こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
ごく稀に「4Kの動画から1コマの静止画を抜き出して、画像として使用したい」という話を聞きます。
動画は、何枚もの静止画(コマ)をつなげて出来上がっています。
確かに4K動画が撮れるようになってから、動画の好きな場所(コマ)をチョイスするのは利便性がありますね。4Kフォトという言葉もあるくらいですから。
しかし本当に実用できるのか?どのようなメリットがあって、デメリットは潜んでいるのか?
実際のドローンで撮影したデータをもとに確認してみます。
結論から言えば「意外と使えるかも!WEB使用なら全然いけそう!でも撮影環境にも注意が必要…」という所感です。
このページに書いてあること
動画から静止画を抜き出すとは?
「動画」を簡単に言うと「連続した静止画」です。パラパラ漫画のように1枚1枚が連続して動いているように見えています。
これはテレビも、youtubeの動画も、映画もすべてです。
1秒間に約30~60コマで構成されているのが一般的で、そこから1コマを抜き出したイメージが↓です。
ひょっこりと1枚だけを抜き出すと、静止画を手に入れられるということです。
ただ、この静止画が使用できるのかどうかが疑問ですよね?
画像(クオリティ)の見比べ
4K動画のサイズは、横4000×縦2000前後の画面解像度です。まぁあサイズだけを見たら、大きいですね。静止画にしたらおよそ800万画素です。
実際に静止画撮影した画像と、4K動画から画像を抜き出した画像の2つを見比べてみます。
ちなみにドローンの機体は、Phantom 4 Pro です。
▼静止画撮影
▼4K動画(H.264)から画像を抜き出し
パッと見た感じではまったく同じに見えます。
木の葉っぱの感じも、建物の窓の形も、建物の汚れも、くっきりと写っていますね。パソコンの画面で見る限り遜色がありません。
では、細部に違いがあるのかが気になりますよね。
拡大して「信号機および白線」の見比べです。
若干シャープがかかっているように見えますが、拡大したとしてもそこまで違和感のない画です。これなら静止画としてつかっても問題ないですね。
でも、4Kで撮ったから…というわけではありません。
「どのカメラでも4Kで撮ればキレイ」ではない
今回、動画側のビットレートが100,000kbps(100Mbps)あったため、1秒あたりの情報量が多く、上のように拡大しても遜色なかったと言えます。
どんなに4Kで動画を撮ったとしても、ビットレートが低ければ動画から抜き取った画像は荒いです。
撮影環境によってはブレた静止画になる可能性も有り
本来、スチールのカメラ撮影の場合は「脇を締めて、カメラを動かさない」が基本です。
しかしドローンが飛行すればモーターは高速回転し、さらに不安定な空中に漂っているわけですから、カメラの振動は当然生まれます。
さらに動画で撮影している最中は、ドローン自体も上下左右に20~30キロ以上のスピードを出して移動しながら撮っているはずです。
- シャッタースピードによっては、抜き出した画像(被写体)がぶれる
- 外の明るさが足りない場合には画像が暗くなる
- 明るさを足そうとISO感度を上げるとノイズが大きくなる
結果的に動画から抜き出したら「使えない静止画」ができあがってしまう可能性もあります。
4K動画の静止画抜き出しのメリット・デメリット
ドローンの4K動画の静止画を抜き出しですが、ざっくりと書いたように良い面も悪い面もあります。
メリット
- 撮り続けているため、好きな場所(カット)を抜き取れる
- WEB利用できるサイズがある
デメリット
- ビットレート(コーデック含む)やシャッタースピードなどの影響が大きい
- 夕方~夜間は絶望的に不向き
メリットをうまく活かしつつ、デメリットをクリアにすれば、先に見比べをした画像のように全然画像として使用できます。道具は使い方次第です。
ただ、やっぱり静止画が必要な場合はパシャリと撮影したいですね。
あとがき
好きなカットを自由自在に抜き出せるのは魅力ありすぎです。使い方によっては、4K動画からの静止画もアリかもしれませんね。
しかし静止画撮影と同等との考えでおこなってしまうのは危険ですね。