こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
ここ1・2週間でドローンに関わる悪い話が出てきちゃいました。
「藤沢市でドローンによって顔に大怪我」「Youtubeの映像を元に書類送検」というブラックな話です。
2015年12月より改正航空法により、ドローンの違反飛行にて書類送検される事件が増加していました。
しかし今回、「書類送検」よりも一歩先の悪質な「逮捕」にいたりました。今回、ドローンでの初逮捕ということで話題にしてみます。
結論から言えば、ユーザーの軽視が過ぎましたね。残念ながら、ドローンは楽しいおもちゃではありません。法律が関わるのですから。
2017年3月3日、福岡県警が会社員58歳を逮捕
3月3日の朝日新聞からのニュースです。
八幡東署によると、塩川容疑者は昨年8月21日午後6時半ごろ、国交省がドローンの飛行禁止区域に定める同市小倉北区西港町の上空で、許可を得ずにドローン(26センチ四方、1・2キロ)を飛ばした疑いがある。
昨年10月、同市八幡東区の林でギンナン取りに来た近くの男性が墜落したドローンを見つけ、署に拾得物として届けた。搭載されていたマイクロSDカードに記録された映像に、禁止区域の風景や、ドローンを操縦する塩川容疑者が映っていたという。
塩川容疑者は今年1月、ドローンをなくしたと署に届け出た。任意の聴取に1度は応じたが、その後出頭しなくなったため、逮捕に踏み切った、と署は説明している。逮捕後は「ドローンを飛ばしたのは間違いありません」と容疑を認めているという。
いろんな状況が重なっているので、言葉を付け加えながら解説しますね。
- 8月に飛行禁止エリア(人口集中地区)を無許可でドローン飛行させ録画していた
- 別の日に、山奥でドローンを飛行させたがロストした(Phantom4)
- 10月にギンナンを取りに来た男性が、ロストしたPhantom4を見つけた
- 拾った男性がPhantom4を警察に届けた
- 録画していたSDカードに、(1)が映っていた
- 操縦者が警察に「ドローンをロストした」と届け出た
- 警察が「(1)の状況って何?説明してよ」と問い詰めた
- 操縦者はそれを無視して説明しなかった
- 逮捕 ← ここで報道
ものすごく要約すると、違反飛行を録画していて、それがバレて警察に呼ばれたけど出頭しなかったので逮捕、ということです。
録画データが証拠になる
別の事件でも、Youtubeにアップしたのが証拠になって書類送検になったのがありました。
⇒参考:Youtubeの動画からドローン違反飛行が発覚、通報後に書類送検された件。
ドローンで利用される大半は、空撮=録画になると思います。どこをどんな風に飛行しているのかが完全に記録として残るわけですね。
今回の逮捕のキッカケになったのも、ロストしたドローンに残されたmicroSDが決め手です。
ドローンによる空撮=証拠、ということです。
たとえ「人が見ていないから、航空法のドローン規制を無視しちゃえ」ということをしたとしても、証拠が残るわけなので「バレる」のが決定的になったのが今回の事件ですね。
楽しいおもちゃではない。軽視しすぎない。
ドローンをちょっとしたおもちゃだと考える人が多いです。
しかし実際には法律の制限がかかっており、その枠を超えると書類送検や逮捕にも繋がります。現行犯だけではなく、こうして証拠をベースに、数カ月後に警察の厄介になる…というのも現実として起きています。
ドローンが抑制されてしまう言い方になってしまい残念ですが、決しておもちゃではありません。ときに、安全を脅かす存在でもあります。
⇒参考:日本でもドローン墜落による人為的被害に…。原因は電波障害による操縦不能!?
以前よりも世間一般からドローンが好意的に見られつつある状況です。冷たい目というのは、徐々になくなってきました。
しかし甘い雰囲気だからと言って、ドローンに対して軽視するのはどうかな?と思いますね。
今回の逮捕も、「警察に出頭しなかった」のが仇になりました。
きっと操縦者は「そんなドローンごときで逮捕されないだろう」と思っていたのかもしれません。本当は航空法でバッチリと書類送検や多額の罰金がバンバンと起きているのに。
ドローンは空に飛び、法律と隣合わせのツールです。
それを忘れては、いつか事故や事件を起こしてしまう当事者になりかねません。何度も言いますが、おもちゃとは思っちゃいけないですね。
あとがき
今回の逮捕で、実例もつくられました。今後も全国の警察署で模範になるはずです。
ドローンにとって悪い風潮は、大きくしなくないものです。