こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
「自分の土地なら、ドローンを飛ばしてもいいの?」
ドローンは航空法によって法的な制限があって、何がOKなのかが理解しにくいものです。
航空法があるとはいえ、自分の私有地なら「だって、俺の土地だから大丈夫でしょ!」と思うのも自然です。
しかし結論から言うと、自分の土地でも自由に飛ばすことはできません。
今回のブログ記事では…
- 航空法の「どの規制」に引っかかるのか?
- 具体的に私有地で規制になる例は?
- なぜドローン規制があるのか?どこならOKなのか?
以上の3点を中心に「自分の土地(私有地)でドローンを飛行させる注意点」を情報シェアします。
過去に、私有地で飛行させて航空法違反(書類送検)された例もあるので、間違いがないように理解をしてくださいね。
このページに書いてあること
自分の土地(私有地)でもドローンは自由に飛ばせない
結論からです。
私有地であっても、航空法などの規制がかかる場所では飛行できません。
航空法は、日本全国で適用されている法律です。たとえ自宅であっても「空」を使う以上は例外にはなりません。
「オレの土地だから、何やってもいいだろ!」と言ったとしても、航空法により罰金刑50万円以下に処罰されます。十分に気をつけてください。
実際にあった:自宅屋上で書類送検されたケース
2019年、東京都文京区で自宅マンション屋上からドローンを飛行させたケースで、航空法違反として書類送検された事例があります。
飛行時間は10分間。
無許可でのドローン飛行となり、航空法違反容疑で書類送検された事件です。
東京都文京区の自宅マンション上空で許可なくドローン(小型無人機)を飛ばしたとして、警視庁富坂署は13日、航空法違反容疑で、同区在住の外国籍のフリーランス記者夫妻を書類送検した。夫妻は調べに対し、容疑を認め、「取材で使うため練習していた」と供述している。(中略)
書類送検容疑は11月13日午前10時50分ごろから約10分間、文京区春日の自宅マンション上空でドローン1機(約740グラム)を無許可で飛行させたとしている。
同署の調べに対し、妻は「自宅屋上なので飛行させても大丈夫だと思った」、夫も「日本ではドローンがたくさん売られているので、問題ないと思っていた」と説明している。
近隣住民から「ドローンが飛んでいる」と110番通報があり、同署員が上空で昇降を繰り返す機体を見つけ、近くで操縦する妻と夫を発見。
概要を簡単にすると…
- 航空法でドローン飛行禁止エリアだった
- 「自宅屋上なので飛行させても大丈夫だと思った」
- 自宅の上空で10分飛行させ、近隣住民が通報した
本人は「自宅だから問題ないと思った」と説明していますが、結果として違反扱いになっています。
このように私有地であっても航空法は普通に適用されます。
【重要】100g以上はすべて航空法の対象
ドローンは現在、以下のように分類されます。
- 100g未満:航空法の対象外
- 100g以上:航空法の対象
この100gというのが、航空法での 対象 or 対象外 になるため、覚えておかないといけません。
以前は200g基準でしたが、無人航空機(ドローン)の航空法が適用されるのは重量100g以上です。つまり、市販されている多くのドローンはすべて規制対象です。
一部トイドローンと呼ばれている100g未満のドローンならを飛行しても問題ありません。
例えば、重量80gのトイドローンを自宅の庭で飛ばそうとしても、航空法違反とはならずに飛行できます。これは東京都23区内のドローン禁止エリア内だとしても、です。
航空法の「どの規制」に引っかかるのか?
そもそも航空法のドローン規制というのは何なのでしょうか?
ここでは自分の土地(私有地)で引っかかりやすい2つのドローン規制をピックアップして説明します。
その2つというのが…
- 人口集中地区でのドローン飛行禁止
- 人または物件から30m以内のドローン飛行禁止
この言葉だけだと分からないですよね。
さらに深堀りをしていきます。
航空法:人口集中地区でのドローン飛行禁止
人口が密集しているエリアでは、原則としてドローン飛行は禁止です。
航空法では…
第百三十二条
何人も、次に掲げる空域においては、無人航空機を飛行させてはならない。(略)
二 前号に掲げる空域以外の空域であつて、国土交通省令で定める人又は家屋の密集している地域の上空
この記載のある「人又は家屋の密集している地域の上空」というのが、人口集中地区にあたります。
でも「人口集中地区とは何?」と聞き慣れないワードですよね。
人口集中地区とは…
市区町村の区域内で人口密度が4,000人/km²以上の基本単位区(平成2年(1990年)以前は調査区)が互いに隣接して人口が5,000人以上となる地区に設定される。ただし、空港、港湾、工業地帯、公園など都市的傾向の強い基本単位区は人口密度が低くても人口集中地区に含まれる。
英語による”Densely Inhabited District”を略して「DID」とも呼ばれる。
ひとことでまとめてしまうと、ある一定の数値で人口密度が高い、ということです。
簡単な話にすると「人が多い場所だから危険に晒すな」というもので、日本全国で適用されています。
人口集中地区の調べ方は?
人口集中地区に該当するかどうかは…

国土交通省の下記リンクから調べられて、赤色のエリアが人口集中地区です。
もし、東京23区内に、庭付きの一軒家を所有しているとします。
しかし東京都内の大部分では人口集中地区エリアに該当します。さて、その庭で重量100g以上のドローンを飛行してもOKでしょうか?
答えは、違反でNGです。
繰り返しになりますが、自分自身の土地だとしても、人口集中地区にある場所はドローン飛行は禁止されているのです。
つまり、
-
自宅の庭でも
-
自宅の屋上でも
人口集中地区内なら基本NGです。
航空法:人または物件から30m以内のドローン飛行禁止
ドローンを飛行させる上で、離発着を含めて、人や物件から30m以上を離さなければなりません。
第百三十二条の二
無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。(略)
七 当該無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に国土交通省令で定める距離を保つて飛行させること。
この条文に記載のある「距離を保って」というのが30m以上になります。
つまり、30m未満での飛行は違反になってしまいます。
どんな時が想定されているかというと、離発着時を含めて飛行中に…
- 第三者が30m以内にいるのはNG
- 他人の物件(例えば家など)に、30m以内を飛行するのはNG
必ず広いスペースで離発着をして、広いスペースの中で飛行し続けるというのが原則です。「なーんだ、それなら自宅の庭は広いから大丈夫だよ」と考えちゃいますよね。
しかし、落とし穴があります。
「物件」とありますが、どのようなものが「物件」にあたるのでしょうか。
具体的な「物件」の例は以下のとおりです。
車両等:自動車、鉄道車両、軌道車両、船舶、航空機、建設機械、港湾のクレーン等
工作物:ビル、住居、工場、倉庫、橋梁、高架、水門、変電所、鉄塔、電柱、電線、信号機、街灯 等
電線や電柱、街灯も、ドローン規制の30mの物件に入るのです。
例えば、自宅の庭でドローンを飛行させようとしたとしても、目に見える範囲(30m以内)に、電線や電柱がある場合には、そこではドローン飛行禁止になります。
つまり、ドローンは以下から30m以上離す必要があります。
- 建物
- 電線
- 電柱
- 車両など
ここがかなり厄介で、日本の住宅環境だと、ほぼクリアできません。
たとえ自宅の庭でも、
- 電線がある
- 隣家がある
- 車がある
この時点でアウトになるケースが多いです。
図解で説明する人口集中地区のOKライン
例えば、家の周りが電線に囲まれていたら・・・というのを図で表してみると

この画像の赤い部分での、離発着および飛行は禁止になっているのです。
つまり、「物に当たって墜落したら危険でしょ。他人の物件に危害を加えちゃダメでしょ。だからドローン飛行させたら違反だよ」というわけです。
なぜドローン規制があるのか?どこなら飛ばせるのか?
「なぜここまで厳しいのか?」
理由はシンプルで、ドローンというのは100%安全ではありません。
- 操縦者の人為的ミス
- 機器トラブル
- 電波障害
様々な要因で、ドローンは急に墜落したり、どこかへ飛んでいってしまったりします。
これはプロでも避けきれません。
これは操縦経験のある上級者であっても制御不能に陥り、過去にドローンが墜落する事故は多々起きています。
そして一度制御を失うと、簡単に私有地の外へ飛んでいきます。
制御できなくなったドローンが、急に頭の上に落ちてきたらどうなるでしょうか?
ドローンがクルマにぶつかったらどうなるでしょうか?
第三者に怪我を負わせてしまう事故も、過去に起きています。まったく関係のない人に危険に晒すのは、やはり法律で規制しなければなりません。
だからこそ、「私有地だからOK」という考えは成立しないという設計になっています。
では、どこならドローンを飛ばせるのか?
もし東京ドームほどの私有地を持っていて、人口集中地区ではない自宅なら庭先で飛行するのは問題ありません。
しかし、一般的な日本家屋が多く、電線や電柱が地上に溢れている日本国内。なかなか自分の土地で飛行するというのは厳しいものがあります。
現実的な選択肢はこれです。
- 人口集中地区ではない
- 周囲に人・物が少ない
- 広いスペース
例えば:
- 郊外の畑
- 山間部
- ドローン練習場
などです。
広いスペースで飛行させる。それが健全です。
さらに今は「機体登録」も必須
現在は法律が追加されており、100g以上のドローンを屋外飛行させる場合、
- 機体登録(必須)
- リモートID(必須)
などもあります。
つまり、場所だけ守ればいい時代ではなくなっています。
ドローンは、どこでも、いつもで、飛行できるわけはありません。
いつの間にか航空法違反で「書類送検になった!」とならないように気をつけなければならないです。
あとがき
「思ったより厳しいな」と感じたかもしれません。
ただし、これは安全のためのルールです。
ドローンは便利ですが、扱いを間違えれば危険な機械でもあります。
ルールを理解して、安全に飛行させることが、結果的にドローンの自由度を守ることにもつながります。