完読される文章をつくるための読本「新しい文章力の教室」

完読される文章をつくるための読本「新しい文章力の教室」

こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。

読書していて、スーッと頭に入ってくる感覚は久しぶりです。

ブログを書くためには膨大なインプットとともに、テキスト化するアウトプットも必要になります。

これまで数百記事を書いてきました。

多数の方に読まれていて嬉しい限りですが、より伝わる文章のために手に取ったのが「新しい文章力の教室」です。

「そうそう、そうなんですよ!」とうなずきながら読んだり、「うむむむ」と猛烈に反省したり。

よりいっそうソリッド(密である)なブログにするために、心に留めたい点と反省点を記しておきます。

良い文章=完読される文章

インターネット上でよく耳にするのが「ブログは良い文章を書いてください」という教えです。

確かに読者側の目線に立つと、良い文章は読まれます。SNSでも拡散され、検索順位にも影響されます。

しかし良い文章とは何なのか?という疑問は尽きません。誤字脱字がない文章なのか、わかりやすい文章なのか、テンポが良い文章なのか…。

今回手に取った本が↓

「新しい文章力の教室」では以下のように定義付けています。

究極の目標は「完読されること」 (P14)

「完読」と明快な言葉に、ズドーンと脳天を直撃されました。

インターネット上では、読み手は数秒で「読む」「読まない」を判断します。さらに途中で「読まない」となったら、すぐにブラウザを閉じます。

完読されなければ、評価はされないですし、そもそも伝わらない。最後まで読んでもらえるのが、良い文章。

なんとも単純な答えを提示されて、ページを一気に読み進めてしまいました。

完読されるためには?

「新しい文章力の教室」は、完読される文章をつくるための構造およびテクニックが書かれています。

構造について

たとえば文章を作る上での土台について。

事実・ロジック・言葉づかいの3層構造

「事実」「ロジック」「言葉づかい」の3つのレイヤーは、取り返しのつかない順序で積み重なっています。どれだけ美文を連ねても、事実に誤認があったら実用文としては0点です。またロジックのおかしな文章は、言葉づかいでは挽回できません。(P19)

まずは、大きな土台に「事実」があり、その次の土台に「ロジック」があり、最後に「言葉づかい」があるという話です。

「事実」がなければ、ロジック・言葉づかいがあっても成り立たない。言い換えてみれば、事実とロジックがあれば、多少の言葉づかいは揺らいでも大丈夫ということ。

昨今のキュレーションサイトやパクリサイトは、根底である「事実」が抜けてしまって、なんとなく体裁の良い「言葉づかい」で成り立っているから、なんだかハッキリしないつまらない文章ばかりなんですよね。

「事実」から順番に積み上げていく。これからも徹底していきたいと感じました。

テクニックについて

細かな言い回しテクニックが惜しげもなく記載されていますので、これはぜひ手にとって確認してみてください。

これまでブログを書き続けてきた自負がありますが、こころに突き刺さる指摘がいくつもありました

例えば…

  • 余計な単語を削る : 接続詞は無意識に使っていました。「という」の言葉も…。
  • 逆説以外の「が」 : 「が」の多用ですね。削っても意味が通る、邪魔にならないようにしないと…
  • 係り受けの距離を近づける : 文節の中での「主語」「述語」を近づけると意味も分かりやすいですね
  • 文頭1語目に続く濁点をなくす : 「さらに、◯◯」の濁点はスマートでないと…
  • 可能表現に頼らない : 「できる」「可能になる」は工夫のない文章だと…

上記以外にも反省点が山ほどありました。「気付かずにやってた…」と。人の書く文章は癖が出ますよね。

より読みやすく、意味が通りやすく。ただし個性は守っていく

自分らしい文章とわかりやすさの両輪を意識しながら実践していきます。

使い言葉によって白けてしまう

ここ最近になって「なんだか変な言葉を使っているなぁ」と思ったのが1つ

違和感のあるのが「プロのドローン操縦士」です。

理由がハッキリしないまま喉に引っかかっていて…ところが今回「新しい文章力の教室」に近しい回答を発見。

主観の押しつけは読者を白けさせる

「おいしい××」という商品がありますが、感想を押し付けられると、おいしいかどうかは飲んだ人に決めさせてほしいと白けてしまいますよね。(P175)

美味しいかどうかは食べる人が判断をするため「何言ってんだこいつ」と思われてしまう例です。

「プロ」という言葉も同様です。

どこかのドローンスクールの広告やWEBサイトに「あなたもプロの操縦士に!」とうたってます。

そもそもプロというのは、

《「プロフェッショナル」の略》ある物事を職業として行い、それで生計を立てている人。

コトバンク「プロ」より

すでに生計を立てているのがプロです。まだスクールに通う前の人に対して「生計を立てられる」のを前提とした、無責任な言葉づかいに見えてしまうんですよね。

さらに付け足していえば「プロ」は自分自身で言わずに、相手から評価されるときに使われる言葉が適しています

例えば依頼主であるクライアントから「やっぱりプロは違うね!」「プロに頼んでよかった」と言った具合に。

白けてしまうのが自分自身で「プロ」といってしまうこと。「私はプロなんで、しっかりしてますよ」と聞いた途端、自分を大きく見せようとして格好悪く、うさんくさく、白てしまう。

「おいしい◯◯」と同様に、主観の押しつけで白けてしまうため「変な言葉だなぁ」と思ったわけです。

クライアントから「プロ」と言わせる仕事を私はしたいですから。

人の心を引き出すの基本は?

人から話を引き出す。コミュニケーションの場では重要です。

「新しい文章力の教室」ではインタビューの基本として下記のように記載があります。

たった2つの質問で書きたいことを手に入れる

インタビューで大事なことはたった2つだけ。「同意」と「深掘り」です。私が考える理想のインタビューは、インタビューアーが「すごいですね」と「それってどういうことですか?」の2つしか言わない状態です。(P188)

「同意」と「深掘り」この2つだけで完結するのは、話す側も気持ちいいと感じるインタビューだと想像できますね。

ビジネスの場でも(インタビューとは違えど)、クライアントから情報を聞き取る上で「同意」「深掘り」は有効と言えます。より広い情報を受け取り、より深度のある情報を受取る。

ドローンを取り入れるのが初めてのクライアントは「何をしたいのか」「どうしたいのか」をイメージできていない場合が多々あります。(ドローンがどんなふうにできるか分からないから当然です)

ドローン撮影者が上手に紐解いていく。1つの手段としてインタビューの手法も効果的です。

あとがき

本を読む時間をつくると、刺激に満ちますね。

ブログの文章もソリッド(密である)にして完読される文章をつくっていきます。

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