こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
最近はドローン事故・違反等のニュースを多く目にするようになってきました。
警察でのまとめた数値によると、航空法関連で書類送検等になったのは36件とのこと。そのほとんどは人口集中地区での無許可飛行です。
今回、人口集中地区ではない、目視外飛行による無許可飛行で書類送検されました。
初実例ですので(あんまり暗い話はしたくないですが)周知のためにブログにします。
茨城県で目視外飛行をした29歳男性が書類送検
2017年3月17日のニュースからです。
書類送検されたのは、鹿嶋市宮中の29歳の作業員の男性です。
警察によりますと、この男性は去年12月20日、男性の自宅のある住宅街で国の許可を得ずに小型の無人機「ドローン」を飛行させたとして、航空法違反の疑いがもたれています。
(中略)
警察によりますと、この男性はドローンを目視できない範囲まで飛ばし、その後、墜落させたということで、警察は17日、男性の書類を水戸地方検察庁土浦支部に送りました。
調べに対し、男性は「ドローンを買ったばかりで早く飛ばしたかった」と容疑を認めているということです。
NHKニュース「買ったばかりのドローンを目視できない範囲まで飛ばし、その後墜落させた29歳を無許可飛行の疑いで検挙・鹿嶋」より
さっくりと要約すると
- 「買ったばかりで早く飛ばしたかった」
- 無許可で目視外飛行をしたら墜落した
- 警察に調べられ、書類送検になった
飛行した場所は鹿嶋市の住宅地とのことですが、鹿嶋市のほぼ全域は人口集中地区ではない場所ですが、目視外飛行は違反行為です。
そこまでドローンの知識がない方が、いきなり目の見えないところまで遠くに飛行させ、なにかしらの影響で墜落する…。
このニュースを目にした時、「あ~、今後幾度も同様のケースは出てくるんだろうな」と思いました。
目視外飛行は、周辺の障害物がわからなくなり、また操縦者とドローンとの位置関係や距離感など慣れがない限り、衝突もしくは墜落する危険性が格段に上昇します。
買ったばかりの方が、そのような行為を行った場合、90%は衝突・事故になるかと思われるレベルですね。(海外のyoutubeのドローン操縦の真似をして勘違いしている方もいそうです)
そもそも目視外飛行とは?
目視外飛行ってなんなの?と初めて聞く方もいらっしゃるかと思いますので、簡単に説明すると。
通常は、ドローンは目視の範囲内で飛行させるのがルールになっています。つまり、
『目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること』
です。
しかし、この目視できない距離または環境によって、飛行させる場合には、国土交通省に技量やマニュアルなどを含めた申請をおこない、特別な条件下で飛行許可を受けられます。(※許可を受けるのは一般的に多くないため割愛します)
では、目視の範囲内というのは「どこまでなの?」というのは人それぞれです。
- 操縦者の視力
- 飛行時の環境
- ドローンの大きさ など
さまざまな要因があり、50mの場合もあれば300mの場合もあります。
あくまで操縦者が「見えない」と感じたときは、すでに目視外飛行と言えるのです。
詳しい話は、別記事をご参照いただければ。
日本では目視外飛行は違反行為
人口集中地区の無許可飛行に関しては、いくつもケースが出ているので認知度は上がっていますが、その他の「目視外飛行」や「人または物件から30m以内の飛行」等の違反飛行はまだまだ知られていません。
今回の「目視外飛行」で書類送検されたように、れっきとした違反行為です。厳しく、罰金刑+前科が付きます。
「クルマの路駐しちゃった」程度の感覚ではありません。軽率な行為は痛手を負います。
ドローンは法的にそれなりのリスクを背負っているもの、という認識は常に持つべきです。
あとがき
あんまり暗い話はしなくないのですが、こうした事件が増加すると、ドローンの規制が厳しくなって萎縮する可能性が高まるのは必然です。
それは残念すぎなので、正しい知識をより多くの方に認識してほしいと願うばかりです。