こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
メディアと言えば、大きな影響力を持つ媒体というイメージですね。
古くからは紙メディアが席巻してましたが、この5年でWEBメディアがすべてをひっくり返しつつあります。
ご存知の通り、ユーザー(一般消費者)の生活はインターネットから始まり、スマートフォンによって大きく変化。
もともと私はWEBメディアや広告などに携わっていたこともあり、この手の話は好物でして。このブログも、ドローン関連のメディアとして捉えた場合に「どう戦略を立てるのか」のヒントにも。
いやはや、この「5年後、メディアは稼げるのか」は未来のヒントが見えてきます。
このページに書いてあること
今のメディアの現状は、新しい常識が作られている
世の中は、大きな転換点を迎えていると言えます。
インターネットにより情報格差はなくなり、インターネットにより誰もが発信者になれる時代です。
その変化にどうメディアは対処するのか、どう生き残るのか、東洋経済オンラインの編集長である佐々木氏が書いた「5年後、メディアは稼げるのか」は未来への指針とも言える本です。
この本自体は、2013年8月に発行されています。つまり、3年以上前ですね。
「5年後にどうなるのか」というタイトルの通り、今後どうなるのかの記載があるのですが、そのほとんどが、現時点に当てはまっているのです。恐ろしいくらいに。
- ユーザー目線がメディアの生命線
- 会社よりも個人が主役
- メディア内では文系よりも理系
- 読者も企業もみんな書き手
- ビジネスのできる編集者の重要性
こんな文章の羅列で「なんのこっちゃ!」と思われるかもしれません。
しかし、WEBで起きている情報の荒波を考えると、ガッテンがいくのです。簡単に説明すると…
ユーザー目線がメディアの生命線
紙媒体(雑誌や新聞)はまとまった情報として手に入りますね。必要な情報も不要な情報も混在しながら。
しかし、WEBの場合はユーザーが検索して見つけるため、基本的には必要な情報しか購読してくれません。
ということは、ユーザーに必要と思われる情報発信(ユーザー目線)がWEBメディアに欠かせない、ということです。
会社よりも個人が主役
個人名(もしくはハンドルネーム)で情報と情報発信者が紐づきました。
昔は「◯◯新聞の1記事が言っている」となっていましたが、「◯◯さんが記事で書いている」といった具合に、媒体よりも個人に信頼性が置かれています。
ブログが情報ツールのひとつとして浸透しているのも、その影響とも言えます。
メディア内では文系よりも理系
これは紙媒体とWEB媒体の比較になります。
紙媒体の場合には、どれだけの人が読んで、どれだけの人が支持をしたのかなど計測できません。しかし、WEBともなれば、アクセス解析ですべての情報が数値化できます。
当然のことながら、数値から読み解いて、どこにユーザーのニーズがあるのかを算出することも可能です。
編集者や記者は数値に強くならないと生き残れなくなる時代になるのです。
読者も企業もみんな書き手
インターネット上では、すべての人が情報発信者になれます。
WEBサイトを作るのも、ブログを作るのも、ツイッターやFacebookなどのSNSも情報発信の1ツールですね。
紙媒体のメディアは、その媒体を持った企業のみが情報発信できましたが、みんなが書き手になれるというWEBの世界。
「保育園落ちた!」という一般人のメッセージは、日本や政界を巻き込んだのは記憶に新しいはず。
WEBの恐ろしさという点もはらんでいますね。
ビジネスのできる編集者の重要性
長々な解説になってしまいましたが、これが最後です。
この本のタイトルにもありますが、「どうメディアが稼ぐのか」(=言い換えれば、マネタイズするのか)でキーポイントなのが、ビジネス性のある編集者です。
WEBメディアは、ほぼ情報料無料です。
新聞や雑誌のような定期購読もありません。収益を生む仕組みを構築しなければ、運営維持が不可能です。(本書では、実際に一歩先に行っているアメリカのメディアを事例に解説をしています)
その中で重要になるのが、ただ編集するのではなく、お金を生み出す編集ができる人間というわけです。
これからメディアはどう稼ぐのか?
具体的な事例に関しては、ぜひ本書を拝読して頂きたいのですが、興味深く、刺激になった1センテンスを紹介します。
これは、自分自身への言い聞かせです。言葉に残さないと、行動に移せないので。
今、世界のメディア企業を見渡すと、マネタイズのモデルは次の8つでほぼ網羅されています。
- 広告 : ウェブサイトの主軸となる収益モデル
- 有料化課金 : コンテンツ閲覧に対する課金が中心
- イベント : セミナー(リアルとオンライン)を開催して収入を得る
- ゲーム : オンラインビンゴゲームやクロスワードパズルが実例。会員収入。
- 物販 : 「ほぼ日刊イトイ新聞」が代表例。ほぼ日手帳を販売。
- データ販売 : データをパッケージ化して各機関に販売。
- 教育 : 教育事業やダイエットを指導するクラブを運営。
- マーケティング支援 : マーケティングについて企業にコンサルするサービス。
本書8つの稼ぎ方:広告からダイエットまで P121より引用
現在のWEBメディアでは、1番目の広告と2番目の有料化課金がメインとのこと。
例えば、WEB記事広告と考えれば「ヨッピーさん」はその手の人には有名です(例:市長って本当にシムシティが上手いの? 千葉市長とガチンコ勝負してみた)。
面白おかしく記事を展開させて、いつの間にか宣伝させられている。これも前述の「ビジネス編集者」にあたると思います。
また有料化課金では、日経新聞が代表的。会員登録をすれば10記事まで無料で閲覧できて、それ以降は課金が必要な仕組みを取り入れています。半分無料、半分有料のような、ちょうど間を取った方法ですね。
2016年の現在を見渡してみると、また3~8は日本では普及していない気がします。あと2・3年後に状況は変わっていくのでしょうか。
スマートフォンの普及により、もう一回、さらにもう一回メディアの活き方やマネタイズが変化しそうな気がします。
あとがき
今後、このブログの情報発信のヒントになれればと、手に取った本です。
もともとは、「灯台もと暮らし」という暮らしをテーマにした情報メディアを運営している鳥井さんのおすすめ本でした。(今思えば1メディアを軸に、横の展開をおこなっていて、この本の通り…)
1つのメディアを通じて、どう派生していくのかがWEBメディアの生きる道であると考えられますね。
当ブログも1つの情報発信メディアとして捉えたとき、やはり展開の仕方次第では面白くなっていきそうです。