こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
「ドローンは空を飛んでいますよね、鳥は攻撃してこないんですか?」
そのような質問を受けることが、ごく僅かですがあります。確かにドローンが飛んでいる真横に、鳥が飛んでいますからね。
鳥はドローンを攻撃してくるのでしょうか?
猛禽類のトンビや鷲は襲ってきそうなイメージがありますよね。
そこで過去の経験則から注意すべき鳥を紹介します。さて、どの鳥がドローンにとって「注意しなくては…」と思うでしょうか。
このページに書いてあること
結論から言えば、もっとも注意すべきはカラス
いきなり1位の発表です。
街中、海、川、山など数多くの立地でドローンを飛行させてきました。(もともと空は鳥たちの領域ですが、ドローンが勝手にお邪魔しているので鳥たちには恐縮ですが…)
ドローンを飛行させていると鳥と遭遇することは珍しくありません。そして数多くの鳥の中で、もっとも注意すべきなのはカラスです。
特に繁殖期のカラスはドローンを襲ってきます。マジです。
カラスの繁殖期
カラスの繁殖期は、3月から7月ごろまでです。特に人への攻撃は、4月~6月ごろに多くなります。これは、繁殖している成鳥が巣にいる雛や卵を守ろうとする行動で、雛や卵を守ろうと過敏になっているため巣のある付近を通る人の頭上に飛来して威嚇したり、ときには、足で頭をたたいたりします。
ちょうどカラスの繁殖期は4月~6月です。
雛や卵を守ろうとして攻撃的になるのはご存知の通り。街中でも「通行人がカラスに襲われた…」という威嚇攻撃も珍しいことではありません。
巣の近くにドローンが飛んでいれば、容赦なく近寄って攻撃してきます。場合によってはカラスによって墜落させられることも…。
もう一度いいます。4月~6月のカラスは要注意です。
注意すべき鳥ランキング
ここから先はランキング形式で「注意すべき鳥」を紹介します。
主にドローンと遭遇しやすい鳥たちを私の過去の経験から勝手にランキングしてみますね。そして一番最後には「繁殖期のカラス」の対処法も記載します。
※ランキングの順位は個人の見解なので深入りしないでください…
第5位:すずめ
すずめは一目散に逃げていきます。
ドローンの飛行音は大きいですし、すずめの体型よりもドローンが大きいので、すずめにとって敵わないですよね。
すずめの逃げ足は早く、樹木に逃げ隠れるので、ドローンと衝突することは皆無だと思います。
今までドローンを飛行させていて、たぶん人がいる時点ですずめの姿は消えてしまうので、「近くにすずめがいるなぁ…」とは感じたことはないですね。
すずめを傷つけないように注意はすべきですが、注意度ランキングは5位と最下位です。
第4位:はと
街中に多い鳩ですが、鳩もササッと逃げていきます。
餌に対して強欲さを見せてくるため、人間には近づいてくるので、逆に鳩を傷つけないか心配になっちゃいますね。
そして逃げ足はすずめよりも遅いのでドローンの離陸時は注意です。鳩が遠くに移動するのを待ってから離陸しなければなりません。
第3位:カモメ
海辺にはカモメが多く飛んでいますね。
彼らは好奇心があるので「あれ!?なんか飛んでる…」という感じで、ふら~っと近づいてきます。ただ攻撃性は一切なく、本当に好奇心のみ。
カモメ自身が適度な距離感を保ってくれます。
ただ、そこそこ近づいてくる場合があるとカメラに大胆な映り込みが発生します。
ドローンの操縦者側でも一定の距離感を保って飛行するのが得策です。
第2位:トンビ
海辺など幅広く生息するトンビです。
カモメと同様に、ドローンが飛んでいると好奇心なのか、堂々と近寄ってきます。さすが猛禽類。
あまりにも近づいてくるため「ドローンが襲われる!!」と不安にかられる場合がありますが、過去の経験から大丈夫です。
トンビも頭がいいんですよね。「この回転しているプロペラに当たったら、自分が痛い目にあうだろう」と察しが付くのだろうと思います。
とは言っても猛禽類。翼開長は150cmにもなる大物です。気をつけなければなりません。
もし遭遇してしまった場合には、ドローンの飛行をいったん中止すると、5.6分くらいでトンビもどこかへ行ってしまいます。
一度中止をするという方法を取るとトンビに回避できます。
第1位:カラス
ぶっちゃけていうと、ここまでの5位~2位までは特に注意の必要のない鳥たちでした。本当に何も問題ないです。
しかし、圧倒的に注意が必要なのがカラスです。
頭が賢く、人間に対しての恐怖心がほとんどなく、縄張り意識が強い。群れとしての集団行動に長けていて、くちばしは武器になる。ツワモノです。
そのカラスが一番攻撃的になるのが繁殖期の4月~6月。この時期に誤って縄張りの近くにドローンが飛行してしまうと高確率で攻撃されます。
私は過去に2回、あわや墜落になるか…と思うくらいカラスにやられそうな経験がありました。
(1)繁殖期の2羽のカラスにマークされてドローンの1mまで接近
ドローンの撮影をおこなっている際に、2羽のカラスが強く鳴き始め、ドローンを周回しつつ、威嚇攻撃されました。
ドローンとカラスとの距離は1mほどだったと思います。
そのときのカラスはドローンに対して恐怖感もなく、ドローンに突き進んできましたね。いったんドローンの飛行を中止したのですが、電線に止まってずっとマーク。再びドローンが飛び出すと攻撃。
墜落させられるかと思ったほど。その場にいた人間全員が恐怖を感じました…。
(2)カラスの群れの巣に近づいたため、200羽が一斉に飛び出す
ごく普通の林の近くをドローンを通過したのですが、そこがカラスの群れの巣。
200羽を超えるカラスの群れが、林から一斉に飛び出して大パニック。周辺にはカラスの鳴き声が響き渡り、空は黒色に覆われるほど。
たぶん縄張りの一線を越えてしまったのだと思います。
カラスが攻撃してきたときの対処法
もしドローン飛行中にカラスに襲われてしまった際の対処法です。簡単な答えですが、飛行中止です。カラスがやり過ごすのを待ちましょう。
それでもカラスが執拗にドローンをマークする場合は…
- ドローンを急上昇させて回避する(鳥は垂直に上昇飛行できないため回避できます)
- 一定以上の高度を保つ(例えば50mの高度を上げれば縄張りから外れるため追いかけてきません)
私はこの2つの方法でドローンをカラスから守りました。「もしも…」のときに覚えておくと損はありません。
鳥の攻撃によって墜落するドローン(Youtubeから)
実際に鳥に攻撃されて、墜落するドローンの映像がyoutubeにありました。
たぶんカラスですね。
00:45くらいで攻撃されて、バランスを崩してドローンが墜落しています。
こちらは鷲。
00:45くらいに鷲に捕捉されて(キャッチされて)、地上まで持っていってしまう貴重な映像。ドローンを餌だと思ったのでしょうか…。
ドローンは鳥たちと共存する
冒頭にも記載しましたが、もともとは空は鳥たちの領域です。
そこにドローンがお邪魔するのですから、必要以上に鳥たちに危害を加えたり、危険に晒すのはマナーとして良くはないですよね。
ドローンと鳥たちと共存する。鳥たちを傷つけない。それも操縦者の心得の一つだと思います。
今回、1位にあげたカラスだって、繁殖期という親の心が全面に出ているからこそ、卵や雛を守るための必至の攻撃なわけです。
鳥たちに対しても思いやりを持つことを心がけたいですね。
あとがき
鳥たちにとっては「なんだよ、変な物体(ドローン)が飛んできたよ」と迷惑極まりないでしょうか…、本当に恐縮です。