ドローンは雨の中でも飛べるの?その場では飛行できるけど後々は…

ドローンは雨の中でも飛べるの?その場では飛行できるけど後々は…

こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。

「ドローンって雨が降っても飛べるのですか?」

そのような単純な疑問をぶつけられたことが、実は結構あります。確かに飛行機やヘリコプターは雨が降っても飛べますが、ドローンはどうなの?と思いますよね。

実際にドローンが雨天で飛行している映像撮影動画、そして日本の法律・その他のリスクについて書いていきます。

結論なのですが、ドローンは雨でも飛んで撮影できちゃいます。飛べたあとはリスクを抱えっぱなしになりますけどね。

ドローンは雨でも飛行できるのか?の質問

ドローンで撮影をしている関係上、天候不良となったとしても止むを得ず撮影を敢行しなければならない場合があります。

とは言っても、雨の中でドローンを飛行させるではなく、雨が止むタイミングを見計らってドローンで撮影。

「この雨天でもドローンは飛べますか?」と質問されることが多々あります。やっぱり不安ですからね。

もちろん私の返答は、

  • ドローンが雨に濡れると故障の恐れがあり墜落の危険性が高まる
  • バッテリーがショートして発火する恐れがあり同時に墜落する
  • 雨の中で撮影しても、レンズに雨粒が付いてキレイに撮れない
  • 日本の法律上、このエリアでは雨天でも飛行はできない

など、ありきたりな事柄を伝えていました。

ドローンメーカー(DJI)のマニュアルには、当然のことながら「雨はダメよ」としつこく書かれていますし、国土交通省航空局からも「安全な気象状況で」と警告しています。

たぶんドローンに関わる人達にとっては、周知のごとくなんですよね。

とは言っても、ドローンが飛べるのかどうかの真意はわかりません。雨の中で飛ばしたことはないですし、どのような映像になるのかも分からないですし。あくまで定説を述べているだけといえば、そうですから。

雨の中でドローンが飛行できるかどうか…。本当はどうなのでしょうか?

ドローンは雨の中でも余裕で飛行し続ける

海外のyoutuberには猛者が多くて、ガンガン雨の中でもドローンを飛ばしまくっていました(笑。

ここでは厳選した「drone in the rain」をお見せします。

豪雨の中、Sparkが何事もなく飛行

雨粒が見えるくらいの豪雨の中、ドローン(Spark)が果敢に飛び出し、雨水に打たれ続ける動画です。

途中、わざと屋根から落ちてくる雨の中に何度も突っ込んでいますね。着陸したあとはビチョビチョになっている様子が写っています。

ドローンって雨でも飛べますね。DJI凄いです。

(ちなみに動画撮影者は、このあとも飛行できているぜ、とコメントしてますね)

ドローンよりもスマホ(リモコン)が先に故障する

海外で超有名なドローンユーザー「Tom’s Tech Time」から。

ドローン(Spark)を雨の中、数分間飛行し続ける実験動画です。このドローンはスマートフォンをリモコン代わりにして操縦できるのですが、雨の中で操作していたスマートフォンが先に故障するという見事な展開。

それでもドローンは飛び続け、バッテリー消耗により自動着陸するお利口者です。

ドローンは飛行できるけど撮影クオリティは良くない

前項の通り「ドローンは雨の中でも飛行できる」という事実はあるものの、実際に撮影となるとどうなのでしょうか?

分かりやすいyoutube動画があったので紹介します。

雨の中ドローンを飛行させつつ、撮影している様子のyoutube動画です。

見ていただく通り、ドローンが飛行し続けるも…

  • カメラに水滴がついて映像が鮮明ではない
  • 雨粒が映り込む
  • 天候が天候なのでモヤる

と、ここは予想通りの結果ですね。撮影という観点からいうと、クオリティは低くなります。

雨の中で無理に撮影したとしても、この映像では撮影した意味がないかもしれません。

ドローンが飛行できるが、大きなリスクを抱え続ける

上記の海外動画のように、確かにドローンは雨天でも飛行できちゃいます。(私は見ていて可哀想な気がしてしまいますが…)

ただ、ドローンが飛行できるのはその場限りかもしれません

ドローンは精密機器だから

ドローンは機械です。

腐食する可能性ありますし、バッテリーがショートする可能性もあります。

今は飛行できたとしても、後々に飛行している最中に急に墜落…が十分ありえます。

スマートフォンだって水没させたら動かなくなります。手に持っている状態で動かなくなるのは危険性はないですが、ドローンは墜落しますからね。危険性のレベルは雲泥の差です。

メーカーのDJIでは全損扱いになる

ドローンが雨に濡れただけでも、ドローンメーカーのDJIでは「水没なので全損扱い」になります。

飛行し続けられる保障を持てないからですね。

もちろん「雨に濡れたから修理して欲しい」と言ったとしても「新品を買ってください」と言われるはずです。

航空法の飛行基準では

日本の法律、つまり航空法では、規制されいないエリアおよび飛行方法ではない場合、雨天時のドローンの飛行は実は制限していません。

ただし守るべきマナーとして、国土交通省のガイドラインには下記のように書かれています。

無人航空機は風の影響等を受けやすいことから、飛行前には、
・安全に飛行できる気象状態であるか
・機体に損傷や故障はないか
・バッテリーの充電や燃料は十分か
など、安全な飛行ができる状態であるか確認するようにしましょう。

国土交通省 航空局 「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」より

「安全に飛行できる気象状態」でドローンを飛行させてくださいね、という話です。いろいろな解釈があるかもしれませんが…。

ただし、人口集中地区や制限のある飛行方法の場合、国土交通省から飛行許可を得るためには「雨天では飛行させない」が絶対条件になります。

つまりこの段階で、法律的に雨天ではドローンは飛行できません。

結論「ドローンは飛行できるけど、リスクがあって飛行できない」

ドローンは雨でも飛べます。

でも故障や突然の墜落、そして法律などのリスクがあるため実質的にドローンは飛行できないというわけです。

もし仮に飛行させたとしても、やはり撮影という観点で「撮影しても意味のないもの」ができあがります。それならドローンを飛行させなくていい話です。

どうしてもドローンで撮影しなければならない場合もあります。

そのときには雨のタイミングを見計らう。時間帯をズラす。雨を目の前にして悩むよりかは、次の対策を考えると、もしかしたら撮影できるかもしれません。

あとがき

ドローンは雨でも飛べると言えますが…、いや「ドローンは飛べない」と言ったほうが物事がスムーズに進みそうですね。

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