こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
ドローンの空撮依頼をする場合、ドローン会社を探すと思いますが「どうやって選べばいいんだろう?」と悩みますよね。
実績も異なりますし、料金体系も異なります。
そもそも空撮が初めての方は基準を何にすればいいのかもわからないはずです。
今回のブログ記事では…
- ドローンの空撮会社がたくさんある理由
- 失敗しない選び方の8つのポイント
- もっとも大切な選定基準は「◯◯」である
この3つを中心に「会社がたくさんあって…」と途方にくれている方に向けて、実話を含めて「失敗しないドローン空撮会社の選び方」をクライアント視点でお伝えします。
選び方で重要なのは、ぶっちゃけると「値段」ではありません。一言でいうと「安心感」です。
このページに書いてあること
ドローン空撮の会社はたくさんある
最近になって映像制作や写真撮影等の現場にドローンが利用されるようになりました。
もともと空撮をおこなう会社はいましたが、ドローンの登場によって会社参入が加速。空撮会社は溢れかえっています。
実際に「ドローン 空撮」で検索すると各地域の空撮会社のWEBサイトが並びますよね?
値段、実績、地域、年齢、経験値、得意分野などバラバラ。
WEBサイトを見るにあたって「何を基準にすればいいのか、さっぱり分からない」と口を揃えるのは仕方ありません。
- 料金システムが複雑すぎて比べられない
- 実績が分からなくてプロなのかアマなのかが分からない
- きちんと撮影してくれるのか不安…
WEBサイトを見れば見るほど不安になる気持ちになるのは当然だと思います。
私も会社を探す立場に立ったら、WEBサイトを見て回って不安に掻き立てられて「失敗はしたくない…」という気持ちが強くなりますね。
空撮が初めてだから「不安」になるのは当たり前です
ドローンの空撮会社を探している方のほとんどは「ドローンは初めて」です。
- 新しい映像を入れたくてクライアントに提案したら通った
- クライアントから「ドローンを使ってみたい」と言われて探している
そのような方は、知り合いや付き合いのある会社の中にドローン空撮をしている会社がいなく、新規に会社を探しているかと思います。
しかし「空撮が初めてだから、何を基準にすればいいのか分からない!」と声を大にしていいたくなりますよね?
初めてだからこそ、不安になるし、失敗したくないし、でもきちんと選びたい。
そのようなジレンマに陥っているのは当然です。
経験のないドローン空撮を、何の判断基準もなく無作為に選ぶのは、当たりもしない博打ですから。
やっぱり選ぶのなら「ジャッジする武器」を持ち合わせたいはずです。
失敗しないドローン空撮会社の選び方は?
ドローンは航空法の他に、多数の法律と隣合わせです。
一歩間違えば違反行為になりかねません。警察に厄介になったり、制作した動画を取り下げたり。
依頼する側の企業リスクを軽減しなければなりません。
リスクをゼロにしつつ、いかに高クオリティの映像を手に入れられるかが重要です。だって、空撮会社にお金を払うのですから、使えない映像よりは「使える映像」がほしいですよね。
ドローン空撮会社の選び方は、数百人の方とお仕事をしたクライアントに聞いた本音をまとめました。いくつか実話も含めて「失敗しない選び方」です。
ドローンの空撮会社チェック01 : ビジネス実務での撮影実績
最重要なのは撮影実績です。これは問答無用で最初にチェックしなければなりません。
ドローンにて空撮をおこなう会社はピンきりです。
ドローンを購入したばかりで「ドローン空撮します!」と宣伝する空撮会社もいれば、十数年の空撮経験を持つ会社もいます。
良い写真を撮れるのか、良い映像を撮れるのかは経験値の差が大きいです。
クリエイティブ力、操縦力はもとより、安全管理力など。経験値が高ければ高いほど、あなたのドローン空撮の期待に応えられるはずです。
チェックすべきポイントは「ビジネスでの実務経験および実績」があるかどうか。これはWEBサイトや電話等でしっかりと聞いてください。
たとえば「山や海の風景」を実績として掲載している空撮会社は、経験値が多くないと考えて良いですね。(ビジネス実績があれば、実例を提示できるはずです)
ビジネスとしてのドローン空撮は別物です。空間の中に多数障害物があり、センターに合わせるべき被対象物があり、なめらかな動きも要します。もちろん画をつくるセンスは欠かせません。
できあがる映像美を比べると、雲泥の差です。
ビジネスとしてドローンの空撮をおこなっているのか否か。さらに依頼したい空撮ジャンルをすでに経験しているのか。
分かりやすいチェック方法です。
クライアント実話 『ほとんど使えない映像だった』
以前、企業紹介動画のワンシーンのために、船舶のドローン空撮を依頼した話です。
もともとラジコン操作が好きな方が空撮を請け負っており、船舶が航行しているシーンを撮ってもらいました。
しかし送らてきた映像は、被対象物の船舶がセンターにあっていないばかりか、後ろばかりの映像。「ただ撮りました」という画角で、ほとんど使えない映像でした…。
「空撮ができる」と「空撮の映像を提供する」は大きな差だと実感しています。
ドローンの空撮会社チェック02 : 使用するドローン機材
「ドローンはどれも同じ!?」とお考えの方がいらっしゃいますが、実際にはドローン機材によってクオリティ差が出てきます。
理由は積んでいるカメラの違いです。
古い機材を使用している空撮会社の場合、レンズによる歪みが出るため「建物が歪む」こともあったり、サイズ・コマ数等も違いが出ます。ノイズのざらつき、自然な色合いやフォーカスの可否もありますね。
例えていうのならば、「携帯電話付属のカメラ」と「ミラーレス一眼レフカメラ」の写りくらいの差があります。
ドローンの機材名称をすべて把握するのは困難。そこで業務用で利用できる機材名を紹介します。
推奨レベル
- INSPIRE シリーズ
- Mavic Pro シリーズ
- その他Matris(搭載カメラによる)
非推奨レベル
- Phantom シリーズ
- Mavic Air / Mini / Spark シリーズ
クライアントワークする上では、映像や静止画のクオリティ担保のために推奨レベルのドローンを使用すると安心です。
空撮会社のWEBサイトに掲載されているはずですので、機材名をぜひチェックしてみてください。数年前に発売されたPhantom3 シリーズを使用する空撮会社は要注意です。
クライアント実話 『レンズの歪みがなく、自然な画で満足です』
ドローンの機材によって歪みが軽減されて、自然な静止画が撮れて満足です。昔のドローンは、歪みが強くて”いかにもドローン”な画でしたから。
空撮会社が使用しているドローン機材をチェックは怠りませんね。「ドローン」はすべて同じではないですからね。
ドローンの空撮会社チェック03 : ドローン操縦力
ドローンは空間を上手に利用することで、今までにない映像が撮れます。
その映像をつくりだすのが操縦者(カメラマン)です。
映像キレイさ、ダイナミックさは操縦者の腕次第と言っても過言ではありません。
どんなに良い機材を使用していたとしても、操縦者の操縦力がなければ機材以上の映像価値は作り出せません。
操縦力のどこに差が出やすいのかを箇条書きします。
- 窮屈な場所でも離発着可能
- 木と木の間を抜ける等の狭い場所の飛行が可能
- GPSが入らない屋内での飛行が可能
- 複雑な動きをワンカットで撮影できる
- 映像にカクカクとした動きがない など
特に映像の場合には最後の「カクカクする」は要注意です。経験値の少ない操縦者は「カクカク」とした動きが多いです。
映像の滑らかさは、操縦者次第です。
空撮会社の映像実績等を見れば「滑らかさ」は確認できますし、チェック項目にある「実績」も操縦力の裏付けになります。
また「誰が操縦するのか?」は確認した方がいいですね。
会社のWEBではすごい実績だったけど現場に来たのは新入社員だった…というは残念ですので。
クライアント実話 『できる・できないが空撮会社によって大きな差があった』
映像制作上、必要なカットをドローンで空撮したいと考えていました。いくつかの空撮会社に撮影概要を伝えると「それは難しくて、できないです」と返答が。
別の空撮会社では「できますよ」と言っていただき、撮影時もスムーズなセッティング、そして軽はずみの「できます」ではない、希望通りの映像ができあがりました。
時として無理難題もありかもしれませんが、対応の幅が操縦者によって差が大きいです。
ドローンの空撮会社チェック04 : 法律の知識力
ドローンは法律に大きく関わっています。
「航空法」には無人航空機(ドローン)にかかわる飛行エリアおよび飛行方法の制限があり、違反すると罰金刑(最大50万円)に科せられます。
どのようなドローンの飛行が航空法の対象になるのか、周辺地域への安全性を確保しているのかなど、空撮会社の法的な知識力は欠かせません。
例えば空撮会社が違反だとは知らないままドローン空撮をおこない、その映像を世の中に流したことで違反行為が露呈する事案もあります。場合によっては、ドローン空撮のカットを取り下げたり、映像すべてを取り下げたりすることも…。
ドローンのかかわるのは航空法だけではありません。
空のルールは守ったとしても地上にもルールは存在します。民法の所有権、プライバシー権、道路交通法など。航空法を守っていたとしても、地上に存在する法律に抵触すれば、操縦者はもとより委託元にも影響を及ぼします。
重大な法律違反をして委託元の会社名がヤフーニュースに掲載!なんてことは絶対避けたいはずです。
依頼する前に、どこまで法律を遵守するのかを空撮会社のWEBサイト等で確認しましょう。また電話で「このような場合は、ドローン飛行は大丈夫ですか?」と聞くことです。
もし即答できずに曖昧な回答をした場合には法律面の知識が少ない、つまり企業リスクが高くなります。
空撮したあとも安心して使える映像・画像を手に入れる。空撮会社選定時のリスクをできるだけ軽減するようにしましょう。
クライアント実話 『なにも法律にしらない空撮会社にあきれた』
空撮費が安かったので依頼したのだが、のちのち確認すると法令に抵触する違反飛行だったことが判明。
すぐに動画を取り下げて、別会社に依頼し直した。最初の空撮会社には空撮費をすでに支払っており、完全に損をするハメに。初心者上がりの空撮会社は本当に懲り懲りです。
ドローンの空撮会社チェック05 : 各所への調整力
ドローンを空撮するにあたって、飛行場所によっては行政や関係各所に調整が必要になります。
「ドローンを飛行させる?ダメダメ!」と一辺倒な対応を受けることもしばしば…。空撮する場所がNGになってしまったら、空撮自体ができなくなります。
このときに空撮会社がどれだけ調整できるかが、空撮実施に移れるか否かに分かれます。
- 空撮会社が持っているノウハウを使用する
- 行政に通りやすい手順を踏んでいく
- 各書類等の提出をする
調整力によって行政や関係各所も「YES」の判断をしやすくなり、結果的に実施可能に至るケースは多々あります。
すでに持っているノウハウや交渉力がすべてです。空撮が実施できる、実施できないと考えたら、どう考えても実施できる可能性をつかみたいはずです。
クライアント実話 『行政からNGと言われたが、何事もなくOKになった』
ドローンで空撮を予定しているため行政との調整をおこなっていましたが、反応は渋く実施は難しい状況…。
空撮会社に相談しても対策を得られず諦めていました。念のため、別の空撮会社に相談したところ、数時間で調整してくれて行政からOKに。
その中でビジネス上では「できる」「できない」の差は大きいです。ドローンは分からないことばかりです。「できる」への可能性を広げてくれるのは心強いです。
ドローンの空撮会社チェック06 : 飛行許可の申請(取得済みを含む)
ドローンは法律に縛られており、飛行禁止エリア・飛行条件等の制限があります。
通常はドローン飛行は禁止されていますが、一定の能力や条件、安全対策を敷くことで国土交通省からドローン飛行が承認・許可されます。
空撮会社は国土交通省から許可承認書を取得して、ドローン空撮をおこないます。
依頼する前にチェックすべきなのが、
- 申請の期間はどのくらいかかるのか?
- 申請に対しての費用はかかるのか?
- どのような許可承認の条件を得ているのか?
という3点です。
空撮会社によっては包括的な許可・承認を得ている場合があります。また、会社によっては飛行条件(空撮できる条件)も異なります。
たとえば夜間に撮影する際に、制限が強い or 制限が弱い の差があります。国土交通省に申請している段階で、許可内容が異なるためです。
A空撮会社ではNGだったとしても、B空撮会社ではOKという場合がありますので、複数の空撮会社に「できる?」と聞いてみると判別がつきます。
クライアント実話 『空撮できるのに4週間後と言われた』
空撮会社に連絡したところ、「その空撮ができるのは4週間後」と言われてしまいました。イベント撮影のため、日時が決まっており、到底間に合いません。
なにげなく他の空撮会社にあたってみたらOKとのこと。前会社の話を聞いたあとに諦めなくて良かったです。
ドローンの空撮会社チェック07 : 撮影可能なボリューム
ドローンはバッテリーの依存度が非常に高いです。
1つのバッテリーで飛行できるのは約15分~20分程度。1時間の連続撮影をするにはバッテリーを4本以上使用します。
バッテリーの持ち運べる本数には限度がありますし、連続飛行はモーターや機体への負荷がかかるため安全性にも欠けます。そのため多くの空撮会社はバッテリー数によって「空撮可能なボリューム」を変えています。
たとえば「建物の外観を1枚撮ってほしい」場合には撮影可能ボリュームの差異はほとんどありません。「映像の中で5カット撮りたい」となると、空撮会社によって大きく料金差が出てきます。
さらにチェック項目の3番目「操縦力」も関わってきます。操縦力が高くなければ、撮影できる内容も少なくなります。他の空撮会社なら5カット分を空撮できたとしても、2カットまでしか撮れないなど。
- どれだけの静止画や動画を撮りたいのか?
- どのようなロケーション・時間帯なのか?
- ついでに撮っておきたい内容はあるのか?
空撮会社に問い合わせる前に、上記3つをまとめておくと、空撮会社の撮影可能ボリュームを返答しやすいはずです。
クライアント実話 『静止画5カット(5枚)だけだった』
静止画の空撮を依頼。外観のあらゆる方向から空撮をお願いしていたが、必要な画角を合わせるのに時間がかかり、結局5枚だけが納品された。別案件では別会社に依頼をしたら30枚納品された。
枚数だけが正しい結果ではないが、同じ空撮料金でもボリュームの差があるのはビックリしたい。
ドローンの空撮会社チェック08 : 空撮料金(総額)
ビジネスには予算はつきものです。
ドローンの空撮費は会社によってピンきりです。数万円~数十万円まで幅広いのが、この業界の特徴です。多くは機材費によって金額差が出やすいのが要因です。
料金表を見ていて「◯◯費」「◯◯費」と項目名が並ぶ場合もあるため、料金比較をする場合には「総額」を算出したほうが迷いません。
もしメールや電話で問い合わせするときに「請求書に記載するであろう総額を教えてください」と聞くとスマートですね。あとから「◯◯費」等で追加されていってしまったら、ときに予算を飛び越えてしまいます。
料金は数値なので比較しやすいですが、「失敗しない会社」のチェック項目の通り、実績・操縦力・法律等も考慮も必要です。
ただ単に「安かった」だけで「使えない映像」を納品されても困りますね。
クライアント実話 『空撮費の2・3万円の差をケチる必要はない』
空撮会社の料金はピンきりです。どんなに探しても、安いところは安い。高いところは高いです。いいな!と思った会社を2・3つ選定して、その中から選ぶかと思います。
金額差だけで2万円・3万円くらいだったら、ケチらないで実績のある会社を選んだほうが無難。クライアントもこちらも空撮のイロハを知らないのだから、しっかりした空撮会社にリードしてもらわないと、クライアントに失礼ですから。
失敗しない最大の基準は、あなたが抱く「安心感」
ここまで空撮会社を選ぶ際の、8つのチェック項目を上げてきました。
実績や法律、料金などドローン空撮においては、「きちんとした空撮会社に依頼をしたい」という場合に、どうしてもチェックしてプロかアマかを見抜かなければなりません。
とは言っても、「ドローンのことはよくわからない!」「チェック項目が多すぎてわからない!」という方もいらっしゃると思います。
そこで失敗しない最大の方法は「安心感」です。
WEBサイトを見て回ったり、ブログを見たりすると「この空撮会社なら安心できるかなぁ」と感じるかどうかです。
さらに言えば、電話するのが最も効果的です。
実際に依頼するにあたって疑問をぶつけてみて、どのような返答が返ってくるのか、どのような雰囲気の人なのか、を耳で聞くといいですね。
実際に話してみて「あぁ~、安心できる」と思うのが最大のジャッジポイントではないでしょうか?
人によっては「実績」での安心感もあるでしょうし、「値段」での安心感もあると思います。もしくはチェック項目の総合的に安心感を得る場合もありますね。
ドローンの空撮はまだまだ珍しいものです。依頼する側もわからないことだらけだから、不安にもなります。
「どの空撮会社にすればいいのだろう?」そんな不安感を、「この会社ならきっと大丈夫だろう」という安心感に。
いくつかのチェック項目を確認しつつ、いろいろな空撮会社に話をぜひ聞いてみてください。
あとがき
あなたが安心できる空撮会社に出会え、失敗しない空撮を実施できること、そしてドローンならではの気持ちいい映像・写真を手に入れることを願っています!