花火大会でのドローン飛行は危険過ぎ!高確率で捕まる理由とは?

花火大会でのドローン飛行は危険過ぎ!高確率で捕まる理由とは?

こんにちは、株式会社ドローンエンタープライズ 代表の早川(@hayakawa_drone)です。

梅雨明けと同時に、花火大会のシーズンになってきましたね。

ワイワイと盛り上がって楽しい花火大会ですが、そこに浮かれて「ドローンで花火を撮りたい」と思っちゃっていませんか?

これはガチ忠告!遊び半分でドローンを飛ばして捕まる理由を説明します。

いやはや、実際に今年(2016年)にすでに捕まっていますからね。

花火大会でドローンを飛ばして捕まった事例

いきなりですが、捕まった事例を紹介します。

概略を説明すると、2016年の足立花火大会でドローンを飛ばした30歳代の人が、警察に捕まっているとのこと。

東京都の荒川河川敷で23日に行われた花火大会「足立の花火」の会場付近で、小型無人機「ドローン」を無許可で飛行させたとして、警視庁西新井署が、30歳代の男から航空法違反容疑で事情を聞いていることがわかった。

男は「花火の写真を撮りたかった」と話しているという。

同署幹部によると、男は23日夜、国の許可を受けずに、足立区内の花火会場近くの上空でドローンを飛ばした疑いがもたれている。巡回中の警察官がドローンを発見した。

引用:読売オンライン

これは危険すぎて、もうヤバイくらいです。

後述しますが、あらゆることに違反しているので、高額罰金(罰金刑による前科)も免れないと思われます。

業者ではなく、趣味でドローンを持っている方が、いかに危険でいかに高額罰金になるのかを説明します。

ものすごく分かりやすいように、花火大会でドローンを飛ばした疑いのある30歳男性が何が悪かったのかを列挙します。

航空法違反(ドローンに係る法律)

200g以上の重量を持つドローンは、航空法の対象となっています。一般的にメジャーなPhantomシリーズも対象ですね。

その航空法は法律として、きちんと成立しています。「知らなかった」は全く通用しないので、必ず熟読および理解しないと痛い目を見ますよ。

いくつか条件があるのですが、今回は前述の花火大会で該当するであろう項目とともに説明します。

理由1:人口集中地区の対象地

足立区の花火大会会場は、人口集中地区です。

簡単に言うと「住宅地がたくさんあって危険だから、ドローンの飛行は禁止」という場所です。東京23区内は、99%対象となっているので、ドローンの飛行NGです。

⇒参考:ドローン飛行に!簡単な「人口集中地区」の調べ方。

この人口集中地区でドローン飛行するためには、国土交通省への申請・許可が必要不可欠です。

「それだったら、申請すればドローンOKなんでしょ?」と思ったら大間違いです。

国土交通省へのフライト実績やフライトルール、整備マニュアルなど様々な書類作成が必要で、その上で審査になります。

一般的な業界の話ですが、「趣味でドローンを飛行する人が国土交通省に許可申請をするのではなく、ドローン関連業者が許可申請するシロモノである」ので、生半可なものではないという理解して頂くと早いです。

理由2:催し物(イベント)のドローン飛行

足立花火大会で、さらに航空法違反になるのが、催し物(イベント)でのドローン飛行です。

不特定多数の人が集まる催し物(イベント)では、ドローン飛行は禁止されています。それは当然ですね、ドローンが落下して他人に怪我をさせる理由が極端に高くなるからです。

実は、これも国土交通省に「催し物(イベント)でドローン飛行します」という許可申請を出して、承認されればドローン飛行可能です。

この催し物での許可を頂いたことがあるのですが、飛行エリアや監視員の配置など事細かな書類および当日の飛行体制など念入りに構築しなければなりません。

もし仮に、催し物の飛行許可を取得したとしても、不特定多数の人数が集まる花火大会で、見物客の制御やコントロールをしないといけません。独自に警備員を雇わないといけないレベルで、非現実的です。

理由3:夜間のドローン飛行

航空法では、夜間飛行も禁止しています。具体的に、日没後からの飛行です。

花火大会となると、当然日没でないとキレイに撮影はできません。となると、足立花火大会の人は、この法律にも違反したことになります。

ちなみにですが、国土交通省に申請・許可をいただければ、夜間飛行も可能になります。

しかし、ここまでの流れで分かるように、昼間のうちに事前準備をしたり、ドローン飛行するにあたって飛行プランも作成する必要があります。

理由4:人または物件に30m以内のドローン飛行

第三者や他人所有の物件に、30m以内にドローンが入るのも禁止しています。もちろん飛行した場合には、違反になります。

この物件というのも、幅広い定義があるのですが、今回の花火大会の話となると、電柱や電線などが張り巡らされていたり、第三者と30m以上離れた離発着は不可能だったり、想像するに違反な飛行だったと思われます。

もし花火大会会場が自宅の近くだとしても、そこら中に電柱・電線があるため、飛行すると違反です。

⇒参考:「人又は物件との間に30m以上の距離」をもっと詳しくすると何なのか?

ちなみに、だいたいのドローン飛行は、この禁止事項に引っかかるので要注意です。

理由5:大原則である第三者の上空のドローン飛行

あんまり認知されていないのですが、第三者の上空でドローンを飛行するのは禁止されています。

⇒参考:ドローンの直下に人がいる(人の頭上にドローン)状況で飛行できるのか?

花火大会で飛ばそうものなら、そこら中に隙間なく第三者がいるのは容易に想像ができます。

どう考えても、ドローンは飛行できない状況下ですよね。

イベント主催者の許可

ここまではドローン関連の法律違反でしたが、次は、イベント主催者の許可です。

花火大会にしろ、何かしらのイベントには必ず主催者の許可が必要です。「ドローンで飛行させて下さい」というものですね。

これに関しては違反性の確証は取れませんが、少なくとも不許可の場合には厳しい目で見られるはずです。

一般人がイベント主催者から許可をもらうのは当然大変難しく、前述の国土交通省の許可を頂いたとしても、ここで躓くと思われます。

さらに言えば、大勢導入されている警備員や警察官に見つかる可能性も高いです。

かれらの目的は「会場の安全」です。ドローン=危険なもの、という分かりきった判断のもと、ただちに所有者を見つけ出すのに全力を挙げるはずです。

実際に、違反飛行の所有者を見つけ出すことに成功した事例があります。

送検容疑は、昨年9月10日午後9時ごろ、同神社の上空で承認を得ずにドローンを飛行させた疑い。

同署などによると、男は最高高度約290メートルの上空で約20分間にわたり飛ばしていた。当時、会場には約3千人が訪れており、警備員が気が付き、雑踏警備をしていた大町署員に通報。

署員がドローンを追い掛け、数百メートル離れた場所で操縦している男を発見し、事情を聴いていた。

信毎web「大町の男を書類送検 ドローン承認得ず夜間飛行疑い」より

違反行為をしている一般人を発見するのは、アッパレですね。

もし仮に、正攻法で進もうとしたとしても、イベント主催者の許可をいただけると考えるのなら、イベント主催者からのドローン撮影依頼やテレビ局などのメディアのドローン撮影くらいです。

許可を受ければ、必然的に飛行しやすい場所を会場内で確保してくれたり、どこならOKと指示をもらったり、また警備員や警察官にも共有されているので捕まることもありません。

離発着場所の許可

ドローンの離発着場所もポイントです。

足立花火大会ではどこで離発着させて、どこを飛行させたのかは不明ですが、もし離発着したのが私有地以外となると、強く問われた場合は不利になりがちです。まして、不特定多数の第三者が集まるイベントですから。

例えば、公道での離発着。

ドローンを離陸させるには、一定時間、道路を専有しなければなりません。そうなると、国土交通省に公道の使用許可を取得しないといけない場合があります。

足立花火大会で犯したルール破り

上記のように、足立花火大会では様々なルールを吹っ飛ばして、ドローン飛行をおこなってしまった可能性があります。

  • 人口集中地区での違反フライト
  • 催し物での違反フライト
  • 夜間での違反フライト
  • 人または物件30m以内の違反フライト
  • イベント主催者の許可
  • 離発着の許可

これだけ違反が重なったドローン飛行は、(まだ書類送検中ですが)悪質だと言われても仕方がないかと思われます。

前述のとおり、花火大会では警備員や警察官が大勢派遣されています。ドローンが飛行していれば、ドローン離陸と同時に御用されるのも目に見えています。

⇒参考:実質的な判例に!?ドローン無許可飛行で罰金20万+前科一犯

さらに言えば、今回の事件にともなって、これからの花火大会はよりドローンに対して警備強化されるはずです。

遊び半分だとしても、ドローンのフライトは第三者に危害を与える可能性が非常に高く、かつ操縦者も捕まる可能性が非常に高いのでNGだということ、覚えて欲しいです。

あとがき

花火大会でのドローン飛行は違反性が高いです。

趣味でドローンを飛ばしている方はイベント参加者の安全のために(←つまり、これを言いたいのです)、絶対に行わないように気をつけてください!

このブログが検索エンジンで上位表示されて注意喚起の一環ができれば・・・嬉しい限りなのですね。

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