こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
ドローンは常にGPSを掴んでいるからこそ、安定的な飛行が実現できています。
そのGPSを利用して飛行制限を加えているのがDJIのドローン。
DJI独自に飛行禁止区域を設定し、ドローンを飛行させようとしても飛行ができなくなるシステムです。
今までは「どこに設定されているのか?」と分からなかったのですが、確認できるようになったようです。
そんな飛行禁止区域(No Fly Zone)にまつわる、未来の話も含めて説明します。
このページに書いてあること
DJIの飛行禁止区域(No Fly Zone)とは?
ドローンのシステム側で取り込まれているのが飛行禁止区域(No Fly Zone)というものです。
ざっくりと説明すると、ドローンが起動したときにGPSが飛行禁止区域にいるかどうかをチェック。もし飛行禁止区域にいると下記のような動きになります。
- モーターが回らない
- 自動降下が始まる(着陸する)
- 高度制限がある などなど
つまり「飛行できない」「強制的に自動着陸する」ということです。
これはGPSを切ったモードでも作動するので、ほとんど回避できないんですよね。
どこが飛行禁止区域・制限区域になっているのか?
DJI独自のシステムなので、国土交通省の人口集中地区MAPなどは一切関係ありません。
そこでDJIのWEBサイトで確認できます。
日本版では、マップの下にある「DJI GO飛行禁止エリア」のチェックをつけると、具体的にどこで作動するのかが分かります。
例えば羽田空港の場合には、黒い円形が飛行禁止エリア。この黒い円形の中では、モーターが作動しない等といった強い制限が入るわけです。
例えば、航空局および空港の許可を取得していたとしても、このDJIの飛行禁止エリアは作動します。許可云々は関係ないんですよね、独自システムなので。
おまけ:イラクではすごいことになっている
最近では、民生用ドローンを軍事利用する事件が多発しニュースにもなりました。
ISISがドローンを使い始めたのは今に始まったことではなく、偵察目的のほか爆薬を搭載したドローンをイラク治安部隊などの施設に飛ばしてその場で自爆させるといった使い方が主でした。
しかし最近では、ドローンに手榴弾サイズの爆弾を持たせて、相手の近くで投下する機構を備えたドローンが確認されるようになってきたとのこと。
某イスラム国では、小型ドローンに爆弾を積んで、直接的にピンポイントに攻撃。飛行距離も数kmいけますし、カメラを積んでいるので確実に攻撃できますし、なにより安価。
軍事武器を購入するよりも簡易的に武器化できちゃうのが民生用ドローンなのです。
そこで、このDJIの飛行禁止エリアが活躍するわけです。
DJIイラクの飛行禁止エリア
上記のマップはイラク国土です。
飛行禁止エリアがガッツリと設定されており、ほぼイラクではDJI製品のドローンは飛行不可の状態です。
強制的に飛行不可にする。なんともカッコイイです。
この飛行制御システムを利用する動きは始まっている!?
エリアの設定さえしてしまえば、日本でもあらゆる場所で飛行不可にできるのは、これまでの文章で分かりますよね。
ちょっと前のニュースですが、2018年に向けて自動飛行制限を機能化させる話がありました。
簡単に言うと…
- ドローンメーカーと国土交通省が共同開発する
- 機体番号とGPSを組み合わせて、許可のないドローンは規制内で飛行不可になる
- 許可を得た場合には、システム側で解除されて飛行可になる
- 2017年度に実証実験をおこない、2018年度に導入を予定している
つまり、許可のないドローンは、人口集中地区や夜間飛行などドローン規制の敷かれた中で飛行できない仕組みになるとのこと。
これなら警察に捕まる恐れが劇的に減少すると言えます。
ほぼシステム側で制御可能になっているので、あとは人口集中地区などのエリア設定および許可を受けた場合の承認作業だけでしょうか。
続報は届いていないのでどこまで動いているか分かりませんが、事件・事故が増えてきた場合には速やかに導入されそうな予感がします。
【2020年追記】DJIが新しいシステム導入のため、新規に記事を作成しました
DJIドローンの「空港周辺」飛行制限・飛行禁止エリアについて、新しい記事をつくりました。
各ゾーンでの飛行制限等を掲載しています。
あとがき
日本では、空港・ヘリポートおよび国家の重要施設が飛行禁止区域(No Fly Zone)として設定されています。
よほどのことがない限り、このエリアで飛行するとは思えませんが…。
この機能を使ってどんな未来になるのかはDJIさん次第ですね。