本文)

なぜ「許可・承認」が必要なのかの本質を理解する

ここまで読むと「なんだか面倒くさいなぁ」「そんなことせずに、チャチャッと許可をちょうだいよ」と感じる方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、それは自己本位ですね

残念ながらドローンは墜落します。100%は存在しません。実際に人の頭上に墜落して、日本でも大怪我をした事故があります。他人に与えるリスクが大きいんですよ。

人口集中地区や人または物件から30m以内の飛行等の法的制限がかかっている理由は、そのリスクが格段に上がるからです。

操縦技量が高くない方が、そのようなリスクが高い場所で飛行させた場合、事故の起因する確率は高くなります。

例えば、GPSなしで操縦できない場合、もしも上空でGPSが切れたらあっという間に建物に衝突させてしまいます。(天候や環境によって、GPSって結構切れますよ)

人に危害を加えるリスクの高いエリアや条件だからこそ、安全を約束するための「ドローンの飛行申請」であるのです。でなければ、住宅地のど真ん中でドローンを飛行させませんよね、国土交通省も。

なんのための航空法なのか、なんのためのドローン規制であり、なんのための申請許可なのか。この本質を理解しないと、最終的に痛い目に遭うのは操縦者とリスクにさらされる第三者です。

決して、国土交通省に申請をすれば誰もが許可されるわけではありません。

必要な知識があり、必要な技量がある。その認識こそが、申請へのスタートラインとも言えます。

あとがき

現場に出ていると、以前よりもふんわりとした認識が広がっている気がします

ドローンと操縦者、そして第三者の安全のために、「申請ができる人」「(現段階で)申請ができない人」の違いを紹介しました。

依頼するクライアントも、操縦者も、ドローンに関わる方も、目を通してほしい要件ですね。

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