こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
2017年11月、大垣市のイベントでおこった墜落事故は目新しいです。
けが人が出たことで多方面から報道されました。一般の方も「ドローンが事故ったよね」と話が持ち上がるほどのショッキングな事故。
墜落させてしまった会社は厳重注意を受けたのですが、別のニュースを見ると他にもあったのです。
2017年4月のドローン飛行によって、ドローン操縦者養成スクールの会社が厳重注意されていたらしく、もう衝撃です…。
このページに書いてあること
ドローンに菓子を吊り下げて、子供に取らせるイベント
2017年12月28日のNHKニュース7で取り上げられていました。
東京の商業施設でドローンに菓子をつり下げて飛行し、子どもたちにつかみ取りをさせていた会社が、墜落や接触事故につながりかねない危険な行為だとして、国土交通省から厳重注意の行政指導を受けていたことがわかりました。
実態がやばすぎて、テキスト化するのを躊躇うレベルです。一般的にドローンの知識を持ち合わせているひとなら「いやー、これはマズすぎる!」と声を出してしまうほどです。
NHKのWEBからキャプチャ引用させていただきます。
ニュース記事の中に動画が埋め込まれており、ドローンの飛行内容が一目瞭然です。
概要は以下です。
国土交通省などによりますと、ことし4月、東京・八王子市内の商業施設で、ドローンが機体に取り付けた洗濯ばさみに菓子をつり下げて飛行し、来場者につかみ取りをさせていたということです。
NHKが入手した動画には、飛行するドローンの真下に集まった20人ほどの子どもたちが菓子を取ろうと飛びついて、引っ張るたびに機体が上下に大きく揺れる様子が写されています。
簡単に言うと…
- 商業施設に子供を集めてイベントをおこなった
- ドローンにお菓子を吊り下げた
- 子どもたちが喜んで取っていた
という話です。でも、動画を見るだけで恐ろしさが如実になります。
明らかな危険行為
動画から見て取れる危険行為をまとめてみます。
- Phantom4 を使用している
- プロペラガードなし
- 洗濯干しの洗濯バサミにお菓子をつける
- 子供がお菓子を取ろうとすると、機体が大きく不安定になる
この動画を見て「よくこの状態で墜落しないで、プロペラで子供の顔を切らなかったなぁ」と無駄に感心です。もう運が良すぎです。
プロペラは野菜も肉も切り落とすチカラがあります。
本当に凶器なんですよ。
危険行為を行っていたのがドローン操縦者養成スクール
良識のある操縦者なら、絶対にやらない!と思うであろうこのイベント。
衝撃だったのが、養成スクールの会社がドローンを操縦していたことです。もう一度大切なことだから言います。養成スクールの会社が危険行為をおこなっていたのです。
もはやここまで来ると、スクールというのは名ばかりの団体としか思えなくなってしまいますね…。
国土交通省の許可を取っていたとの話ですが、いやはや、それ以前の問題でしょ。
この事実を見つけて報道してくれたNHK取材者に、本当に感服します。
イベントでのドローン飛行に規制強化
同様のニュースに、国土交通省の意向も記載されていました。
先に上げた大垣市のイベント墜落を受けて、より規制強化に動くようです。
一方、人が集まる場所での飛行で、どのような安全対策が必要かこれまで明確な基準がなかったことから、国土交通省は来月にも具体的な数値を示して規制を強化する方針です。
具体的には、ドローンの高度が20メートル未満の場合は半径30メートル、50メートル未満では半径40メートルなど、飛行する高さに応じて機体の下に立ち入り禁止区域を設けることなどを義務づけるということです。
また、万が一、人に接触した場合の被害を軽減するため、人が集まる場所で飛行する際はプロペラの周りにカバーを取り付けることも義務づけることにしています。
2018年1月頃からイベント(催し)でのドローン飛行では、高度に応じて第三者の立ち入り禁止区域を明確に求め、なおかつプロペラガードを必着にするようです。
具体的な数字も記載されており
- 高度20mの場合 → 半径30mに第三者はNG
- 高度50mの場合 → 半径40mに第三者はNG など
この禁止区域を設けた安全体制を敷けない限りは、国土交通省は飛行許可を出さないと思われます。
よほど広い敷地で行われるイベント以外は、(今までと比べて)ほぼドローン飛行は難しくなったと考えられます。
実際に飛行させている操縦者の立場からは残念ですが、安全を考えると「いままでの制限が緩かった」と言わざるをえないですね。
正確な情報は、国土交通省から改めて発表もしくは申請時に調整が入るかと思われます。
あとがき
ドローン自体は悪くありません。操縦者が悪いだけです。
規制が強くなるのは仕方ありません。
しかし操縦者側の認識が甘いままだと、さらなる事故が発生し、罪のない一般人がケガをするのは本当に避けなければならないです。