こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
一般的なビジネス書というのは「体裁が良くて、かっこよく」作られているものです。
「こうすれば成功する!」「マインドはこう持つべきだ!」
そのような、ごまんとある教科書的なビジネス書に書いている内容を、ことごとく突き刺していく…。
『大きな嘘の木の下で』という一冊を手にとって「今の時代に合っているなぁ」と思ったので今回ブログで紹介しますね。
このページに書いてあること
「あなたにとっての真実」を見つける
この世の中は、情報が溢れすぎていて、なおかつ多面的な主張が模倣しています。
- こうしたほうが良い
- これをすると失敗する
ただ、どれもこれも薄っぺらい情報ばかりで、説得力にも欠けていて。信じようにも信じられないと思ったことはありませんか?
きっとそれは「誰が話しているのか」がすっぽりと抜けてしまっているからだと思います。
ネットの「誰が書いたか分からない」情報を鵜呑みにしてしまう。真実がわからない。でも、多くの人がそう言っている気がする。
今回、手にとった『大きな嘘の木の下で』という一冊は、世の中に溢れたウソを斜めの視点から説いていく書籍です。
潰れそうなメガネ製造販売会社を買収し、一時は破産しかけましたが、今では千人規模まで成長した田中修治氏が「実際に経営しながら考えた10のウソ」を書き綴っています。
何故、世の中でこれほど「成功にまつわる本」が売れるのだろうか?それは読んでも成功なんてしないからだ―。“立派な大人”の言うことの99パーセントは真っ赤な嘘だ!
この書籍は2020年4月に発売され、Amazonの口コミでも高い評価を得ています。
- 「本質を見つめていきたい…」
- 「混沌としたコロナ禍で新しい視点を手に入れたい…」
そのような現実的な話として、問いかけてくれるのが『大きな嘘の木の下で』です。
現場目線の6つのウソ
「タイトルにある”大きなウソ”ってなんだろう?あなたにとっての真実?」
そのような疑問しか浮かばないですよね。私も「なんだろう?」というくらいのレベルでした。
著者が執筆している大きな項目として…
- 幸福論のウソ
- お金論のウソ
- 仕事論のウソ
- 成功論のウソ
- 人生論のウソ
- 経営論のウソ
の6つがあって、ざっくりと一言でいうと「世の中でよく言われている◯◯は、実際に経験するとウソだったよ」という話でしょうか。
例えば、世の中でよく言われている「成功体験を共有しよう」。
職場で「こういうトークをしたら商品が売れた」という成功体験があったのなら、同僚に横展開させれば同様に売れていく…というもの。
しかし著者は…
成功体験の共有はあまり効果がない。
OWNDAYSでは、スタッフの接客研修で、成功体験の共有にはほとんど力を入れていない。売れる販売員の接客は再現性に乏しいからだ。(中略)成功法は前提条件によってまるっきり変わる。(中略)学ぶべきは「失敗するパターン」
というもの。
これは、多くのビジネス書も同様で、ソフトバンク率いる孫正義氏のビジネス書を読んだとしても、生まれ・生い立ち・スタート時期などの前提条件が異なるのだから、読んだとしてもあなたは成功しないのと同じというもの。
「世の中にあふれている成功本を読んだところで、誰も成功しない。むしろ、失敗本を読んだほうが成功に近づく」という斜めの視点で突き刺していく…
というのが、この書籍でずっと続いていきます(笑。
違った考え方は、
- 自分自身にとって新しいヒントになる
- もともと抱いていた価値観を同調できる
自分自身の中で吸収しやすいモノです。もちろん、中には異論があるかもしれません。
2020年はコロナで世の中が一変としました。
こうした状況下で「どう考えていくのか」は大切になっていくと思います。
「力を入れすぎず、気楽におもしろく行こう」
著者の一番の主張は「おわりに」に書いている「エンタメで行こう!」にすべてが繋がっています。
堅苦しいビジネス書の論法よりも、まずは、仕事も、人生も、経営も、「つまらない」よりは「おもしろく」行こうと。
全部を読み切ったあとに、グッと腑に落ちる言葉なので、今ここで書かれても「なんだそれ」と思うかもしれません。これは実際に読んでいただかないと、とてもここでは書けない分量ですので。
私自身が「納得だなぁ」と思った2節を紹介しますね。
選択肢に迷ったときには…
人間が生きていく限りは、選択の連続だと思います。
例えば、転職しようとしたら「A社のほうが将来性があって」「好きな仕事はB社なんだけど」と選択肢が出てきますよね。
そこで大抵のひとが心配するのが「失敗はしたくない」ということ。数年後、過去を振り返って「やっぱりB社のほうがよかった」と後悔の念を抱いてしまう。
ただし、A社を選んだとしてもB社を選んだとしても、結局は自分がやってきたことの結果なので、どっちを選んでも満足もするし後悔もするし、選択は関係ないのであって。
だからこそ著者は…
では、選択に悩んだ時は、何を基準に選ぶのか?
もしあなたが人生の岐路に立ち、どちらの道に進もうか悩んでいるのなら、僕は「迷わず面白いと思う方を選べ」とアドバイスしたい。
面白ければハマれる。ハマることができれば結果が出るまで努力することができる。(中略)天国も地獄も両方ありえるのだから、せめて面白いと思う方を選んだ方がいい。全ての努力や才能も、夢中という力には敵わないのだ。
いろんな選択には深く考える意味はなくて、面白い方を選んだほうが結果が伴いやすい。
「面白さ」というのを基準にすれば、もっと気が楽になるのは確かですよね。
これからは「ヒト消費」になっていく
商品は差別化ができなくなり、どんどんと同質化をしていっています。
世の中は似たようなものに溢れかえりますよね。
例えばユニクロがヒートテックをつくったら、すぐに他社が似たような「ボディヒーター(イトーヨーカドー)」「ヒートインナー(ドン・キホーテ)」など発売しています。
よく言われていますが、「モノ消費」は終わりに差し掛かり、次は「コト消費」に移り変わっている最中です。旅行や体験会といった経験を主体にした消費ですね。
さらにその次にあるのが「ヒト消費」と著者が書いています。
では、同じような商品が並んでいた場合、最終的には人はどこで買うのか?
「人」で選んで買うようになる。「この人と過ごす時間があるから、この人が薦めているから、ここの商品とお金を交換したい」と思うようになるのだ。
情報が溢れすぎているから、自分自身で判断しづらくている時代だからこそ、「誰か」というのは、今後、求められてくると言えます。
スーパーの惣菜コーナーで陳列されている「誰が作ったか分からない焼き鳥」よりも、軽トラックでその場で焼いている「おばあちゃんの焼き鳥」を食べたいと思いますよね。
値段とか立地とかではなく、その人から得られる体験が「ヒト消費」になるわけです。
無機質な商品よりも、人の想いが宿った商品。
つまらない商品よりも、おもしろい商品。
そういった意味で、商品を提供するひとは「力を入れすぎず気楽におもしろく行こう」の姿勢が、ゆくゆくは活きていくはずです。
様々な商品やサービスが、テクノロジーによって機械化され置き換わっていく中、労働の仕組みが変わっていき…
「どこにもであるものを、そこらへんにいる人が適当に売る」という売り方は早ければあと数年のうちに淘汰されていくだろう。
という中で、作業員ではなく、楽しい仕事として捉えていると選ばれやすくなる…と。
著者はメガネ製造販売をおこなっています。
従来から存在するメガネだけで一代を築き上げて、その販売の現場からの意見なので「誰から買うのか」という「ヒト消費」は説得力がありますね。
あとがき
この『大きな嘘の木の下で』は多方面に話が向かっているため、中には「それは私には関係ない話だなぁ」というのも多くあります。
ただ、違った考え方を取り入れるのは、自分自身にプラスになると思います。
こういう斜めから刺してくるのは、なかなか今までにない書籍です。何か刺激がほしいとき、違った考え方を取り入れたい時にどうぞ。