こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
「ドローンの操縦を学べるドローンスクールって、どんなところなんだろう?」
そう思って「ドローンスクール」で探しちゃいますよね。
ドローンは法律があるから怖いし…、でもドローン操縦ができるようになりたいし…。でも情報が混在していて判断しにくい…。
そのような悩まれている方が多くいらっしゃいます。
私はドローン操縦をメインに業務を行っており、専門家から見たドローンスクールを皆さんのために分かりやすく説明しますね。
今回のブログ記事では…
- そもそもドローンスクールって何?
- ドローンスクールの内容は?金額は?
- 実際に無料見学体験に参加レポート
を中心として、ドローンスクールのイロハや選び方、そしてメリットとデメリットを書いていきます。
このページを読めば「ドローンスクールって、そうなんだ!」と理解が深まり、「無料ドローン体験があるなら行ってみようかな」とお得なドローンスクールが見つかります。
このページに書いてあること
そもそもドローンスクールとは何?
まずは「ドローンスクールとは何なのか?」というところからご説明しますね。
新しい言葉すぎるので分かりそうで分からないところがたくさんあると思います。ドローンのイロハから始まって、ドローンスクールの中身に迫っていきます。
ドローンを飛行させるのに「免許」「資格」は一切は必要ありません
いきなり衝撃的な話ですが、ドローンを飛行させるにあたって「免許」「資格」は不要です。
ドローンメーカー基準のドローン操縦の年齢制限(18歳以上)はありますが、ドローンは誰でも飛行できます。
そう、今日からでもあなたはドローンを飛ばせます!(やったー!)
ドローンスクールを一言でいうと「塾」みたいな場所である
「免許が必要ないならスクールは不要なのでは?」と思うかもしれませんね。
そこで分かりやすく言い換えると…
「ドローンスクールとは、ドローンを操縦する上で必要な知識や技術を学べる場所」です。
つまり、ざっくりと塾みたいなもの。
ドローンに関わる法律や基礎的な操縦方法を身につけるために、誰かに教えてもらいたいと考える人もいますよね。
そのときにの学べる場所=塾と考えると手っ取り早いです。
どのような人がドローンスクールに向いているのか?
前述のようにドローンは誰でも飛行させられます。
ただしドローンを飛行する上で大変注意なければならないのが…
- 航空法の対象になっており違反すると罰金刑
- 操縦スキルがないとロスト(紛失)やクラッシュ(衝突)させてドローンを壊してしまう
- 他人を傷つけたりヘリコプターと衝突したら大問題(ヤフーニュース掲載)
このように地上で撮影するカメラとは大きく違い、各法令に抵触するリスクのあるのがドローンです。
実際に航空法で書類送検された人は、マジメに何人もいます…。最近では違反飛行させて逮捕や書類送検されたニュースが流れていますね。
だからこそ…
- 「お金を払ってでもゼロから学びたい」
- 「できるだけリスクを軽減したい」
- 「時間がないからササッと学びたい」
と願っている方にとってはピッタリなのです。
より具体的に、いまドローンスクールに通っているひとはどんな人?
実際にスクールに通っている人はどんな人かと言うと…
- きちんと学んでからドローンをスタートしたいと思っている方
- 企業でドローン業務が必要になって会社命令で学んでいるサラリーマン
- 手っ取り早く知識を手に入れて趣味でドローンを始めたいご年配者
の3パターンが多い印象です。
会社命令で学ぶサラリーマンの方は、測量会社だったり、映像制作会社だったり、公務員だったり、業務上で必要となったからドローンスクールで学ぶということですね。
どのくらいの費用と期間がかかるのか?
スクールと言っても半年や1年間に渡って通うものではなく、平均的に2~5日間で完結するスクールです。費用はおおよそ20万円~35万円。
基礎的なことを身につけて一定レベルのテストに合格すると認定証をもらって卒業という流れです。(国土交通省から認定を受けているスクールの場合は、この認定証が役立つ場合があります)
ここまでのまとめ(メリット・デメリット)
記事の途中ですが、ここまでのまとめです。
ドローンスクールのメリットは…
- 短期間で知識、法律を学べる
- 一定水準の飛行技術を学べる
- 卒業時の認定書が役立つことがある
逆にドローンスクールのデメリットは…
- 授業料が必要である
- 基礎的なレベルの習得にとどまる
あくまでドローンを安全に飛行できるというレベルまでがスクール(=塾)の役割。
法律違反のリスクを軽減し、基礎レベルの操縦技量を身につけられるというわけです。
ドローンスクールの主要団体は主に2つ
日本全国にドローンスクールは点在しています。
「スクールによって教材は違うの?実技にムラが出るの?せっかく学ぶのだから下手なところで学びたくない」と思うかもしれません。
しかしご安心ください。ドローンスクールは主に2つのスクール団体がカリキュラムや教材提供をおこなっています。
その教材を団体認定校である全国のドローンスクールが利用して「スクール運営」しています。
簡単に言うとフランチャイズですね。
セブンイレブンという看板をもとに、全国の企業がオーナーとなってセブンイレブン店舗を出す。ドローンスクールも同様に、直営校があったり認定校(フランチャイズ)があったりします。
では、その2つの団体を紹介します。
一般社団法人日本 UAS 産業振興協議会(JUIDA:ジューイダ)
日本で最初に組織化したのがJUIDAという団体です。
どのような団体かというと・・・
無人航空機システム(UAS:Unmanned Aircraft Systems)の民生分野における積極的な利活用を推進するとともに、UASの応用技術の研究開発、安全ルールの研究、人材育成、環境整備に努め、UAS関連の新たな産業・市場創造、健全な育成と発展に寄与するために、さまざまな事業を行います。
というわけで、ドローン関連のイベントやスクール指導をおこなっている社団法人です。
一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA:ディーパ)
もうひとつはドローン操縦士協会。名前がそのまんまですね。
ドローン操縦士の技術、技量の健全な発展を図り、航空の安全確保につとめ当該技術、知識の普及と諸般の調査研究を行うことを目的とする。
操縦の技量の発展等がメインでしょうか。全国に40拠点のスクールを展開予定とのことで、なにかと力を入れている団体です。
ドローンスクールの選び方は?
さてドローンスクールを「どう選べばいいの?」と悩んでしまいますよね。
そこで損をしないスクールの選び方の3つのポイントをお伝えします。
ポイント(1)開催場所と開催時間
もっとも大切なのは、場所と時間です。
わざわざスクールに通うのに、新幹線や飛行機に乗って通うのは馬鹿馬鹿しいですよね。
お住いのエリアにスクールがあって、なおかつ時間帯が合うような場所を探しましょう。場所と時間が合わなければ「結局、通えなかった」となってしまいます。
ポイント(2)国土交通省の認定講習団体
せっかくスクールに通うのでしたら国土交通省の認定講習団体にしましょう。
国土交通省が一定レベルの技能や教材を利用している場合に「認定講習団体」になることができます。
この団体やスクールで認定証をゲットすることで、ドローン飛行の申請書の一部を省略可能になります。
同じような授業料を払うのならWEBサイトに「認定講習団体」かどうかを確認しましょう。
ポイント(3)施設が充実しているかどうか?
スクールによって練習施設の有無が異なります。
屋外にだだっ広い練習場を構えているスクールもあれば、雨天でも練習できる屋内型のスクールもあります。
スクール側も施設の充実度を差別化しているので、実際にスクールを見に行って確認するといいですね。
私が無料説明体験会に参加しました
「見に行って確認するのがいい」と書きましたが言いっぱなしだと良くないので、もう実際に無料説明体験会に行ってみました。
今回、説明会に参加したのは無料操縦体験ができるドローンスクールジャパン東京中目黒校です。
どのような説明体験会なのかをレポートしますね。
普通だったら聞きづらいことも、バシバシと聞いてみましたよ。
01.質問しやすい「少人数での説明会」
最初に通されたのが、練習場横にあるブース。
「あれ、参加するのはわたし一人しかいなんですか?」と困惑。もっと5・6人くらい参加しているのかな?と思っていたのですが。
なぜわたしだけなのか聞いてみると…「説明は1グループ単位でおこなっています。参加者1~3人くらいですね。そのほうが参加者が質問しやすいんですよ」。
なるほど!確かに参加者が少ないほうが説明を受けているときに、躊躇なくパッと聞けます。これが参加者6人となると、質問しづらい。疑問ばかり残って不完全燃焼で終わってしまいますね。
説明用の資料を見ながら、約20~30分くらいお話を聞きました。
ドローンの産業や法律、そして受講コースなどです。特に産業については、どの分野が有望なのか、成長性が有るのかなどデータで教えてくれるのは分かりやすいですね。
「ドローンをしようと目指す皆さんは、エンターテインメントとか映像制作の分野を目指そうとしますが、ここは伸びなくて、やっぱりドローン点検分野ですよね?」と聞いてみると…「ぶっちゃけ、そうです。ダントツに伸びます」との返答。
いやはや、正直で偽りのない説明でした。普通は「どの分野も伸びますよ!」と嘘を言ってしまいそうなのですが。
02.実技をメインとした「独自受講」
「当団体のDPAは受講内容は実技をメインとしています。どれだけ技量を上げていくかに重きをおいているんです」とのこと。
「えっ!?実技がメインとなると、操縦するのがメインですよね?1回の受講人数が多ければ、1人あたりの操縦時間も減りますよね?それにバッテリーの数だって限界があるはずでは?」と突っ込んだ質問をしたところ…
「当団体DPAでは、インストラクター1人に対して受講者は3人までと決めています。さらに当スクールでは独自にインストラクター1人に対して受講者を2名までとしています。参加人数が多くて操縦が出来ないということはありません。それにバッテリーは…」
と裏の施設をこっそり見せてもらったら、バッテリーが何十個も保管されており、絶えず充電されている充電部屋でした。このバッテリーの量なら、もう飛ばし放題です(笑。
これだけ操縦ができるとなると、さらに疑問が生まれたので…「ドローンの操縦って、もともとトイドローンを持ってたら”上達度”が変わりますよね?トントン拍子に上手くなったとしても、受講の時間割の通りに進めていくと、その人は暇になりませんか?」
「時間割はあくまで目安です。上手くなったら時間割は関係なく、一人ひとりの習熟度に合わせてどんどんと先に進められます」
受講する人数が同時に2名までとなっているため、インストラクターも柔軟に対応できるとのこと。そして気になるのが飛行時間10時間の話です。
「国土交通省航空局に飛行申請を行う際には、”指導者のもと10時間以上の飛行実績”となっていますよね?もし受講したら、何時間の飛行になるのですか?」
「一般的にお申し込みをいただく2つのコースでの合計は11~13時間です。それだけ指導者のもとで技量を積み重ねられるのが当スクールのメリットですね」
03.何度でも練習できる「シミュレーター操縦」
これは面白いです!メチャクチャ本格的。
大画面を目の前にして、離陸・ホバリング・着陸など操作するとあたかも飛ばしているのと遜色ない感覚でした。
「ここまでリアルだと、動き方を確かめられますよね!」
「そうなんです。動き方を見るだけではなく、いろいろなモードがあって、ホバリング練習モードは円形から外れてしまうと大破するんですよ」と粉々になったドローン(たぶんMatris)が画面に…(笑。
シミュレーターの中だったらどんな動かし方でもドローンは壊れないのでリモコンの練習に最適です。コース受講中はいつでも練習できるそうですよ。
04.雨天でも大丈夫な「屋内ドローン操縦」
説明会の参加者と同じように、私もドローンを飛ばしました。
うん、これは楽しい。絶対楽しい(笑。
ブゥーンと飛行音を出しながら、ゆっくりと浮上。バランスを取ってホバリング。
GPSもビジョンポジショニングもない完全フリーな状態での操縦なので、必然的に技量は高まりますし、国土交通省の審査基準にもクリアしますね。
リモコンは2つに分かれていて、もしものときはインストラクターが修正してくれるので安心して操縦できます。
「ここまで体験できるのは、メチャクチャ贅沢ですよ!」と興奮しながら言うと「もう少し操縦してみましょうよ。前後の動きもやってみてください」と。
いやはや楽しい時間です。
05.すべての無料説明体験会を終えて…
ドローンに興味を持っていて「上手くなりたい」と思うのでしたら、とりあえず無料説明会に参加してみる価値はありますね。
- ドローンの産業や成長分野など知れる
- 少人数制なので聞きたいことを聞ける
- 実機での操縦体験ができる
説明体験会はおおよそ1時間~1時間半くらいで充実した濃い内容でした。さすが、関東圏内で受講生No.1のドローンスクールです。
個人的にここが凄いと思ったのが、練習場の天井高。12mくらいあるのは珍しいです。天井が低いと圧迫感を感じて(初心者にとって)怖く感じてしまうんですよね。
これだけの天井高があって、なおかつ雨天も関係なく練習できる。ついつい「いい物件を見つけましたね!」と言ってしまいました(笑。
「この無料説明体験会はいつ開催されているんですか?」と聞いたところ…
「基本的には、ご参加者の都合に合わせていますよ。受付10:00~18:00で土日祝もOKです。」
つまり、自分の行きたい希望日時を伝えれば、いつもでも開催してくれるとのこと。大変ありがたいです。
スクールで卒業するとビジネスになる?
さて、忘れてはいけないのは、この話です。
前述のドローンスクールでも感じたことなのですが、ドローンのスクールに通って卒業したら「独立してビジネスをするぞ!」て意気込みの方は要注意です。
ドローンの基礎を学んだだけでは、独立してビジネスは成り立ちません。ドローンを操縦することと、ビジネスをすることは全く別です。
ドローンに限らず、どの業界でも言えることですね。例えば主婦がチャーハンを作れるからと言って、お店を出したら繁盛しますか??
あくまでドローンを操縦できるようになるだけであって、ビジネスをつくるのは本人次第です。
また「ドローン操縦士は新しい職業!」と思われがちですが、実際にはエンターテインメント系の空撮分野に限って言えば飽和状態です。
新しい職業というよりかは、すでに廃業している方が出ている下火職業とも言えます。さらに言えばAIによる自動操縦はドローンの大本命です。
ドローンスクールは知識や技量を身につけられる良いところです。
ドローンの産業としても、まだまだ未開拓な分野もあり、成長し続けるのは間違いありません。
その上で「ビジネスとしてどう活用していくのか…」それを考えるきっかけとして、そしてご自身の判断材料として「説明体験会に参加する」という考えで見に行ったほうが後悔しないと思います。
あとがき
ドローンスクールは2016年から始まり、徐々に全国にスクールが増えてきました。
どこがいいのかは、受講内容や日程、スクールの通いやすさなどを考慮するのはいかがでしょうか?