その認識、大丈夫?マナーが欠落したドローン操縦者を目の当たりにして。

その認識、大丈夫?マナーが欠落したドローン操縦者を目の当たりにして。

こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。

衝撃の度合いが強くて、だいぶ翻弄しました。

ドローンはAmazonや家電量販店で簡単に購入できる代物です。ただし、思いっきり法律の共存下に置かれています。

それを知らずして、ドローンを購入→飛行→墜落→書類送検(前科一般)という事件も起きるほど人によっては低認識でもあります。

今回翻弄されてしまったのは、某ブログの情報。

「それ、マナー違反というよりかは、もうすべてダメでしょ!」という衝撃でした。きっとこのブログを読んでいただいている方は大丈夫だと思いますが、同じ道を踏まないようにブログにします。

※決して私自身は保護主義(法律でガチガチ縛る)ではありませんよ。産業発達する要素には多少グレーに踏み込む必要があります。例えば、昨今の民泊もそうですね。ただしブラックは、しょっぴかれるだけです。配車サービス「Uber」が日本で展開しないのは、法律でブラックだからですね。

ことの発端は「ドローンが飛行できる場所」の情報について

日本の航空法によって規制があるドローン。これは日本だけではなく、世界のいたるところでもドローンの法規制は敷かれています。

「ドローンってどこで飛行できるのか」という課題は常に隣り合わせ。悩みに悩んで、なんとか穴をつこうとして…という話はどこにでもあります。

そんな中、「ここは、23区でドローンが飛行できる穴場と言っても過言ではない!」というようなブログを目にしました。

「え、そんな穴場、あるの???」とワクワクしてブログ記事を読み進めたんですよね。

某ブログ記事の概要をほんわりと伝えると…

フェイク情報

『東京に、超穴場でドローンが飛行できる場所があるのを知っている?こんなに人口集中地区だけど!』

ここだよ、ここ

『ここだよ、ここ!お台場の先端のところが白いでしょ?』

非人口集中地区

『ここは人口集中地区ではないから、ドローンの規制対象外!!しかも羽田空港に近いけど、高度170m以下なら大丈夫。つまり150m未満で飛行するドローンはOK!』

『都内で超穴場の、ここでドローンを飛行させてきましたよ!Youtubeでもアップしたから見てね!』

※youtubeは割愛します(笑

この情報は何のマナーが欠如しているのか?

確かに法律的には人口集中地区ではありません。偏屈な話ですが。間違いなく非該当です。

しかし、認識不足なのは否めません。あくまで想像の域ですが、考えられる要点を記載します。

1. 不法侵入である可能性

先ほどの場所をグーグルアースで見てみると…

私有地Google Maps より

当然のことながら、私有地です。

青海流通センターという物流倉庫およびコンテナターミナルです。東京都マークが付いているので、もしかしたら埠頭自体の所有者は東京都で、青海流通センターが貸与を受けているのかもしれません。

どっちにしろ、他人の許可されていない敷地に入り込むこと自体で不法侵入です。警察が絡める刑法なので、その時点で犯罪ですね。

倉庫なら勝手に入り込んでOKという認識なのでしょうか…?

2. 人または物件から30mの飛行である可能性

人口集中地区ではないと主張する場所を、もっと拡大してみました。

拡大してみるGoogle Maps より

何かしらの資材が置いてありますね。

この航空写真はリアルタイムなものではないので、飛行当日がどういう状況だったのかは不明です。しかし、コンテナを船に載せるための仮置き場として使用されていそうです。

つまり、何かしらの資材があった場合には第三者の物件に当たるわけです。

半径30mの距離を離せるかどうかいったら、かなり怪しいです。背面にもコンテナがありますし。

人が作り出した人工物はすべて対象なので、ブラック臭がします。

ひとやモノから30m
ドローン(100g以上)には航空法が適用されています。 飛行するには複数のルールがあり、その1つのルールに「人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上

3. 港湾局の無許可撮影である可能性

東京湾は、港湾局が管理しています。埠頭と呼ばれるエリアも港湾局の管轄です。

該当の場所は埋立地であり埠頭であり、東京都が管理しています。もちろん埠頭および埠頭にある公園も管理下におかれています。

1番目の不法侵入と絡みますが、その土地の所有者の許可なしに勝手に飛行するのはNGです。民法の所有権にも関わってきます。(港湾局の許可が必要です)

そもそも東京都や港湾局は、ドローンに関して前向きではありません。とある港湾局の事務所では「ドローンなんてケシカラン!」と激怒。あれは警察と協同して、なんとか捕まえたいという勢い。

また商業用の話になりますが、東京都の埠頭に関しては、撮影行為は許可制とされています。

※公共ふ頭及び客船ターミナル施設内全てが撮影可能ではありませんので、事前に所管している係へ連絡をして下さい。

東京都港湾局申請様式ダウンロードサービス一覧より

行政でよくあるのは「なんでもいいから、申請を出してくれ。それで審査して検討する」という話になりがちです。

4. ブログでぶっ飛んだ自慢話をしている

別に、ブログで自由に書こうがなんでもいいと思います。個人の自由ですから。

その方が現行犯で任意同行されたり、後日関係各所に見つかって警察の取り調べを受けたりするのは、大した問題ではありません。

きつい言い方ですが、その方の責任において、勝手に飛行させているわけですから。(大人なので責任を持って生きているはずです)

今回のブログ記事で言いたいのは、超絶ブラックな話を自慢げに語っているというマナーの欠如です。

もし仮に、何も知らない方が「え、ここで飛行してOKなんだ!」と勘違いさせてしまうのは馬鹿馬鹿しいこと。

ひとつ間違えば、市場の収縮が起きる

例えば誤認者が増えて事故・逮捕等が起きたら、それこそ行政が絡んでドローン市場の収縮が起きます

ドローンに関わる私は、当然ですがドローンの発展を望みます。もっと人間の生活を便利にしてくれるはずなので。

しかし認識のない方が、謎のネットの情報に翻弄されてマナーが欠如した操縦者化する

そのような一部のマナーのない人によって、ドローンの未来が一気に閉ざされる可能性もあります。

記憶が鮮明な方がいらっしゃると思いますが、首相官邸にドローンが落ちた事件、そしてドローン少○の事件。そこから空気が一気に変わり、都営公園がドローン禁止になったり、すぐに法改正に動いたり。

あのときの、ドローンの悪者感は強烈です

ドローン自体の産業がなくなるんじゃないのかな…と感じましたが、なんとか息を吹き返したのは国土交通省の寛大な対応だったと思っています。(感謝です!)

ドローンの市場を再び潰さない。

それはドローンに関わるすべてのひとが役割を持って、すべてのひとが作っていかないとなのです。

あとがき

だから、「youtubeにアップしました。イェーイ!見てね!」じゃないんですよ(笑。

アップ後すぐに「これって国土交通省の許可は取っているんですか?」とツッコミが入っているのは、言うまでもないです。

※その方の個人の特定にならないようにズラしてます。精査してないでくださいね。

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