どのような人がドローン操縦に向いている?必要な5つの能力とは?

どのような人がドローン操縦に向いている?必要な5つの能力とは?

こんにちは、ドローンパイロットの早川です。

たま~にクライアントから聞かれる質問があります。

それが「どんな人がドローン操縦に向いているの?」という質問です。この回答はなかなか難しくて、言語化できずにいました。

つい先日、海外クライアントが訪日してドローン撮影の依頼があったときのこと。

「そうそう!その動き方でノープロブレム!エクセレントだよ!」と海外ディレクターの方が喜びながら、続けて「ユーはゲーマーだった?」と聞かれました。

このときに「まったくゲーマーではないですが、少し要素はあるかもなぁ~」と思いつつ、ドローンの操縦に何が必要なのかが、ふんわりとヒントが見えてきた瞬間でした。

ドローンの操縦だけに焦点を当てて考えてみると必要な能力は5つだと思います。

今回のブログ記事では…

  • ドローン操縦に必要な能力
  • 操縦能力を高める方法

を紹介します。

ドローンの操縦に必要な5つの能力

ドローンを操縦する。

大多数の方は「まだやったことがない」と思います。操縦したことがないため、どのような能力が必要なのか、どのような感覚が求められるのか、想像がつかないのは当たり前です。

だからこそ、まったく悪いことではないのですが「ドローンって簡単なんですか?」という質問は跡を絶ちません。

私が数多くの実務経験を積んできました。

突き詰めて考えてみると、ドローンを操縦する上で必要だと思う能力は…

  • 想像力
  • 操縦力
  • 空間認識力
  • 視力
  • 理解力

上記の5つです。

ただ単純にドローンを趣味で飛行させる場合には、このすべてを長ける必要はありません。全部をレベルアップさせるのは大変ですからね。

しかし業務としておこなう場合には、この5つは最低限に必要な能力だと感じています。これができないと結構しんどいと思います。

もうひとつ。

冒頭に書いた「ユーはゲーマーだった?」という、ゲーマーという要素は確かに理にかなっていて、上記の5つの能力では「操縦力」に該当しますね。

ゲーマーだとしても操縦力以外の能力が必要になってくるため、決してゲーマーが有利というわけではありません。

人それぞれになりますが、ドローン操縦に向き・不向きというのは初期の段階で5つの能力のうちで、どのくらい有しているかだと思います。

というわけで、ドローンの操縦に必要な5つ能力について順番に説明していきます。

(1)想像力

どうしても、ふんわりとした言葉になってしまいますが、「想像力」というのが必要不可欠だと感じています。

撮影現場でよくある話なのですが、映像制作の監督が「ドローンでどのような画が撮れるか、想像がつかないんだよね」と正直にお伝えいただくことがあります。

監督が言っているのは…

  • ドローンが実際に飛んでみて、画を確認しないと分からない
  • アングルとして果たして意図する効果的な画なのかも分からない

ざっくりと上の2点です。

初めてドローンを操縦する方も同様に感じるはずです。理由は簡単で、今まで見たことがないから想像ができないためです。

どうなるのか…という想像力は、ドローン操縦にとって「操縦者が真っ先に獲得しなければならない力」です。

つまり、

  • どこをどう飛行するのか(飛行ルート選定)
  • その飛行ルートでどういう画になるのか(映像制作)
  • どの立ち位置で安全に操縦できるのか(リスク管理)

などを飛行する前に想像できたほうが、操縦自体がスムーズになるからです。

自分自身の力量を踏まえた上で、最適に操縦して、なおかつ事故が起きないようリスクを見計らって、狙い通りの画を撮る

この想像力が少ない場合には、どうなるかというと

  • 一定範囲の中での操縦に収まってしまう
  • 時間がかかってしまいバッテリーを無駄使いしてしまう
  • アンテナや高圧電線などの障害物にぶつけてしまう

といった、そもそものドローン操縦の枠が小さくなってしまう恐れがあります。

この想像力を養うのは、裏技的な話は一切なく、場数になってしまうのかなぁと感じています。

とあるクライアントから言われた言葉は印象的でした。

「早川さんは、この現場に来た瞬間に”こういう画が撮れて、ここから撮ると効果的だ”というのが想像できてますよね?僕らは現場に立っているけど、空からの目線は想像できないんですよ」

確かに現場に来たら「こういう画が撮れるんだろうな」というドローンからの目線を、頭の中で想像できるようになっています。ドローンを飛行しなくても、俯瞰した画をイメージできますね。

この想像力というのが下準備となっていて、その上でドローン操縦をする

事前に頭の中でイメージしながらドローンを操縦しているのと、イメージできていないままドローンを操縦するのとでは、まったく大きな違いです。

ドローン操縦する上で、飛行や安全という点でも、やっぱり必要不可欠だと思います。

(2)操縦力

この操縦力というのは、わかりやすい言葉ですね。もうそのままです。

  • 自分の意とする動きができるか
  • センチ単位の細かな動きができるか
  • カクっとせずになめらかな動きができるか

ざっくりと上の3つでしょうか。

自分自身の頭の中で動かしたい方向を、そのまま指先に伝えて、ドローンを操縦する。

あたり前のことなのですが、思ったとおりにドローンを動かさないと、ドローンをコントロール=操縦しているとは言えませんね

例えて言うのでしたら、自転車に乗っている感覚だと思います。何も考えずに、自転車を倒れることなくバランスを取りながら進んでいますよね。

何も考えずにコントロールできるているのが操縦力の1つ目です。

さらにもう一歩、進めた話になると、指先の細かな動きが必要になってきます。ドローンを数センチ単位で動かしていくには、わずかな指先の動きがキモになります。手先の器用さもプラスになりますね。

私の場合は、アングルを調整するためにごく僅かなリモコン操作をしたり、ドローンを直線に進めても風に流されている場合はリモコン操作で微妙に補正をしていたりします。

また、ドローンの映像によくありがちな「カクっとした動き」はどう考えても美しくありません。完全に操縦者のミスです。

なめらかな動きこそが操縦力が高いと言えます。

操縦力を高めるためには、トイドローンでの特訓だと思いますね。以前、DJI直属スタッフのパイロットの方が「トイドローンで黙々と練習しています」とお話していました。

この話は、私もまったくの同感をしていて、高度維持機能が付いていないトイドローンがあるので部屋の中で日々練習してます。

(3)空間認識力

慣れない言葉かもしれませんが、ドローンを切っても切り離せないのが空間認識力です。

そもそも空間認識力とは…

物体の位置・方向・姿勢・大きさ・形状・間隔など、物体が三次元空間に占めている状態や関係を、すばやく正確に把握、認識する能力のこと。(中略)

球技等で狙った場所にボールを当てることや、飛んでくるボールを掴むこと、もしくは2次元に描写された地図を見て、その地形の構造を把握する能力、これが空間認識能力に当たる。

ウィキペディア「空間認識能力」より

ドローンは広大な三次元の空間を飛行します。

自分自身の立ち位置から徐々にドローンが離れていくのですが、その際に視覚的には…

  • ドローンが小さく見えていく
  • ドローンと他物体との距離感がつかめなくなる
  • ドローンの位置関係が分かりづらくなる

といった現象がおこなります。

まさに上記引用のウィキペディアに記載のある通り「物体が三次元空間に占めている状態や関係を、すばやく正確に把握、認識する能力」が必要になるわけです。

もし仮に空間認識力が高くない場合に起こり得るのは「事故」です。

ドローンを飛行させている間に、周辺の障害物との距離感や位置関係が把握しきれていないと、ほぼ高い確率で衝突やロストを引き起こします。

例えば、周辺になにもない海辺なら問題ありません。数百メートル行ったとしても、そこには何もないのですから。

しかし街中でドローンを飛行させようとすると、電線や電柱、高圧電線、アンテナ、木々、建物など様々な障害物が空間の中に存在します。当然ながら、事故リスクは数十倍まで上がります。

空間認識力は、いわば、空間の中でどのくらいコントロールができるのかに直結します。

この空間認識力が高ければ高いほど、その空間の中でドローンを動かすエリアは広くなりますし、逆に空間認識力が乏しい場合には、リスク回避のため限りあるエリアの中でドローンを飛行せざるを得ません。

この空間認識力を高めるためには、ウィキペディアにも記載がありますが…

三次元空間に存在する自分と自分に相対する物品の中で過ごすことにより空間認識能力は高められる。

ウィキペディア「空間認識能力」より

自分自身(操縦者)とドローンとの位置関係を把握するために、飛行訓練が一番です。障害物を目の前にして「ドローンはいまどこにいるのか」を肌感覚で掴んでいく

苦行かもしれませんが、飛行訓練でトライ・アンド・エラーを繰り返しながら経験でしか空間認識力を高めるすべはないと思います。

(4)視力

一般の方には「ん?」と思ってしまうかもしれません。

ドローン操縦には視力は大切です。少なくとも1.0以上はあったほうが…と思うくらい、操縦に大きな影響を及ぼします。

ドローンは法律的に、目視外飛行を禁止しています。

  • ドローンが見えない場所まで行ってしまう
  • モニターを常時見てしまう

そのようなドローンを見ていない状況(=目視外)が違法行為とされています。つまり、双眼鏡などを使わず、自分自身の目視でドローンを見ていなければなりません

ここでピンとくる方がいるかもしれませんが、視力によって操縦者が飛行できる距離が大きく異なります。

視力の良い人ならドローンが遠くに行っても目視できます。ここでは例えば300mとしましょう。逆に視力が良くない人で0.3だとすると、ドローンが見えるのは50mくらいでしょうか。

ドローンを飛行できる距離が変わることによって、当然ながら操縦できるエリアに違いが出ますよね。この場合、圧倒的に視力が良い人が有利になるわけです。

もう視力を改善するには、レーシックしかありません(笑。

(5)理解力

最後は理解力です。

この理解は何を指すかというと「ドローンの特性」および「ドローンに係る法律」です。

前者の特性については格別重要ではないので割愛しますが、法律の理解は操縦者が犯罪者にならないために理解は必要です。

ドローンには航空法のほかにも、小型無人機等飛行禁止法、電波法、民法、市区町村の条例などの各法令に大きく関わっています。

特に航空法はメインであって遵守しなければ、前科のつく罰金刑に処されます。過去に何人も書類送検されていますので、軽い気持ちでドローンを操縦させると、とんでもないことになる可能性があります。

ドローンを操縦する上で、まずは航空法を熟知しなければならないのですが、これが普段法律に触れていない人からすると「理解するのが困難」かもしれません。

  • 何が書いてあるのか分からない
  • この言葉の意味が分からない
  • どこまで良くて、どこまでダメなのか分からない

「分からない」で理解が進まないまま「飛ばしてしまえ」となってしまうのは、場合によっては法律に触れてしまうため残念すぎです。

どんなに分からないことがあったとしても、理解しなければなりません。世の中にはルールが存在しているからこそ、成り立っている側面があります。

一つひとつの文言を熟読して、分からなければ調べて、それでも分からなければ国土交通省航空局に電話をして…。

ドローンを操縦する前に必要なのが、この理解力です。これなくしてドローンは飛行できませんから。

5つの能力のほかに、クライアントワークをするなら…

ここまでは操縦という視点から5つの能力を紹介してきました。

さらに踏み込んで、ドローン操縦を業務としてクライアントワークをするなら、5つの他にも多数の能力が必要になってきます。(操縦だけでは仕事になりませんからね)

クライアントワークで肝になってくるのはディレクション能力です。段取り、調整、コミュニケーション、スケジュール、問題解決など。ドローンという新し目な業種では、特に欠かせません。

もしディレクション力がないと完全に受け身になり、あらゆることで苦しむはずです。

このあたりは深掘りせず、ふんわりですが、ドローンを飛行させる操縦力だけではクライアントワークは難しいです。(ドローン以外のすべての業種にも言えることですが…)

5つの能力を高める方法

すでに各セクションで話してしまっていますが、5つの能力を高める方法を紹介します。

「視力」に関しては、もうレーシックしか方法はないと思っているので「視力」は割愛して…その他の4つについてです。

ぶっちゃけていうと、経験を積むしかありません

どんなに操縦方法のテキストを読んだとしても、自分自身が操縦していない限り、まったく身につきませんし、身体が覚えてくれません。操縦している感覚も身につきません。

まずはドローン関係の本を買って読んでみたり、トイドローン(高度維持機能なし)を部屋の中で飛行させたり、そこから一つずつ経験を積み上げていくのがベターだと思います。

多少のお金があるのでしたらドローンスクールという塾で習うのも1つの方法です。ただし、スクールに行ったとしても、操縦レベルは一定レベルまでです。

ドローン操縦で厳しい環境のなかで飛行させていく経験、それと同時に安全に操縦できる経験を積むのがベターです。(語弊があるかもしれませんが、離島で車の免許を取った初心者が、いきなり首都高をスムーズに走れるかと言ったら難しいですよね)

私が経験してきた中で、ひとつの区切りと言えるのは飛行時間30時間です。

訓練としての30時間を飛行していると、そこでやっと平均的な操縦能力が身につきます。これは想像力や空間認識力、理解力といった能力です。

ドローンを操作する上での指先の感覚や、安全管理、法律の理解などが徐々に吸収できている時期だと思います。

こういう時間単位で言ってしまうと、勘違いする人が少なからずいるので注釈しますね。ホバーリングだけで30時間、海辺と言った障害物のない場所での30時間というのは、ただの時間稼ぎであって愚行です。

操縦するための能力を高める。そのための30時間です。

ドローンスクールという塾に通ったとしても飛行時間は10時間くらいです。それ以外に、自分自身で20時間を訓練すれば、きっと経験値は高くなるはず。

繰り返しになりますが、ドローン操縦では経験を積むことが、自身の能力を高める最短距離です。

ドローン操縦が向いている人は

ドローンの操縦では5つの能力が必要だと書いてきました。

最後に「ドローン操縦に向いている人」はどのような人なのでしょうか?

私が思うのは「センス」「努力」です。

ドローン操縦のセンス

「センスが良いよね」の言葉は曖昧すぎますよね。なんなんだ、センスとは(笑。

きっと上記のある5つの能力のうち、最初から「操縦力が高い」というのが俗に言うセンスが良いという話だと思います。

多少なりとも「上手くできている」だけであって、根本的にはドローン操縦する上では、すべてのひとはゼロベースと考えてもいいかもです。

成長スピードが早いという点でセンスは有効ですね。

ちなみにだいぶ昔にセンスをわかりやすく、車の運転に例えていました。

⇒参考記事:ドローン操縦に必要な”センス”。これに近しいのは自動車の運転かも。

ドローン操縦の努力

能力を高める方法として「経験」と記載しました。

経験を積んでいくためには、あらゆる努力が必要です。簡単に手に入るものではありませんし、時間がかかりますし、裏技なんてありません。

自分自身がどれだけ強い意識をもって経験を積んでいくかによって、一つひとつの吸収力も大きな違いが生まれます。

「ドローンの操縦で◯◯をしたい」「◯◯を撮ってみたい」そのような目標を持っていると、より努力のしがいがあるので目標を持つことをオススメします。でなければ、心が折れてしまって「経験」が手に入らないので。

センスも必要になる場合もありますが、大抵は努力でカバーできます

ドローン操縦に向いている人は、時間がかかっても努力できる人だと私は思っています。

あとがき

「どんな人がドローン操縦に向いているの?」という質問には、想像力や操縦力・理解力などが必要になってくるので経験を積むために努力できる人です、と回答できますね。いや~、言語化できてよかったです。

蛇足ですが冒頭にある「ユーはゲーマー?」には、本当は「いやいや、ゲーマーではまったく足らないですよ。経験とか努力とかが必要ですよ」と英語で言いたかったのですが、語学力がなくて言えなかったのは内緒です。

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