マイクロドローン撮影事例と動画で得られる効果とは?

マイクロドローン撮影事例と動画で得られる効果とは?

こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。

「マイクロドローン」という名称はどこかで耳にした方は多いのではないでしょうか?

2018年の春頃に登場したマイクロドローンでの撮影技法。

かなり周回遅れな紹介ですが、マイクロドローンの撮影事例やメリット・デメリット、動画で得られる効果などを記述します。

マイクロドローンって何?

縦10cm×横10cmほど、重量も100g前後の小型ドローンです。

一般的にはレーシングドローンを改造して、FULL HD動画を撮影できるカメラを積み、操縦者はゴーグルをつけてFPVにて操縦をおこないます。

言葉で書くと分かりづらいのですが、簡単に言うと…

  • 手のひらサイズのレーシングドローンに画質の良いカメラを付けて
  • 操縦者は完全FPVで操縦して
  • 機体が小さいため細かな動きで撮影可能である

ということでしょうか。

2018年の春頃からマイクロドローンによる撮影が展開されるようになりました。

その頃はまだまだレアな撮影技法でしたが、2018年末のNHKのタモリさんのテレビ番組でもマイクロドーンをしようした映像が使われていましたね。

徐々にその存在とその撮影技法が広まってきたような感覚があります。

マイクロドローンの撮影事例

では、マイクロドローンによる撮影で出来上がった映像で有名どころを一覧にしてみようと思います。

オンナノコズ

2018年4月に公開されたプロモーションビデオ(テスト撮影)です。

学校構内の教室を飛び回りつつ、腕の間をすり抜けたり、椅子の下を通り抜けたりする臨場感はセンセーショナルでした。

マイクロドローンといえば、このプロモーションビデオですね。

近畿大学 アカデミックシアター(天気予報フィラー)

近畿大学のアカデミックシアターには、学生が集いイノベーションをおこす場として、7万冊の書籍が置かれている施設。

そのアカデミックシアターの紹介として「つんく氏」作曲、100人規模の学生の協力、そして演出はおんせん県おおいた「シンフロ」で有名な「山本ヨシヒコ氏」の贅沢なPVです。

未来飛行 / J☆Dee’Z(ジェイディーズ)

音楽グループ「J☆Dee’Z(ジェイディーズ)」のMVです。

学校のいろいろな場所で撮影して、ワンカットで構成されていない動画ですね。

マイクロドローン撮影を使用するメリット・デメリット

客観的にマイクロドローンでの撮影をするメリットとデメリットをまとめます。

メリット:映像にインパクトが出る

これは見れば分かる通り。

今までにないカメラワークが生まれるため、斬新さがありインパクトが大きいです。

しかもワンカットで進んでいく動画の場合、ついつい「次はどこへ?」と期待感から見入ってしまうチカラがあります。

メリット:新しい見せ方ができる

制作会社の人なら「こんな見せ方したい」とヨダレが出てしまうかもしれませんね。

椅子を通り抜けたり、小さい穴を通り抜けたり。

見せ方の面白さを求めるテレビ向きだと思います。あと派手さを求めるMVにも相性が良いかもしれませんね。

デメリット:映像を見て酔う

動きのあるカメラワークの代償になってしまうのですが、映像を見続けると酔ってしまいます

まだ人間が見慣れていないからでしょうか。

例えば、前述の未来飛行の最後のシーンでは動きが激しすぎて見て酔ってしまいます。(参考Youtube

ワンカットにこだわりすぎているのでしょか…、今後たぶん編集の仕方が大切になってっきますね。

デメリット:通常のドローン撮影より高価

マイクロドローン自体に汎用性がないことや用意周到な企画が必要なため、一般的なドローン撮影費よりも割高になるのはやむを得ません。

ざっくりですが、撮影費だけでも20~60万円は必要になり、企画を含めると100万円以上と考えたほうが無難です。

またFPV業務用無線局免許や陸上特殊無線など必要になり、相応の操縦技量が必要になるため、実施者もごくわずかです。

企画構成、展開が必要不可欠である

「マイクロドローンで撮影すれば、その動画が注目を浴びる!」と勘違いする人が一部にいますが、決して注目をあびるわけではありません

例えば、マイクロドローンで撮影した役場のPR動画があります。

鹿児島県大崎町のPR動画なのですが、動画公開2ヶ月でどのくらいの再生数だと思いますか?

実際にはYoutubeで1500再生です。そして世間で話題にもなっていません。

マイクロドローンは技法であるだけで、もし話題性を取りたいのならどういう企画構成にするのか、そしてどう展開させればいいのか。これを考えなければ、マイクロドローンで撮ったとしても注目を浴びません。

動画で得られる効果は?

「メリットやデメリットがあるけど、マイクロドローンでの撮影の意味は何ナノ?」と思うかもしれません。

人によっていろいろな見解はありますが、マイクロドローンを使用した動画で得られる効果は1つだと思います。

それは「再生時間の長さ」です。

マイクロドローンで撮影することにより「次はどこを通り抜けるのだろうか」というワクワク感が得られます。

例えば一覧で上げた近畿大学のPVでは、学生の腕と顔の間を通ったり、階段をすり抜けたりするため、「では、次はどこ?」「ここを抜けるのか!」といった期待感がありますよね。

動画の指標として、再生時間の長さがあります。Youtubeでもアナリティクスが確認できますね。

60秒の動画のうち、視聴者が15秒で離脱していくデータがあると、1つの指標としては良くないと言えますし、視聴者が45秒で離脱していくのなら「見てもらえている」という視点で良い動画です。

本来のPR映像として「伝えたい内容」から逸脱してしまいますが、次を見たいという期待から「再生時間の長さ」は間違いなく通常よりも長くなるはずです。

宣伝広告という意味でのPRとして考えたら、再生時間の長さは関係ない場合が多いです。もっと先にある、その動画を見て「行きたくなった」「買ってみたくなった」が最重要視されるからです。

例えば集客するために動画を作ったのに、動画の再生時間は長いけど、肝心の集客がなかったでは何も収穫はありません。

そうならないためにも動画をつくる際に、どこをゴールにおくのかによって考え方は変わります。

  1. 動画の再生時間を伸ばしたい
  2. 動画をPRとしてブランディングや集客をしたい

前者だとしたらマイクロドローンは有効ですし、後者だとしたら別の撮影技法のほうが有効だと思います。

マイクロドローンも普通のドローンも、一長一短ということを忘れてはいけませんね。

あとがき

見た目ではなく、本質を理解する映像制作会社が増えてきたため、今はだいぶ「マイクロドローンはできませんか?」と相談を受けることが少なくなりました。

それでもお問い合わせをいただく際には、ハッキリと私はやりません、とお伝えしています。

私が目指している場所とは異なりますし、ランチェスター戦略的な考えから手を出す必要性を全く感じないんですよね。

根本的にPRという思考を大切にしたいからです。

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