ドローン操縦者は大きなリスクを背負い続けている

ドローン操縦者は大きなリスクを背負い続けている

こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。

ドローンを飛行させるときのリスクって一般の方には想像しにくいものです。

「ドローンは事故が起きてケガをさせても、ドローン保険に入っているから問題ないですよね!?」

それに近いようなニュアンスで質問されたことがあります。

これは結構、闇が潜んでいるのではないのか…そんな不安感があったため、今回ブログとして記事化します。

  • 通常のカメラ撮影では、ひとは亡くならない
  • 原因不明の事故や人為的なドローン事故は起きている
  • ドローン操縦者は大きなリスクを背負い続けている

ドローンはリスクを背負い続けている、という認識は絶対に忘れてはいけないと思うわけです。

そして、リスクをコントロールできるのは操縦者の本人です

ドローンは撮影現場で人が亡くなる可能性はある

さらりと書いてしまうのは気が引けますが、ドローンって殺傷能力があるんですよね。

撮影現場で想像すると分かりやすいです。

通常の手持ちカメラで撮影をしていて、手持ちカメラでひとが亡くなることはあるでしょうか?

たぶん、ひとが死ぬという状況は考えつかないです。カメラを手で持っているだけですからね。

もしひとが死ぬというのなら、カメラを斧のような武器として利用して、ガツガツと頭を叩く。それなら、あり得るかもしれません。ただ、そんな状況は、撮影行為のなかでは想像しにくいです。

ドローンの場合はどうでしょうか?

対比して考えると、人が亡くなる可能性は大きくあります。

  • 上空130mから墜落して、頭の上に落ちた
  • 操縦不能になって高速回転しているプロペラが小児に直撃した

普通の撮影現場で「亡くなる」という可能性が一切なかったのですが、ドローンやドローン操縦者によって、今まであり得なかった人が亡くなるという事故が起きるわけです。

こういう話をすると…冒頭に上げたような少し残念な質問が来てしまいます。

「ドローンは事故が起きてケガさせても、ドローン保険に入っているから問題ないですよね!?」

確かに保険に入っています。対人対物として数億円規模の補償です。ドローンで事故を起こした当事者は金銭的な負担は、限りなく少ないと言っても良いかもしれません。

ただ、考えてみれば分かるのですが、被害者はどうなるのでしょうか?またその家族はどうなるのでしょうか?

例えば、ドローンによって大怪我をさせてしまったとしましょう。

  • ドローンが頭上に落ちて、首の神経を痛めて脊髄損傷。以後、車椅子生活…
  • プロペラが女性の顔にあたって15針を縫うケガ。顔には切り傷が一生残る…
  • 子供の目にあたって失明。片目が見えない生活を一生送る…

ドローンが飛んでいるだけで、相手を傷つける可能性があります。

「私操縦者は保険に入っているから事故が起きても平気です!」

そのような、事故が起きた後の想像ができないひとはドローンのリモコンを持ってはいけませんね。

現にドローンによる事故は起きている

「ドローンってGPSが付いているし、衝突回避システムが付いているし、ロスト時は自動機関があるから安全だよ」

そう勘違いしているひとが多いです。

もし100%安全だと言い張るのなら、国土交通省航空局に上がってくる事故リストを見たことがあるのでしょうか?

「原因不明のロスト」「急な墜落」「操縦ミス」の数多くの報告が記載されています。

▼2019/5/30 操縦者:測量関連業者 場所:山梨県南巨摩郡

  • 建設現場の確認のため無人航空機を飛行させていたところ、突如制御不能となり紛失した。
  • 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
  • なお、操縦者の操縦経験は20時間以上。

【原因分析】 飛行経路上の山が遮蔽物となり、通信環境を悪化させたものと考えられ る。

▼2019/6/4 操縦者:個人 場所:沖縄県うるま市

  • 空撮のため無人航空機を飛行させていたところ、強風に流され墜落した。
  • 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
  • なお、操縦者の操縦経験は10時間以上。

【原因分析】 飛行中に強風に煽られたものの、着陸させずに飛行を続行したことが原 因と考えられる。

▼2019/6/12 操縦者:行政機関 場所:広島県広島市

  • 操縦訓練のため無人航空機を飛行させてい たところ、通信途絶となり墜落した。
  • 本件事案による人の負傷及び第三者の物件の被害はなかった。
  • なお、操縦者の操縦経験は14時間以上。

【原因分析】 機体が山陰に入ったことで機体と送 信機との通信が途絶えて機体の制御 が不能となった。

▼2019/6/30 操縦者:報道機関 場所:福岡県福島市

  • 取材のため無人航空機を飛行させていたところ、突如制御不能となり墜落した。
  • 本件事案による人の負傷及び第三者の物件 の被害はなかった。
  • なお、操縦者の操縦経験は80時間以上。

【原因分析】 突風による影響やモーター等の故障と考えられる。

国土交通省「平成31年度 無人航空機に係る事故等の一覧(国土交通省に報告のあったもの)」より

これは氷山の一角でしかありません。※報告されていない事故のほうが圧倒的に多いと考えられます

過去の事故報告を見ても、操縦時間300時間を超えるベテランだとしても原因不明な事故を起こします。

それなら、操縦時間が十数時間のビギナーがさらに高い可能性で事故を引き起こすのは容易に考えられますよね。

ドローン業者が建設現場で事故を起こした話

クライアント経由でドローン業者が事故を起こした話を耳にしました。

マンション建設中の工事現場で、ドローンでの撮影を試みようとしたところ、離陸はできたものの、着陸する数mでコントロール不能に

急に真横に飛んでいって、鉄道の橋梁にドローンが直撃。危うく線路内に落ちるところだったとのこと。ひとつ間違えれば、某鉄道の交通を止めていた実際に起きた事故です。

その後、別の日に私がその撮影現場を引き継いで、現場を見てみたのですが、鉄板や鉄筋に囲まれている場所でした。

きっと前の業者は、離発着させる場所を誤って、無駄にキャリブレーションしまくったから操縦不能になった…と想像できました。

こうやって「原因不明ではない、人為的なミスが生まれる」と。

ドローンの操縦はリスクを背負っている

通常の手持ちカメラとは大きく異なるのがドローンです。もし同じ感覚で「撮影ができる」と思っているのなら、再認識しなければなりません。

もし操縦不能になって事故を引き起こしそうになっても、第三者に危害を加えないためにあるのが法律(=航空法)です。

  • 人が多く住んでいる人口集中地区では、第三者にダメージを与える可能性があるから法律的に禁止している。
  • 第三者にダメージを与えないように、人・物から30m以上を離すルールになっている。
  • 極端に視野性が悪くなる夜間、不特定多数の第三者が集まるイベントでは禁止している。

その他にも法律的な要件はありますが、「ひとを危険にさらす」から法律があるわけです。

国土交通省からの許可を得ていたとしても、あらゆる飛行条件のもと、許可が出されているため、第三者の上空を飛行できないのも、前述のような事故を回避するためです。

ドローンが離陸した瞬間から、ひとを傷つけてしまうリスクがある。そのリモコンひとつで事故を引き起こす。

航空法の他にも、知識がないばかりに関連する法律に抵触して法律違反をする。警察のお世話になって、前科をつく罰金刑や実名報道を受ける。

「そこまでリスクを取っている」と想像できないひとが多いような気がしてなりません。

  • ドローンには衝突防止装置が付いているから大丈夫 → その機体でも事故は起きていますよ
  • ドローンの保険があるから事故起きても大丈夫 → 怪我した方の人生はどうなるんですか?

法律に則って安全を確保する。さらにそれ以上の「もしも」が起きる対応策を講じる。

ドローンを飛行させれば必ずリスクを背負います。

保険があるからという軽い気持ちでドローンを飛ばしていて、保険というのが「リスクを回避している」には一切なりませんよ。

あとがき

リスクがあるからといって「ドローンを飛行させるな」というわけではありません。

ひとに危害を加えない場所や環境でドローンを飛行させる分には、誰かをケガをさせるリスクは極端に減ります。

リスクをコントロールできるのは操縦者の本人です。

リスクが有ると認識した上で、ドローンを操縦するような風潮になってくれることを願っています。

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