ドローンの撮影で逆光に!?逆光を防ぐ一番の対策は事前準備

ドローンの撮影で逆光に!?逆光を防ぐ一番の対策は事前準備

こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。

ドローンで撮影する際に、時として困惑させるのが「逆光」です。

冬の季節は太陽の傾きもきつく、場所と時間帯によって逆光になってしまうことも…。

逆光での撮影方法と逆光を防止する方法を書いてみます。

逆光の一番の対策は、やはりロケーション・時間帯の「事前準備」です。

逆光というのは?

そもそも逆光とはなんなのか?という話です。ひとことで言うと「カメラの正面に太陽がある状態」です。

ドローンのカメラが太陽と向き合った状態で撮影すると、下のように被写体に暗さが出てしまいます。

富士山と太陽

(これはこれで雰囲気が出て非常にいい写真なのですが…人によっては「富士山が見えない」と主張するかもですね)

逆に、太陽を背中にした状態が順光になります。順光で撮れば陽の光を味方につけて、被写体もキレイに写りやすいです。

撮影するときにおいて一般的には順光が好まれます。時として雰囲気を出すために逆行で撮る場合もありますが、ドローンでの撮影の場合は順光を狙うことが大半です。

逆光になりやすいシーズンは冬

「南中高度」というは、小学生のときに習って懐かしい言葉ですね。太陽が一番高いときの角度を表す言葉です。

で、それに関連するのが夏至と冬至。

夏至は太陽が一番高い位置にある日で、冬至はその逆に太陽が一番低い位置にある日です。ちなみに夏至は6月20日前後、冬至は12月20日前後。

では、夏至と冬至ではこの南中高度はどのくらいの角度なのでしょうか?

太陽の南中高度の公式

夏至(6/20ごろ)=90-観測地点の北緯+23.4
冬至(12/20ごろ)=90-観測地点の北緯-23.4

中学生理科ポイントまとめと生理「中3地学【南中高度の公式】」より

この公式に当てはめると、東京の北緯は35度で計算すると…

夏至は78度冬至は32度

夏至は南中高度が高いため、真上から太陽の陽が降り注ぐイメージですが、冬至は南中高度が低いため、32度という斜めから太陽の陽が差してくるイメージです。

つまり、12月20日を冬至としたこの数ヶ月の冬のシーズンは、斜めから差し込んでくる太陽で逆光になりやすいと言えます。

ドローンで逆光を防ぐ方法は?

ところで地上で撮影するカメラ撮影と、ドローンで撮影では「撮影」という観点からいているように思えますが、実際にはドローンでは難しいこともあります。

理由は3つです。

  1. 空を飛んでいてレフ板を当てるのは不可能であること(補助光が出来ない)
  2. 被写体が大きいためフラッシュできない(フラッシュもない)
  3. フード等をつけると風を受けて不安定になる(飛行上の問題)

地上での撮影なら様々なツールで逆行対策は可能ですが、ドローンは空を飛んでいるため為す術がありません。しかも空に飛んでいるということは、もろに太陽の光を浴びている状態です。通常の地上撮影よりも逆光の影響を受けやすい状況下といえます。

そのような場合でも、できる範囲の対策をおこなえます。

露出補正をおこなう

例えば通常のまま撮影してしまうと、逆光で暗さが目立ってしまいます。

逆光の例

そこでカメラの設定で露出補正をプラスにして、逆光で暗くなりがちな撮影を軽減するようにしています。

わざとらしい撮り方ですが、露出補正+1.7まで上げて全く同じアングルで撮ると…

逆行例

地表の画が出てきましたね。

ただ、露出補正をしすぎてしまうと背景が白飛びしてしまったり、全体の色合いが不自然になってしまったりします。

完璧な方法ではないので、あくまで逆光を軽減する程度です。

カメラの向きをやや下向きにする

太陽の光を直接受けてしまうと逆光がきつくなります。そのため、カメラをやや下向きにするだけでも逆光を軽減できます。露出補正は+0.3で高度を上げて下向きで撮ると…

逆行例

上空に上昇できるドローンだからこそ、高度を調整しながら下向きで対処することも可能です。

ただ、できることと言っても、前述の通りドローンは難しく、根本的な解決方法ではありません。

逆光の最大の対策は「順光を狙う時間帯」と「ロケーション」

あえて逆光の中でどうにかするのではなく、最大の対策は順光を最優先にすることです。

太陽は東から昇り、西に落ちていきます。

時間帯を考えれば、順光の時間帯もあれば逆光の時間帯もあります。太陽の向きを考えつつ、例えば午前・午後の時間帯で「順光」になります。

またロケーションも同様。周辺に障害物があったり、山、谷といった自然物の影響も考えると、より被写体に対して「順光」になります。

時間帯やロケーションも考慮しつつ、「いつ撮影するれば順光を得やすくなるのか」の事前準備が逆行対策の1つです。

撮影者によっては新しい構図を手に入れる場合も

やや逆光になる状況だとしても、撮影者がロケーションを判断してその場で別の構図をつくって撮ることもできます。

別の角度から撮影したり、高さを変えて撮影したり、ある程度飛行移動ができるドローンだからこそ構図のつくりが増えてきます。

太陽の陽の光を活かしつつ、臨機応変に対応して新しい構図をつくるのも撮影者ができる対策の1つですね。

得てして逆光を狙う場合はNDを使用することも

各カメラ専用のNDを使用すれば、逆光を軽減しつつ味のある画を撮りやすくなります

どのような環境条件で撮影するのか、どこまでの映像としてのクオリティが必要になってくるのかでNDを効果的に使用するかどうかが決まってきますね。

あとがき

こんなことを言うと元も子もないですが「ドローンでは順光を狙いましょう」です。

そのほうがドローンらしいダイナミックな画が撮れますからね。

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