住宅地で飛び回るドローンを追跡、危険操縦する方にたどり着いた方法

住宅地で飛び回るドローンを追跡、危険操縦する方にたどり着いた方法

こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。

先日、東京23区内の街中を歩いているときに、住宅地を飛び回っているドローンを発見しました。

明らかに危険な操縦であったため「どこに操縦者がいるのだろうか?」と気になるのは職業病ですね。

考えられる手段で500m先にいた操縦者までたどり着きました。本当に珍しい体験だと思います。

飛行しているドローンの操縦者を見つけるというのは、実はなかなか困難です。しかし警察官から「どうやって見つけたんですか?」という興味を示してもらえず…。

今回、ドローン操縦者にたどり着けた実践的なナレッジを、この場でシェアできたらと思っています。

今回のブログ記事では…

  • 街中でドローンを見つけて操縦者を見つける具体的なステップ
  • ドローンを操縦する際に出てくる特性

の2つを中心に、私が実践できた「ドローン操縦する方にたどり着く方法」をシェアします。

ただ、ものすごくマニアックな内容ですので、この記事の対象者は「ドローンを追いかけたい方」だけです。その点、ご了承ください。

街中を飛び回るドローンを追跡して、危険操縦する方にたどり着いた方法

今回、私が歩いていたら、その上空をドローンがブンブンと飛んでおり、発見場所から500m先で操縦していたドローン操縦者までたどり着きました。

条件は5つです。

  • 東京23区の人口集中地区であるエリア
  • 敷き詰められた住宅地(マンションあり)の上空を数百m飛行
  • 徒歩やランニングしている第三者が多数
  • 合計6車線の幹線道路(都道)を越えた飛行
  • 電車の線路を越えた飛行
  • ドローンは航空法対象の重量200g以上、DJI製のドローン、プロペラガードなし

もしドローンに詳しい方でしたら「むむむ…」と感じるかもしれません。

この条件の中、500m先で操縦していた方にたどり着いた方法は「ドローン操縦の特性を理解する」ことです。

具体的には…

  • ドローンと操縦者の位置関係
  • ドローンの飛行の進行方向
  • 操縦しやすい場所の把握

この3つを考えれば、きっと80%くらいの確率でドローン操縦者までたどり着きます

「操縦の特性を理解する、って言っても難しいよ」というのは当たり前ですので、このブログでより詳しく説明しますね。

(もしものときの役立つヒントとして、警察の方にも知っていてほしいなぁ)

そもそもドローン飛行する操縦者を発見するのは難しい

ドローンを操縦したことがある方なら想像に容易いと思いますが、街中でドローンを見つけたとしても、その操縦者を見つけることは困難です。

理由は3つです。

  • ドローンと操縦者が数百m離れている
  • ドローンは空中を飛べるため建物等の障害物を越えられる
  • ドローンの速度は時速20~40kmは出るため人間が走っても追いつけない

ちょうど目の前でドローンの離発着させている操縦者でない限り、遠隔操作されているドローンの操縦者を発見するのは難しいです。

2019年5月、皇居付近にドローンらしき飛行物体が飛び回り、警備中の警察官らが発見したものの、操縦者を発見できませんでした。

さらに、警備体制が強化されたにも関わらず、皇居2回目のドローン飛行も操縦者の発見に至らず。1年経った今でも、その犯人は見つかっていません。

ドローンというのは悪い考え方をすれば、犯罪行為に利用できる最強ツールだと言えます。

街中でドローンから数百m離れた操縦者までたどり着く方法

私自身もドローンを発見したとしても「どこにいるか分からない操縦者を見つけるのは難しい」と痛いほど感じています。

ただ、実際に飛んでいるドローンを目の辺りにしてみると「これなら高い確率でいけるかも!?」と確信を得たので、(役に立つかどうか分かりませんが)実践的な方法としてナレッジシェアしようと思いました。

以下、その手段について説明していきます。ポイントは「ドローン操縦の特性を理解する」ことです。

※汚い図解で失礼します!

step01. ドローンの進行方向・カメラの向きを確認する

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街中で自由気ままに飛行するドローンを発見した場合、まず確認するのは2つ。

  • ドローンの進行方向
  • ドローンのカメラの向き

ドローンがどちらの方向に進んでいるのかは簡単に判別できるかと思います。

それと同時に「カメラの向き」もチェックします。なかなか判別しにくいところがありますが、ドローンをよく見ると丸い形状のカメラが見れます。

ドローンの進行方向とカメラの向きが同じであった場合、発見できる可能性が一気に上がります。

理由は1つ。

ドローン操縦の特性として、操縦者はドローンの背後にポジショニングして操縦することが多いからです。

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ドローンを操縦する上で、リモコンの操縦のしやすさから、操縦者の前方にドローンを飛行させることが多いです。

発見者がドローンの進行方向とカメラの向きが分かった場合、操縦者がいるであろうエリアは、自ずとドローンの後方にいると考えるとスムーズです。

step02. ドローンの進行方向とは、反対の方向に発見者は移動する

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このステップが重要です。

ドローンを見つけた場合、ドローンが進む方向へ追っかけてしまいがちです。しかし、進行方向に進んだとしても、そこには操縦者がいる可能性は限りなく低いです。

ドローンを見失わないように、発見者は逆方向に進んでいくのがポイントです。

では、どのくらいまで進めればいいのかと言うと…

  • ドローンの高度が高ければ高いほど、大きく数百m進む
  • ドローンの高度が低ければ低いほど、小さく数十m進む

ドローンは操縦者のリモコンから電波を発信してコントロールしています。電波の途中にマンション等の建物がある場合、操縦ができなくなることが多いです。

つまり、ドローンが高い場所に飛んでいれば、建物等の障害物に阻まれることはなく、遠い距離を操縦できます。

今回、私が発見したドローンは高度70m~80mの位置で飛行していました。周辺の建物から考えると、ドローン発見場所から数百m離れた距離に操縦者がいると思われ、そちらの方向に予め進んでいたのです。

ある程度、逆方向に進んだところで、しばらく待機してドローンを様子見します。

すると…

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ドローンのバッテリーが切れる、もしくは目的を果たすと、ドローンはバックして戻っていきます。

これもドローンを操縦する際の特性であり、目視できつつ、操作しやすい点で、ほぼ直線的にバックで操縦者の場所まで戻ります

発見者は、この時点で「おお、ドローンが戻ってきた」と思いつつ、ドローンが進んでいく直線上のどこかに操縦者がいると認識できます

step03. ドローンが着陸する位置を特定する

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操縦者は、ドローンを着陸させる場合、操縦者の真上まで移動させてから徐々に降下させます

これも操縦する際の特性で、建物等の障害物を避けられること、操縦者は真上まで来ると安心感が生まれること、などがあります。

つまり、ドローンがバックして戻って停止。徐々に降下したら、その場所に操縦者がいると想定して間違いありません。

発見者はドローンが降下した場合に操縦しやすい場所を考えると、より確率が上がります。一般的に操縦しやすいのは「空が開けている場所」です。

  • 何十台を停められる駐車場
  • 木々が少ない、空が開けている公園
  • 多少の川幅がある河川敷

ドローンが降下して着陸しそうな場所は上記のような場所です。

例えば、それ以外に考えられるのは道路というのもありますが、操縦していると目立って通報される、また電波が届きにくい環境と考えると、操縦者は道路上では操縦していないと考えられます。

発見者はドローンが降下している付近を考えて「空が開けている場所」を、ある程度、目処をつければ、もうゴールは近いです。

ドローンを操縦している人の特徴は…

  • 空を見上げている(着陸時)
  • 比較的大きな荷物を広げている

目処をつけた場所に、そういった方がいるのなら、ドローンの操縦者としてほぼ間違いありません。

実際にたどり着いたダイジェストを言うと…

私は上記のステップを踏んで、ドローン操縦者にたどり着きました。

ドローン発見場所から操縦者までは距離500m住宅地の脇を抜けて線路を越えて都道を越えて少し開けた公園からドローンを飛ばしていました。ドローン発見から操縦者到達まで時間にして10分くらいです。

  • 見失わないように走る
  • 方向を間違えない
  • 着陸の場所を把握する

ざっくりとですが、この方法で、たとえ街中でブンブンと自由に飛行しまくっているドローンでも、十分に操縦者まで到着可能です。

ちなみに実際にたどり着いて危険飛行をしていたドローン操縦者と直接話しました。航空法についてまったく知らない方でした。(しかしなぜか許可書は取得していました…闇)

街中を飛び回るドローンの追跡には「操縦者の特性」を利用する

まとめです。

街中をドローンが飛び回っているというシーンに出くわすのは、ほとんど可能性はないと思われいます。

しかし、実際のところ、趣味でドローンを飛行させる操縦者は増えてきており、もしかしたら空を見上げた際にドローンを見つけるかもしれません。

その際には、ここで記載したような「操縦者の特性」を理解すると、高い確率でたどり着きやすいです。

  • ドローンを進行方向の後ろに、操縦者はポジショニングしている
  • ドローンが操縦者のもとに戻る場合は、直線方向でバックして戻る
  • 周辺の障害物で電波遮断されないように、空が開けている場所で操縦する
  • ドローンが降下して着陸するときは、その直下に操縦者がいる

この4つを覚えておくと、「危険なドローンを見つけた!!!」という突然の出来事でも、(たとえ距離が離れていても)高い確率で操縦者までたどり着けます。

もし操縦者までたどり着いたら…

危険な飛行でしたら、遠慮なく話しかけてみるといいかもです。

そして、もし「許可を持っている」と言ったとしても、違反性のある場合が高いため、その言葉だけを信じるのはナンセンスかもしれません。

その許可には、許可をされている条件があるからです。

あとがき

マニアックすぎる話でしたが、誰かの役に立てれば嬉しいです。

ただ、私自身は、この一件でさらに根深い航空法の闇を直視してしまって、その日の夜は全然眠れませんでした…(笑。

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