ドローン地獄!?あらゆる苦行を強いられる初心者、企業の悩みとは。

ドローン地獄!?あらゆる苦行を強いられる初心者、企業の悩みとは。

こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。

「ドローンにまつわる地獄とは何なのか…?」

そんなブログ記事を書いてほしいと頼まれたため、難しいお題ですが地獄にまつわる話を書いてみます。

近年ドローンを見かけるようになってきました。しかし「初めて見ました」という方がまだ多く、ドローンは未知の世界です。

ドローンの世界に一歩踏み入れて見えてくるものは…?

「法律」「天候」「市場」などあらゆる要素が入り乱れ、踏み間違えれば地獄に入り込んでしまう

ドローン始める初心者の方、そしてドローンを利用(依頼)したい企業が感じる「苦難な境地」を紹介します。

※ネタ的なブログ記事です

ドローン地獄に陥る「ドローン初心者」編

1. 何を買えば良いのか分からない地獄

「ドローンをやってみたい」そう思った初心者の方が、最初にハマってしまうのが「何を買えば良いのか分からない」ことです。

ドローンはどこでも買えるようになりました。ヨドバシカメラやビックカメラなどの家電量販店、Amazonなどのネット通販。

重量200g未満のトイドローンから法律に抵触する大型ドローンまで数多くのドローンが販売され、ネット通販なら最短で翌日にも手に入れられます。

そもそも何を判断基準にすればいいのかも分からない状況で、何百種もあるドローンから選択するのは、まさに苦行。

見たことのないドローンを買おうとしているのですから当然です。

WEBを検索してもよく分からない。Amazonのレビューを見てもよくわからない。法律に抵触するドローンなのかも分からない。

「私は何を買えば良いのか…」「どこで買えば良いのか…」

ドローンに興味があるものの、選択肢の多さと不明瞭な実態が目の前を立ちふさがり、アドバイスを求めようとしても知り合いにドローンに詳しい人はいない。

そして徐々にドローンの興味を削ぎ取り「もう買わなくてもいいのでは」と思わせるドローン地獄

ドローンに踏み込もうとした人を、まずこの地獄が飲み込んでいくのです。

HS350-Bのサイズ
ドローンが話題になっているから、ちょっと飛ばしてみたいなぁと思う方も増えてきていますね。 「おすすめのドローンは何かな?」 「でも法律があると聞いているから、簡単に手を

2. 謎の言葉が多すぎる地獄

ドローンを買ってみて「これから楽しむぞ!」と意気込んでいると、次に襲いかかってくるのが「謎の言葉」。

エルロン?ラダー?スロットル?エレベータ…?ん、モード1?モード2?

「そうだマニュアルに頼ってみよう」と思っても聞き慣れない言葉が降り注いできて、理解しようとしても頭が付いてこない。

そもそもマニュアル自体が謎の言葉で説明されていることも…。

もともとラジコンなんてやっていなかった人がドローンを始めようとするのですから、謎の言葉はもはや暗号です。ラーメン二郎の暗号さながらです。

マニュアルを読んでも言葉が分からないから、総じてよくわからない。つまり、どう操縦するのかも分からない。

ドローンを飛行させようとワクワクしていたのにも関わらず、いきなり飛行できないドローン地獄。

容赦なく苦難を強いられるのです。

モード1モード2
ドローンを操縦する時に、1つ選択しなければなりません。 それがリモートコントローラ(送信機/プロポ)のモードです。3次元で動かすために、複雑な動きをして操縦するスティックです

3. 旋回や対面飛行ができない地獄

やっとドローンを飛行できて楽しむつもりが思った以上に操縦ができない。

上昇下降、前後左右の動きはできるのですが、旋回しようとするとドローンが大きく動き出し、対面飛行になったら、急にコントロールできなくなってパニック。

「ドローンが右だから左?いやそもそも正面はどっちに向いている?」

頭の中で考えているうちに壁や障害物にクラッシュしてしまうコントロール不能地獄。

どうやって練習すれば良いのか分からず。「やはり鍛錬が必要」と根性を出して、ひたすらドローンを操縦。しかし慣れない。

楽しみだったドローンの操縦が、どこか苦行になってしまう。多くの人がハマってしまうドローン地獄です。

⇒解決策:トイドローン初心者のための『気持ちよく飛行させる操縦術』

ドローン地獄に陥る「ドローン操縦者」編

1. 法律や許可関連がわからなすぎる地獄

重量200g以上の航空法対象ドローンを手に入れた方が、細心の注意を払うべきなのが法律+許可

重量のあるドローンは航空法によって飛行エリアや飛行方法に制限が加わっており、違反をすると最大50万円の罰金刑(前科付き)です。

しかし日常生活で法律を直視する機会は少なく、法律そのものに慣れていない人が大多数

航空法に関わる飛行エリアは分かりやすいのですが、飛行方法は複雑です。「この場合はセーフなのか、それともアウトなのか」そんなあらゆるシーンを想定していなく、下手に飛行してしまって法律に抵触する恐怖も…。

航空法をクリアしたとしても、地上の法律もドローンは関わってきます。公園で飛行させていたら条例違反で厳重注意を受けたり、飛行場所に対して無許可でドローンを飛ばしていたら警察沙汰になったり。

所有権の問題、プライバシー権、道路交通法、電波法などドローンは法律と隣り合わせであり、それを無視すると容赦なく「書類送検」「逮捕」の言葉がつきまといます。

「何がだめなのか。これはOKなのか…」「どこに許可を取れば良いのか…」「他人がやっているけど、自分はやって良いものなのか…」

あらゆる場所で「許可」という言葉の無限ループにハマっていくドローン地獄

法律や許可を自分のものにいなければ、飛ばないドローンを持っているだけになるのです。

ドローン規制と法律まとめ
「ドローンは航空法の対象だと知っているけど…ぜんぜん分からない!」 そう嘆くユーザーやクライアントが大変多いです。 確かにドローンに関わる航空法は複雑ですし、航空法だけ

2. 天候に左右されすぎる地獄

ドローンを飛行させようと思っても「いつでも飛行できる」わけではありません。

ドローンは空中に飛ぶものであり、精密機械でもあります。

強風が吹けばドローンは風に流されたり、転倒して墜落したりします。雨が降ればモーターや電子基板、バッテリーが水没状態になり全損扱いです。たとえ霧雨だとしてもです。

どんなに真っ青な空が広がって、どんなに気持ちいい太陽の光が注いでいたとしても、強風だったらドローンは飛行できません。

週末の土曜・日曜でドローンを飛行させようと、旅行の計画を立てたとしても雨だったらドローンは飛行できません。梅雨の時期なら尚更です。

「明日は晴れだ、いや風が強い。次の日は雨だ。お、次の日は晴れるけど…湿度が高くてモヤがありそうだ…。」

そんな天候に思いっきり影響されてしまい、天気予報に振り回され続けるドローン地獄。

天候を味方にできたら、それは本当に神ですね…。

天気予報
ドローンは思いっ切り天候に左右されてしまいます。 一番弱いのが雨。ほんの少しの小雨でも、一切の飛行はNGです。飛行したら墜落も免れません。 次に弱いのが風。風速5m以上

3. あらゆるリスクが大きすぎる地獄

最初はドローンは「おもちゃ感覚」なのですが、ドローンを所持してみて、ドローンの知識を入れていくにつれて「これ、おもちゃではない」と気づきます

ドローンは、地球に重力がある限り必ず落ちます。墜落した場所に、人がいたら大怪我をさせて損害賠償に発展します。そして高速回転するプロペラは指を切り、出血させます。子供の目を失明させた事件もありました。

墜落や衝突があれば一撃でドローンは大破します。数十万円のドローンがお亡くなりになるのです。

法律面でも間違ったことをおこなってしまったら「書類送検」「逮捕」です。「知らなかったんです」という言い訳は一切通じません。

地上で撮影する手持ちカメラのような感覚でドローンを手にとってみたら、「いやいや、リスクあるじゃんよ!」と驚く人が多いんですよね。

常にリスクを持ち合わせ、飛ばそうと思ったら人を悩ませるドローン地獄。

「使いたいときだけ使う」のお気軽感は、多少なりともリスクを減少できるかもしれません。

ドローンをレンタルしてクルマで持っていく
いきなり結論です。 ドローンのレンタルをしてみました。もはや「個人なら、買うよりもレンタルしたほうが正解かも!」です。 理由は3つ。何と言っても低価格、そして低リスク。

ドローン地獄に陥る「クライアント企業」編

1. どこまで空撮できるのか分からない地獄

ドローンの撮影を依頼しようとしても「そもそもドローンって、どこまで撮れるの?」と分からないことだらけ。

ドローン自体を見たこと無いし、見たことあるのはテレビの映像だけ。

  • 何ができて、何ができないのか
  • どのような条件だったら大丈夫なのか
  • 望むものは撮影できるのか

そして、一番肝心なのがドローンを取り入れることでどのような効果を得られるのかです。

初めて扱うのだから「それも分からない」のは当然です。

エンドクライアントに提案しようとしても答えづらいですし、エンドクライアントから質問を受けても答えづらい。

「高い位置から撮影できまして…うむむむ」そんな言葉に詰まってしまうドローン地獄。

一度でもドローン撮影の依頼をおこない、実際の現場を見ればイメージしやすいんですよね。

⇒参考:代表的なドローン撮影事例

2. 企業コンプライアンスを守るための諸法令が分からない地獄

「ドローンは法律の対象となっている」それは知っている人が多いです。しかし「何の法律に?」と中身を答えられない人が多いのも事実です。

企業としてドローン撮影を依頼する上で「法律は守らないと…問題になる…」とコンプライアンスを遵守する必要があります。

諸法令を守らずにドローン撮影をおこない、後々にトラブルが起きた場合にはエンドクライアントに迷惑がかかるからですね。

そのためにも「まずはドローンのことを知っておかなければ」と前向きの気持ちになるのですが、ネットで調べようとしても複雑過ぎて分からない。とにかく分からない。

「これはセーフ、これはアウト。でも、うちの場合は…??」

最適な形で安全に行いたいという前向きな気持ちはあるものの、すぐに手詰まってしまうドローン地獄。

正しい形でコンプライアンスを遵守したいだけのに、時間を取られ苦行になってしまう。法律という鬼の手が、行く手を遮るのです。

ドローン規制と法律まとめ
「ドローンは航空法の対象だと知っているけど…ぜんぜん分からない!」 そう嘆くユーザーやクライアントが大変多いです。 確かにドローンに関わる航空法は複雑ですし、航空法だけ

3. 外注先を探す基準が分からない地獄

エンドクライアントから「とりあえずドローンで撮ってほしいんだよ」と依頼を受けた営業マンは、ドローンで撮影できる業者を探すはずです。

知り合いに聞いてみる。仲の良い企業に聞いてみる。そしてネットでドローン撮影業者を検索してみると…いろんな業者が溢れるように出てきます。

「お、業者がたくさんあって探すのは楽だな」

最初は楽観的な気持ちになるのですが、段々と顔が渋くなるんですよね。「何を基準に判断すれば良いのかが分からない」からです。

料金も異なれば使用する機材も異なる。当然ながら技術も異なります。

「初めてだから失敗はしたくない」と不安に感じつつも、各業者の何を見れば極力失敗を回避できるのかが分からない。つまり、撮影業者を選べないドローン地獄です。

とりあえず依頼してみないと分からない…というギャンブルは避けたいですよね。

ドローンの空撮業者
ドローンの空撮依頼をする場合、ドローン会社を探すと思いますが「どうやって選べばいいんだろう?」と悩みますよね。 実績も異なりますし、料金体系も異なります。 そもそも空撮

地獄から抜け出すためには?

あらゆる場面で地獄にハマってしまうことがあります。理由は単純で「ドローン自体が初めて」だからです。

初めてだから言葉も分からないですし、初めてだから法律も分からないですし、初めてだから業者も選べないのです。

その「分からない」を解決しようと、ネットで調べても情報多寡でもっと混乱する。そして地獄の深みに入ってしまう。悪い流れが滞りなく続く。

深みにはまらないためにも、個人的な意見ですが取捨選択がベストです。

最近のグーグルの検索方針(E-A-T)と同じ考えです。まとめサイトのようなランダムな情報源よりも、専門性のある情報源から情報を手に入れる。

多様な情報を手に入れるのではなく、情報を絞って手に入れる。それが地獄から抜け出す1つの方法だと思います。

あとがき

「地獄について書いてほしい」と依頼があってネタ的なブログ記事でしたが、結局長くなってしまいました。

時間が経ってから「そうそう、そんな地獄にハマっていた」と笑い話になると嬉しいです。

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