こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。
「DJI Phantom5(ファントム5)はいつ発売されるのかな?」
そう待ち望んでいるユーザーは多いかと思います。しかし、このブログ記事を書いている2019年2月現在、「Phantom5」の噂は出てきません。
かつてはDJI社の主力製品として謳歌していたPhantomシリーズ。このまま終焉してしまうのでしょうか?
今回は…
- DJI社の新製品が登場するまでのスパン
- Phantom5に搭載されるであろう機能
- DJI社の販売戦略の傾向
を紹介します。
個人的には「Phantom5」は出ないような気がしてきました。今現在の主力製品は「Mavicシリーズ」ですから…。
※2020年4月の新発売は「Mavic Air 2」っぽいです
このページに書いてあること
DJI社ドローンの新製品発売時期から考える
ここ数年のうちにDJIは数多くのドローンを発売してきました。特にシリーズとして「Phantom」「Inspire」「Mavic」「Spark」といったドローンを数多く製品化。
そこで考えたのが「やっぱり製品開発って期間が必要だよね」ということ。過去のDJIドローンの新製品の販売時期を調べられる限りで並べてみます。
以下、販売時期と商品名です。
- 2015年05月:Phantom 3 Professional
- 2015年05月:Phantom 3 Advanced
- 2015年08月:Phantom 3 Standard
- 2016年04月:Phantom 4
- 2016年10月:Mavic Pro
- 2016年11月:Phantom 4 Pro
- 2016年12月:Inspire 2
- 2017年04月:Phantom 4 Advanced
- 2017年06月:Spark
- 2017年10月:Phantom 4 Pro Obsidian(ブラックバージョン)
- 2018年01月:Mavic Air
- 2018年05月:Phantom 4 Pro V2.0
- 2018年08月:Mavic 2 Pro
- 2018年08月:Mavic 2 Zoom
- 2018年11月:Mavic 2 Enterprise
こうやって並べてみるとPhantomとMavicの勢力図が分かりますね(笑。
まずはPhantomシリーズのメジャーアップデートがどのくらいのスパンなのかを上記から抜き取ってみましょう。
2015年05月 Phantom 3 Professional →(11ヶ月後)→ 2016年4月:Phantom 4 → (2年11ヶ月後) → NOW!!
Phantom 4 が発表されてから、マイナーバージョンアップはあったものの、もう3年近く経過しています。
その3年の間でおこなったことは「カラーがブラックバージョンが増えた」「プロペラ形状を変えて飛行音が軽減した」くらいです。進化はしていると思いますが、いやはや「Phantom5はどうなるんだよ!?」と思いたくなりますね。
かたやMavicシリーズの進化は凄まじいです。
2016年10月Mavic Pro →(1年3ヶ月後)→ 2018年01月Mavic Air → (7ヶ月後) →2018年08月Mavic 2 Pro
ほぼ1年前後でメジャーアップデートしています(まぁあAirを入れるか悩みましたが、形状が別物なので進化といえますね)
2018年はMavicシリーズのドローンが多数販売されて、もう勢力図は完全にMavicです。
とは言っても、Phantom4が登場してもう3年。「そろそろ…」と期待する人は少なからずいると思います。
Phantom4シリーズの在庫がほぼ無い状態が続いている
「Phantom4シリーズってまだ売っているんでしょ?」と思われがちですが、いやいや、もうほぼ在庫がありません。
超オフィシャルストアであるDJIストアのPhantomシリーズは…
- Phantom 4 Pro V2.0 ・・・ 在庫なし
- Phantom 4 Advanced ・・・ 在庫なし
今年に入るくらいから、ずっと「在庫なし」です。もう公式サイトから手に入れることができません!
これは日本だけではなく、海外も同様のようです。アメリカ版DJIストアでも「Out of stock」が続いています。外国人が「ずっと在庫ネーヨ」とTwitterで嘆いていたのも見ました。
Phantom5の海外のリーク情報はあるのか?
Spark も Mavic 2 も新商品発表の前に、リーク情報が流れていました。当ブログでも少しだけ紹介してましたね。
ドローンのモックアップが写真で出ていたり、発表前なのにパンフレットに新機能や価格が掲載されていたり。
どこかしらで新商品の情報は漏れてしまっています。「では、Phantom5は??」と期待しますよね。
残念です。まったくリーク情報は流れていません。つまり、ここ数ヶ月でPhantom5が販売される可能性はかなり低いと思われます。
※もしかしたらDJI社が完璧な情報漏えい対策をしているからリーク情報がないのかもしれません
Phantom5に期待したい新機能は?
Phantom5が出るのか出ないのか、それだけを語っていたら夢がありません。
さて、勝手な推測なのですがPhantom5に期待したい新機能を書いてみます。いつもの流れでは「機能の流用」がメインになるかと思ってます。
※何度も書きますが、勝手な憶測ですよ。本気に受け取らないでくださいね。
推測01 : カメラのズーム機能
これは撮影者としては、かねてから望まれているでしょう。ズームしたいときってありますからね。
すでに「Mavic 2 Zoom」で光学2倍ズームが存在しているため、新しいPhantomでもズームになることは間違いないと考えています。
推測02 : 上位方向の赤外線センサー
Phantom4 Pro では前方・後方・左右に障害物感知センサーがついていました。
そこで、Phantom5は上部(機体の上面)にもセンサーがつくと、ほぼ全方位をカバーできるようになります。
ちなみに「INSPIRE 2」では、上部に赤外線センサーがついており、上空5mまで検知して安全性を保っています。
推測03:画像センサーサイズの向上
MavicやINSPIREの寄せ集めな機能では、あんまり魅力が出ないですよね。「同じ機能がついているなら、機体が小さくて持ち運べるMavicを買うわー」てなります。
せっかくMavicよりも機体が大きいので、カメラはワンランク上でないとPhantomシリーズの存在感が出ません。
Phantom4 Pro ではセンサーサイズ1インチでしたが、もう一声、フォーサーズ(4/3型)いけたらいいですね。
推測04 : 飛行時間の向上
ドローンにとって飛行時間は、まさに最重要課題です。
Phantom3では最大飛行時間が約20分、Phantom4では最大飛行時間が約30分。Phantom4の発売から早3年。バッテリーも進化している…はずです。
20分→30分と向上してきたのですから、Phantom5では最大飛行時間約40分に期待したいです(笑。
推測05 : プロペラ位置の向上
分かる人向けの話になってしまいますが、モーターの位置をもっと高くしてプロペラの映り込みを軽減できたら嬉しいですね。
Phantom3からPhantom4になったときには、「モーターの位置を高くしました」と改善してくれました。Phantom5では、もう10cmくらい上に持っていってほしいです。
多少なりとも進化したいPhantom5
機体の形状はPhantomシリーズのため、大きくは変わらないはずです。
上記のような、センサーの追加やカメラの向上などが、今までの流れでいうとメインになりそうな気がします。
とは言っても、画期的な新機能が無い限り、Mavicに見劣りしてしまいますね…。
DJI社の販売戦略を勝手に考察すると
最近のDJI社の流れから「どこを重点を置くのか」「何を売っていくのか」というのを考察したのちに、「では、Phantomシリーズの存在価値は?」を導いてみます。
そもそも企業だから「売れる商品」が前提にある
DJI社は結局は企業組織ですので利益を求めるのは当然です。ドローンという商品を全世界に販売して、利益を上げなければなりません。
逆を言うと、利益にならない商品は排除するのは必然です。
INSPIREシリーズ、Mavicシリーズ、Phantomシリーズなど多種のドローンが存在します。
それぞれのポジションを考えた上で、取捨選択を迫られることも、きっとあると思います。
小さいドローンにチカラを注いできた
だいぶ昔なのですが、2016年6月にドローン・クリエイティブセミナーに参加したときの話です。
このとき、DJI日本法人の代表である呉韜(ごとう)さんが「ドローンをもっと小型化していく」とおっしゃっていました。「どのようなモノでも小型化すると便利になる。ドローンも小型化が主軸になる」そのような言い回しだった気がします。
Phantom全盛期だったのですが、この4ヶ月後に折りたたみドローンの「Mavic Pro」を発表。さらに手のひらサイズの「Spark」や「Mavic air」を投入していきました。
あのときに話していた「小型化していく」というのは、今振り返ってみればDJI社の方針だったと言えます。
では、Phantomシリーズの開発は…?と。
市場にドローンを投入するなら、ユーザー層の厚いところを攻めていく
前述の通り、ドローンは売れてなんぼです。それなら、買ってくれるユーザー層が多いところを狙っていくのは必然です。
空撮業者というのは、実際には米粒みたいに数少ないです。その業者相手に商品を作ったとしても儲けは見込めません。
それなら「サラリーマンで、ちょっとした趣味でドローンを飛ばしてみたい」というほうが、圧倒的に市場規模が大きいですね。
「小さくて持ち運びが便利」「10万~15万円でギリギリ届く価格設定」そのニーズに沿ったのが、Mavicシリーズです。実際に手にとって見るとホビー用途なら「これで充分じゃないのかな」と私も思ってしまいますしね。
買ってもらえる層に商品を投入する。それがMavicの役割であり、充分に担っています。
Phantomシリーズのポジションが微妙である
ホビー用途では「Spark」や「Mavicシリーズ」が最適です。サイズ感も値ごろ感も。
もし本格的な空撮を業者としておこなうのなら「INSPIREシリーズ」「Matrisシリーズ」でしょう。カメラ的にも。
そして、テレビ番組で「すこーしだけ、数秒間の空撮の画を入れたい」と思うのなら、ハッセルブラッド社製カメラを積んだ「Mavic 2 Pro」で充分だと思っています。
もちろんいろんな用途があると思うのですが、どうも最近の「Mavic 2 Pro」が、Phantomシリーズのポジションを奪っていった感が否めません。
そもそもPhantomシリーズは、図体がでかいので持ち運びに不便だから、小型化されたドローンと比べると見劣りしてしまいます。
もちろん良い点もありますよ。重量があるため風にはやや強いですし、Mavic と比べても飛行時の安定感があります。
ただそれだけでは、やはり得てして「Phantomを買うぞ!」とはならないですね、一般の方には特に…。
民生ドローンに対しての法律面が大きく立ちはだかる
ドローンが増えすぎたんですよね、きっと。
2015年あたりはドローンに対しての風当たりは悪くありませんでした。しかし世界でも事件・事故が増加して、法律での規制が敷かれるようになりました。
「法律に大きく関わる商品を販売する」というのは、やっぱり大変です。ドローンを買った人が「もしかしたら違反で捕まってしまうかも」と思いながら、ドローンを飛ばすのは精神的に良くありません。
それなら「法律に関わらない商品を販売する」ほうが、購入するユーザー数は多いためDJI社は儲けやすいです。
ここ最近、ゴリ押ししている「Osmo Pocket」は、地上で手で持って動画撮影できるカメラ。ドローンではない別路線を見出す商品だと言えそうです。
Phantomシリーズはどこに行ってしまうのか…
たぶんですが、Phantomシリーズ推しな人たちは、Phantom3~4をメインで使っていた方だけだと思います。(このブログ記事を見に来た人もPhantomユーザーだけかも…)
その他の大多数は「Mavicでいいじゃないの!」というMavic推しの人たち。
そうPhantomシリーズを待ち望んでいる人たちは、全体から考えるともう少ないかもしれません。
起こり得るシナリオは3つです。
- 何事もなくPhantomシリーズが発売されていく
- Phantom5まででシリーズ終了
- もうPhantomシリーズは販売されず、ユーザーはMavicもしくはINSPIREに流れる
現時点で可能性が高いのは、2と3ですね。
往年のPhantomシリーズ、どこへ行ってしまうのか。2019年にPhantom5が出るか、出ないのかが大きな分かれ道かもしれません。
追記2019年3月:2019年の半ばにPhantom5が出そうです
そんな「Phantomって終わりそう」という話から一変、リーク情報が出てきました。
aerofly drones「DJI Phantom 5 Rumors: What Features Will It Include?」より
- レンズ交換(15mm、24mm、35mm、50mm)?
- 防水機能?
- 静音設計?
- 飛行時間35分~38分?
これは興奮です!
写真を見る限り、ローター(モーター)の位置もバカ高いですね(笑。
時期は「2019年5月」にプレスリリースするんじゃないのか!と噂になっています。
MavicよりもPhantom推しユーザーのため、これは発売したら即買いです。フル装備で買います。
追記2019年5月:プレスリリース予定?
ついに予告ページが出てきました。
・・・が、「DJI Osmo action camera」というアクションカメラの発売のようです。(日本時間2019年5月15日(水)22:00)
「UNLREASH YOUR OTHER SIDE (新たな自分を、解き放て)」がキーワードですね。水の中をイメージする背景は、防水のアクションカメラを意味しそうです。Go pro HERO7 の対抗馬でしょうか。
Phantom5ではなくて残念です。まぁあドローンの新発売なら、LIVE発表をするはずで、今回はウェブページでの発表なのでPhantomではなかったですね。
追記2019年6月:プレスリリース予定?
またもや予告ページが登場しました。
…が、これはPhantomではないようです。
レーシングドローンと言われていたり、カーラジコン的な新商品とも言われていたりしますね。
「LEARN TO WIN(知力で、打ち勝て)」というキーワードなので、ドローンとは違う方向性の商品と考えるのが妥当です。
DJIとしてはドローンよりも、新しいジャンル開拓に力を注いでいるのかもしれません。
追記2019年8月:プレスリリース予定?
またもや予告ページが登場しました。
2019年8月13日発表とのことですが、これは「Osmo Mobile 3」である可能性が高いです。
予告映像を見てもドローンらしき雰囲気は一切なく、「Osmo Mobile」のようなイラストやスマートフォンが出てくるあたり、「Osmo Mobile 3」と噂されています。
またDJIではミラーレスカメラを開発しているという噂もあるため、いずれ発表するかもしれません。
DJIの脱ドローン化は加速していますね…。
追記2020年4月28日:プレスリリース予定?
「飛躍せよ、まだ見ぬ世界へ」
「Up Your Game」
とティザーサイトが出てきましたが、こちらも兼ねてから噂のあった「Mavic Air 2」っぽいです。
「Up Your Game」と書いてあるとおり、小さいドローンで趣味用途に感じられますね。
あとがき
個人的にはPhantom5が発売されることになったら、真っ先に注文ボタンをポチッと押します。
Mavicの全シリーズもSparkもINSPIREなどほとんど操縦したことがあるのですが、なんだかんだ言って、一番しっくりきたのは「Phantom 4」です。
とにかくバランスがいいです。すべてが良いというわけではありませんが、飛行能力も小回りの良さも飛行時間もバランスがいい。
クルマで例えるのならアクアみたいなイメージです。軽自動車の軽さはないですし、SUVのような重たすぎる感じもありません。ちょうどいいサイズで、ちょうどいい飛行能力、ちょうどいいカメラサイズ。
何度も言いますがバランスがいいんですよ、Phantomシリーズって。