こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
日頃からテレビや映画などで使用されているドローンシーンを観て、「おお!」と思ったり「むむむ?」と思ったり、いいも悪いも含めて積極的にインプットしています。
やっぱり自分自身に幅が広がりますからね。
そんな中、「このドローンの使い方はヤバイ!」と唸ってしまった映画に出会ってしまいました。
普段は他人のドローン映像を見て唸ることはないのですが、たぶん、ここ1年間の中で久しぶりのクリーンヒットです。
このページに書いてあること
前置き。とにかくインプットする
ドローン撮影という業務上、よりクオリティの高いサービス提供すべきだと考えています。
映像で繰り広がる世界観、それをドローンというツールで実現するために、だだっ広い空間をどう魅せていくのかがドローン操縦士の腕次第です。
そんな腕を磨くためには、自己訓練も必要ですが、インプットも必要不可欠です。
映画・CM・MVなど数多くの映像に、ドローンで撮影されたシーンが含まれてきました。その映像を直接的に受け取る方法もあれば、クレーンで撮影された映像をヒントにする方法もあります。
ちょっとイレギュラーですが、アニメも参考になるんですよね。アニメは自由な空間で描写できるため、ある意味、ドローンでも再現しやすいのが利点です。
※余談ですが、ディズニー・アニメ「ズートピア」のドローン風カメラワークは刺激的でした。主題歌もイイですね、好きです。
話がそれてしまいましたが…
そんなインプットを欠かさずにしているのですが、とある映画を見て「このドローンチームは凄すぎる!」と何度も見入ってしまいました。
引っ張ってしまって申し訳ないですが、そんなここ1年間くらいで脳天直撃なほど刺激になったのが、映画「13時間 ベンガジの秘密の兵士」です。
『13時間 ベンガジの秘密の兵士』のドローン活用ポイント
「トランスフォーマー」「アルマゲドン」などのヒット作を創出するマイケル・ベイ監督の最新映画(2016年)です。
2012年に起きたテロリストによるアメリカ領事館襲撃という実話を元にしたハリウッド映画。
予告編では、そこまでドローン感が出ていないのが残念なのですが、なんとか文章でその凄さを伝えればと。
刺激ポイント1:ドローンの映像を多用している
まずこの映画で特徴的なのが、ドローンで撮影したシーンが3・4分に1回の頻度で使用されています。
通常、ドローンを使用するシーンは、メインの箇所だったり、エンディングだったり、映画の中でも極わずかです。
しかし、この映画はバンバンと出てきます。「お!ドローンだ」「お!ドローンだ」そんなペースで出てくるのだから、1本の映画の中で100を超えるシーンを使用している勢いです。
刺激ポイント2:意味があってドローンの映像を使用している
ただ単純に「ドローンは珍しいから多用する」というわけではありません。
その場面ごとに、必要なシーンとしてドローンを使用しているのです。
例えば銃撃戦。味方の配置と、敵との距離感がどのくらいなのか、見る側の頭のなかにマップつくる。そのためのドローンで撮影して、映像を差し込む。
「このシナリオを表現するのに、必要だからドローンを使ってみたら、結構活用しちゃった」と思えるくらい、効果的に活用しているのです。
観ていても、まったく違和感がないんですよね。
刺激ポイント3:丁寧に撮影をしている
私も映画やCMの撮影をおこなうのですが、ドローンを使用すると準備がかかります。
なにか動くものとタイミングを合わせたり、通過する飛行ルートを調整したり、映り込む箇所が多くなるので場所決めをしたり。どうしても何テイクかは必要になってきます。
普通の地上カメラよりも、若干手間はかかってしまうのがドローンです。
しかしこの映画では、妥協をせずにシーンに合わせた撮影を丁寧に行っています。
銃撃戦の前に、配置につくシーンがあるのですが役者と息を合わせるのが何カットもあります。もうそれだけで、「いやー凄い!」と。
刺激ポイント4:驚くようなワンカットで撮っている
日本で撮影されているドローンのカットは、大抵は想像ができて「あぁ、こう撮っているんだ」と理解できちゃいます。
しかし、さすがハリウッド。「どこをドローンを飛行させて撮っているんだ!?」と想像を超える動きに、もうメロメロです(笑。
もはや完全に職業病なのですが、いくつかはあり得ない飛行の仕方をしているんですよ。
刺激ポイント5:観ていて気持ちいい。臨場感が出ている
最大のポイントはコレですね。
映画のストーリーと上手くマッチした使い方をしています。テロリストの戦いに臨場感が出てきて、より一層映画を楽しめる創りです。
その場にいるような感覚に陥ります。これはドローンを上手く活用している証拠だと思います。
さすがアメリカ。日本も追いつきたい。
ここまで徹底したドローン活用は、監督(マイケル・ベイ)の強い想いなしに実現しません。
なぜなら手間がかかるからです。
しかし出来上がった映像を見ると、やはり力強さ、臨場感、食い入る映像…。他を凌駕する描写力はさすがです。
実際にAmazonビデオでは(ストーリーの良さもありますが)、5つ星のうち 4.3と好評価。
空撮以外にも宅配などドローンの活用方法は、アメリカが何十歩も先行しているのは否めません。まだまだ日本はドローンの活用途中ですが、なんとか追いついていきたいですね。
私もこの映画を観て、もっと上、もっと上と目指す場所を再確認しました。
「この映画を撮ったドローンチームはプロフェッショナル、ここに近づきたい」と。
あとがき
映像もきれいですが、ストーリーも面白いので十分楽しめるはずです。
映像制作に関わる方が試しに見ても、損はないと思いますよ。
ちなみに、Amazonのプライム会員になれば、Amazonビデオで無料視聴できます。